159 マインルーンの【ベルマイル】は、相手の力を
アリムは、右手を天井に向けていた。
右手から5cmくらい上の空中に、直径10cmくらいの黒いボールのようなモヤがあった。
アリム
「へーー。
ナームが禁止するだけあって、呪いの力って、すごいエネルギーを放つんだね。」
あっ、右手の中に吸い込まれちゃった。
呪術師
「なにをしたんだ?」
アリム
「マインルーンの【ベルマイル】は、相手の力を封じ込めるのではなく、奪い取るんだよ。
おとなしく封じ込められていた方がマシだったね。」
呪術師
「わたしの呪力を返せ!」
呪術師は、アリムに殴りかかろうとした。
したのだが・・・
メラニィの左手で、襟元をつかまれてしまった。
次の瞬間、メラニィの中段突きが10連発で入った。
呪術師
「ぐふっ。」
呪術師はたまらず、両方の足を伸ばした状態で、座り込んでしまった。
すかさず、メラニィの左足が、呪術師の右足のももの骨を踏み砕いた。
呪術師
「ぎゃあ。」
さらに、メラニィの左足が、呪術師の左足のももの骨”も”踏み砕いた。
呪術師
「な、なにを。」
メラニィは、返事の代わりに、右足で、呪術師の左腕の二の腕の骨”も”壁に押し蹴りして砕いた。
呪術師
「や、やめてくれ。」
メラニィは、返事の代わりに、呪術師を背負い投げして倒れたところを、左足で、呪術師に残された右腕の二の腕の骨”も”踏み砕いた。
手と足の骨をすべて砕いたところで、メラニィの動きが止まったので、後ろから冬香が羽交い絞めで止めた。
冬香
「メラニィ、もう十分よ。 十分だから。」
メラニィ
「冬香様、アリム様、シュウピン、セーラと愛し合った大事な大事な痕跡を、こんなやつに、こんなやつに、かき消されてしまった。
その中でも、冬香様とは、2度目の愛情交換ができる可能性がゼロに近いのに・・・」
メラニィは、大粒の涙を流して泣いていた。
冬香
「メラニィさん。」
冬香は、だまってメラニィを後ろから抱きしめることしかできなかった。
◇
真々美
「シュウピンさん、大丈夫か?」
シュウピン
「真々美様。」
シュウピンは、両目に涙をためて、真々美に抱きついた。
真々美は、シュウピンの顔の向きを変えて、呼吸ができるように配慮してから、抱きしめた。
☆ 真々美は、思い切り、シュウピンを胸に抱きしめた。
☆
☆ 絵美が真々美のわきに腕を入れて、シュウピンから引きはがした。
☆
☆ 075 【挿絵】 オルアの名誉回復と行政長就任
☆ 真々美は、絵美を黙らせるために熱く長い口づけをした。
☆ そして、絵美に見せられたシュウピンさんのハグのお手本通りに、絵美を抱きしめた。
☆
☆ 076 アリムの記憶、絵美の後悔
◇
アリム (いつもの高い声)
「セーラさん。
反応がない。
呪術師からの支配が残っているのかもしれない。
【レパラ】」
セーラ
「ああ、手が、身体が自分の意志で動く。
アリム様、助けてくれてありがとうございます。
怖かったです。」
セーラはアリムの胸に飛び込んで泣いていた。
◇
呪術師は意識を取り戻して、最後の抵抗を試めそうとした。
呪術師
「アヤ・ヒ・デ・」
真々美
「【テグトス】」
☆ [4] テグトス
☆ [4] 小さな点のようなエネルギー弾を打つ。
☆
☆ 026 用語解説 参照
真々美の【テグトス】は、冬香の【テグトス】よりも早かった。
真々美
「今回の大惨事は、わたしの目が曇っていたことが原因だ!
冬香が成敗しなくていい。」
真々美は、自分の判断があまかったことを悔しがっていた。
◇
アリムたちの家
絵美
「アリムさんたちは、大丈夫よね。」
オルア
「アリムなら、大丈夫のはずです。」
オルアは、ポケットから、【音色のソロバン】を取り出した。
絵美
「オルアさん、どうしたの?」
オルア
「気になるというか?
やっておけば良かったと後悔していることがあって・・・
呪術師を、月収48万バーシルで雇う。」
【音色のソロバン】
「ぐもーん。」
絵美
「ずいぶん濁った音がするね。」
オルア
「アリムを、月収48万バーシルで雇う。」
【音色のソロバン】
「リーン」
絵美
「きれいな鈴の音が聞こえるわ。」
☆ ご参考
☆ スピンオフ作品
☆ 仲間の美女3人と万能で最強のちからを手に入れました。神様にボクの「異世界アイデア」を採用された対価です。
☆ 030 青紫の商才(10)音色のソロバン
オルア
「【音色のソロバン】が神器と呼ばれるわけが、いまごろ分かったわ。
あのとき、わたしが試していれば、こんな大惨事にならなかったのよ。
アリム、ごめんなさい。」
絵美
「オルアさん、自分を責めないで。
これは、予想がつかないことだもの。
それに、事後でも気づいただけ儲けものよ。
なんといっても、次に生かせる発見をしたのだから。」
オルア
「絵美様、ありがとうございます。」
☆ その神器は前世で大活躍したはずです。
☆ そして、科学技術が発達している今生でも、大いなる助けになるでしょう。
☆
☆ 109 女王様からの質問 3 女神さまの情報
第25章 呪いに対抗できる人材をもとめて
おわり
第26章をお楽しみに!
アルファポリス様は、ログインして、「お気に入りに登録」を
小説家になろう様は、ログインして、「ブックマーク」を
することで、通知を受け取ることが出来ます。
【読者様へ】
あなたの30秒で、この作品にパワーをください。
「ブックマーク」(2点)と、広告下(↓)の【見えない場所】にある「☆☆☆☆☆評価」(2~10点)を待っています。