表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
176/209

174 防衛機構 死眼線

スリーカー

「ということは、アリム様の【男の人】としての別人格は御自身で意識的に作られたものなのですね。」


アリム

「その通りです。

 主人格のボクが健在でなければ発現できません。」


スリーカー

「発現できなくなったことがあるのですね。」


アリム

「そうです。

 20年前に上司たちのパワハラといういじめで粉々に砕かれるまで、【男の人】としての別人格は、ボクの精神を守ろうとしてくれました。

 今回、徒手格闘術が絶対に必要だったので、20年ぶりに必死で再構築しました。

 カセイダード王国の移民審査船に乗ってから、オルアたちがボクの精神を癒してくれたおかげで成功しました。」


真々美

「わたしたちがアリムのこころを癒す助けになれたのなら、この上ない幸せだな。」


冬香

「そうね。自分の身を守るだけでなく、わたしたちの身を守るくらいまで回復してくれたのだから、最高ね。」


オルア

「アリムのつらい記憶は全部ワタシが新しい幸せの記憶で上書きするわ。」


アリム

「真々美、冬香、オルア、ありがとう。」


オルアは、アリムの両肩を側面から両手で押さえて、アリムの目を見ながら言った。


オルア

「まずは、指折りの美女の技【瞳の奥】に関する記憶を上書きしましょうね。」


アリム

「いいや、オルア、それはやめて欲しい。」


オルア

「ちゃんと、【封じの言葉】を言うから安心してね。」


アリム

「それでも駄目だ。やめてくれ!」


アリムは、オルアの手を両肩を大きく動かして、払いのけた。


今度は、オルアはアリムの腰回りを両手で抱きしめて、アリムを上目遣いで見た。


挿絵(By みてみん)


オルア

「あなたの一番は私。

 だからね、お願い。

 わたしがウソを言ってないことを証明するためにも、わたしの目を見て。」


アリム

「うん、見たよ。 とても綺麗な目をしているよ。」


オルア

「ねえ、わたしの目に映るアリムの姿が見えますか?」


アリム

「うん、鏡のような黒目にボクの姿が見えるよ。」


オルア

「良かった。えい、【瞳の奥】。」


アリム

「えっ? やめてって、言ったよね。」


合成音声

「【瞳の奥】を使用されました。

 防衛します。


 【死眼線(しがんせん)】。


 防衛完了しました。


 早く逃げてください。」


アリム

「えっ? この音声はまさか・・・」


オルア

「真々美、冬香、いじわるしないでよ。

 電気の照明を消さないでよ。


 暗くて、見えないじゃない。」


真々美

「オルア、なにを言って・・・」


真々美は、冬香に口を塞がれてしまった。


冬香

「キスするときは、目を閉じるんだから一緒でしょ。」


冬香は絵美とスリーカーさんを見た。


その様子を見て、メラニィは、小声で言った。


メラニィ(小声)

「シフト 理香。」


冬香

「いい場面だから、記念写真を撮るわ。」


オルア

「でも、暗くて写らないでしょ?」


冬香

「暗視機能があるから、大丈夫よ。」


冬香はオルアに気付かれないように、オルアの目を覗き込んだ。


===========

オルア サーパース


状態: 視神経切断

     治療不可

===========


冬香 (小声)

「スリーカーさん、

 いいえ、絵美様。

 お願いできますか?」


絵美 (小声)

「冬香さんは、魔力切れね。

 では、わたしの性魔力で。


 スリーカーさん、お願いします。」


スリーカー

「これは、【回復妨害の結界球】があります。

 取り除かない限り、なにをやっても無駄です。」


絵美

「呪術関係なら、アリムさんが扱えるわ。」


スリーカー

「これは、守護防衛術なので、効果対象外です。」


オルア

「もう、いいでしょ!

 電気をつけてよ。」


アリムはオルアを胸に抱きしめながら言った。


アリム

「お願いだから、もう少しこのままで、いてくれませんか?」


オルア

「もう、仕方ないわねえ。

 でも良い思い出で上書きできるでしょ。」


アリム

「ああ、そうだね。」


アリムの両目からは、涙があふれていた。


アリム こころの声

『オルアは、両目とも失明してしまった。

 スリーカーさんが治せない場合、なにをやっても無駄だ。

 バイパスという迂回路で視神経をつなごうとしても邪魔されてしまう。


 May様、助けて!』


バエリ、バリ、エリという音がして、空間が引き裂かれた。


偉そうな美しい女性

「ほとんどの場合は見過ごすしかなかったが、【瞳の奥】を使用された以上、後始末をせねばな。

 まったく、パラレルワールドのワタシは、どうして、こうも品質が悪いのだ。」


つづく


【読者様へ】


 あなたの30秒で、この作品にパワーをください。

 「ブックマーク」(2点)と、広告下(↓)の【見えない場所】にある「☆☆☆☆☆評価」(2~10点)を待っています。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ