表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

164/209

162 国民に還元された方がいい

宝物庫の準備室


 メラニィは、呼び出されたモンテハート大公爵の幽霊(ゆうれい)と話をしている。


メラニィ

「モンテハート大公爵は、そのなんだか健康になられましたね。」


モンテハート大公爵の幽霊(ゆうれい)

「さすがだな。 よく分かったな。」


メラニィ

「肌の色つやといい、表情といい、別人みたいです。

 もしかして、天国に行かれたのですか?」


メラニィ こころの声

『この極悪人が行ける天国があるなら、消滅して欲しいものだな。』


モンテハート

「いや、天国ではないのだが、わたしの先祖が女神さまの前世で交流されていてな。」


メラニィ

「交流ですか?」


モンテハート

「ああ、そうだ。

 そのとき、孫娘のように、かわいがってもらったそうだ。」


メラニィ

「さようでございますか?」


 メラニィは、あからさまに不機嫌な顔を見せた。


モンテハート

「そんなに良いものではないぞ。

 厳しい食事制限と、朝夕のトレーニングをさせられている。

 そして、女神さまのお説教が毎食後に、つまり、1日3回されるのだ。」


メラニィ

「女神さまに時間を割いてもらえるなんて、ぜいたくですね。」


モンテハート

「うらやましいなら、かわってやろうか?

 面倒くさいから、あやまっておこうとしたら、3倍のお説教をくらうのだ。

 まるで、こころの中を全部のぞかれているようだ。


 もしかしたら、地獄の方がマシかもしれない。」


メラニィ

「じゃあ、地獄送りを希望すればいいじゃないですか?」


モンテハート

「したさ。

 そしたら、初代大公爵の先祖様は、人格的にとても優れたひとだったらしい。


 「あなたは、その血を引いているはずだから、精神修養ができるまで教育します。

  たとえ、動物プランクトンに生まれ変わるにしても、その後です。」


と、エンドレスのお説教が始まるのだ。」


メラニィ

「いい気味ですわ。」


モンテハート

「まあ、そう思われても仕方ないか。

 それで、わしを呼び出したということは、なにか用があったのだろう?

 ゆうれいのわしにできることがあるとも思えないが、なにを望む。」


メラニィ

「ここにあるあなたのコレクションを売って、お金に換えたいです。


 しかし、わたしたちには、価値が分からないので、二束三文(にそくさんもん)で買いたたかれてしまうでしょう。 そこで、モンテハート様に価値が分かり高く買い取ってくれる相手を紹介して欲しいのです。

 もちろん、買いたたかれないために、コレクションの内容説明と適正価格という相場を教えて頂きます。」


モンテハート

「しかしなあ。」


メラニィ

「ダメなら、全部、燃えるゴミにします。」


モンテハート

「まて、待て、まて、メラニィ。

 おぬしは短気でいかん。

 短気は損気というだろう。


 協力しないとは言っていない。


 ただ、わしの声は、メラニィには聞こえても、録音することができないんだ。」


メラニィ

「ということは?」


モンテハート

「録音したければ、メラニィが自分の声で繰り返すしかない。

 文字に残したければ、ワシに代わってメラニィがタイピングするしかない。」


メラニィ

「では、協力すると?」


モンテハート

「もちろんだ。

 わたしの大事なコレクションが燃やされて灰になるよりは、価値が分かる者へと売られて、国庫の収益となり、国民に還元された方がいい。」


メラニィ

「意外ですね。」


モンテハート

「バカにするなよ。

 これでも、わしは民衆側の最上位貢献者だぞ。」


☆ モンテハート大公爵

☆ 「こちらが下手に出ておれば、いい気になりおって。

☆  わたしは、民衆側の最上位貢献者(こうけんしゃ)であるモンテハート大公爵だぞ。

☆  わたしに無礼を働いてゆるされると思うのか?」

☆ 

☆ 066 14日目 その玉座にすわる者は誰か?



メラニィ

「そんな過去もありましたね。

 なぜ、自分の快楽を優先するようになったのですか?」


モンテハート

女子(おなご)にもてなかったからな。

 だから、金と権力で手に入れるしかなかった。

 そして、それを行使しなくても相手を見つけることが出来る者どもに、激しく嫉妬したのだ。」


メラニィ

「ああ、なるほどー。」


メラニィは、しらけた表情を見せた。


モンテハート

「おぬしだって、わしに金と権力が無ければ、その身を任せたりしなかっただろう。」


モンテハート

「当たり前じゃないですか?

 あなたには、多くの愛人がいたのですから、恋愛対象外です。

 まあ、さびしい独り身だったら、わたしに服従をすることを条件に愛してあげたかもしれませんね。」


モンテハート

「ふむ、リップサービスを、ありがたく受け取っておこう。」


メラニィ

「おや、怒らないのですか?」


モンテハート

「もちろん、怒っておる。

 だが、この身体が

  「怒ってはいけない」

と必死にワシを止めるのだ。


 話を戻そうか?」


【読者様へ】


 あなたの30秒で、この作品にパワーをください。

 「ブックマーク」(2点)と、広告下(↓)の【見えない場所】にある「☆☆☆☆☆評価」(2~10点)を待っています。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ