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167　黄庵と理香の師弟関係

2023年8月28日（月）　１７：３０

冬香（黄庵＝黄花の転生体）

「え？　どうして、メラニィさんが【聴診丸】を使いこなしているの？」

メラニィ（理香の転生体）

「【聴診丸】の使い方は、黄庵様が教えてくれたではないですか？

　もしかして、１番弟子の理香のことを忘れたのですか？」

冬香（黄庵＝黄花の転生体）

「その黄庵というのは、知らないわ。

　わたしの前世の名前は、黄花（おうか）だと聞いているわ。」

メラニィ

「黄花は家の中だけですよね。

　外では男装して、黄庵と名乗っていたじゃないですか？

　まあ、ここには、女性しかいませんから、黄花様と呼びましょうか？

　それで、黄花様、この男性は、実力に見合わない無理をされて、頭の疲れがひどいです。

　頭が疲れたときには、疲労を和らげる食べ物を早めに取らせるべきです。

　黄花様、どうです。　ちゃんと覚えているでしょう？」

冬香

「え、ええ、そうね。

　それでは、ブドウ糖をなめてもらいましょう。」

メラニィ

「黄花様は、まだ私を試していますね。

　いいでしょう。　わたしが黄花様から習ったことを正しく覚えていることを実演します。

　頭が疲れたときに、甘いものを食べるという対処は正しいです。

　しかし、サトウキビや甜菜(てんさい)から砂糖が作られるようになってからは、注意が必要です。

　つまり、昔の甘いものとは、果物のことでした。　そして、あたまが求めている本当の物質は、酸っぱさではないかと考えられています。　だから、みかんやリンゴをしぼったジュースを飲むことが薦められます。　大事な点は市販されているジュースには砂糖が入っているので、効果が小さいです。」

冬香

「人工呼吸さえ上手にできないメラニィさんとは思えないわ。」

メラニィ

「黄花様、さっきから、めら兄(にい)って、なんですか？

　わたしは、お兄さんじゃありません。

　いえ、あとで問い詰めます。

　いまは、目の前の患者です。

　黄花様はどんなに腹が立つことがあったときも、

　　「患者には関係ないことだから。」

と、冷静を保つようにされていました。」

冬香

「そうなのね。」

メラニィ

「さあ、みかんジュースとリンゴジュースができました。

　さあ、飲んでください。」

アリムは眠ったままだ。

メラニィ

「仕方ありませんね。

　口移しで流し込みましょう。」

メラニィは、アリムに口移しでジュースを飲ませようとした。

オルア

「待って、まって、待って。

　アリムの１番は私だから。

　わたしにまかせて。」

メラニィ

「奥様がいらっしゃるなら、ぜひお願いします。」

オルア

「奥様だなんて、もうメラニィさん、よく分かっているじゃない。」

メラニィ

「紅姫様、この方を運んでいただけますか？」

メラニィは真々美を見ながら、言った。

真々美（紅丸＝紅姫の転生体）

「ああ、わたしは構わないのだが・・・」

真々美は、ゆっくりとオルアの方を見た。

オルア

「大丈夫。わたしにまかせて。」

オルアが、アリムをお姫様抱っこしていた。

メラニィ

「紅姫様と同じくらい腕力がある女性は初めて見ました。

　月夜様、仕上げにというか念のために、スリーカーをお願いします。」

メラニィは、セーラの方を見て言った。

セーラ

「あの？　メラニィ？　わたしはまだ【性魔力】を使えません。」

メラニィ

「え？　なにをおっしゃっているのですか？　月夜様。」

冬香

「わたしが使うわ。

　アリムへ　【スリーカー】。」

スリーカー（スピ－カーモード）

「冬香様、再びお会いできて、嬉しく思います。」

メラニィ

「え？　黄花様？　トゥベルサだけでなく、スリーカーもコールできるようになられたのですか？

　いつのまに？」

スリーカー（スピ－カーモード）

「これは、なつかしい。

　昔のわたしの姿を見ることができるなんて！」

スリーカーさんは、メラニィの方を見て言った。

つづく

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167 黄庵と理香の師弟関係

167　黄庵と理香の師弟関係