149 しゃけの昆布付け焼きと味噌汁
日課のトレーニングを終えたボクたちは、それぞれでシャワーをあびて、身体を洗った。
メラニィ
「テニスに比べると汗の量は少ないが、やはり、身体を洗う方がいいな。」
シュウピン
「アリム様がいたから、張り切ってしまったわね。」
絵美
「オルアさんは、アリムさんと男子用のシャワー室に行きたかったんじゃない?」
オルア
「そうだけれど、アリムが、
他の男性にわたしの裸を見られたくない!
って、いうからね。」
真々美
「オルア、愛されているな。」
冬香
「わたしが行っても、同じことを言うかしら?」
セーラ
「アリム様は、おなじことをおっしゃると思いますわ。
オルア様、真々美様、冬香様は、アリム様とナイトバインドされたのでしょう?」
冬香
「ナイトバインドしたという意味では、ほぼ同じ立ち位置なんだけどね。
わたしが一番にアリムの相手をしたかったわ。」
メラニィ
「冬香様、そういう意味なら、移民申請者の選考のときに、アリム様に手を出さなかったシュウピンとわたしの理性と国に対する忠誠心を思い出してほしいです。」
真々美
「その通りだな。
シュウピンさんとメラニィさんを選んだわたしと冬香の目は素晴らしかったな。
本当に、自分が誇らしい。」
絵美
「真々美、その話は長くなるわよね。
みんなが風邪ひいてしまうわ。」
冬香
「そうね、風邪ひく前に出ましょうか?」
真々美の【人を見る目、ひとを正しく評価できること自慢】が長いことを、みんなが知っている。
しかし、選ばれたひとが嬉しくなる話だから、苦情は出ていない。
ただ、ただ、気恥ずかしいのだ。
◇
男子のシャワールームで。
アリム
「ひとりになる時間も良いものだな。
ひとりごとを言い放題だ。
やはり、考えごとを、まとめたいときは、ひとり言は最強ツールだな。」
アリムは、自分のおなかを、なでまわしていた。
アリム
「【おなかスリム】と【ローション】があれば、ボクのおなかも腹筋が浮き出てくる可能性がでてきた。
オルア、真々美、冬香に好きになってもらうために、筋トレをがんばるぞ。
筋トレの成果が出たときの3人の顔が楽しみだ。」
ボクは、未来に希望を感じていた。
◇
ボクたちは、いつものリビングルームというか食事のテーブルに戻ってきた。
シュウピン
「それでは、晩御飯の支度を始めます。」
アリム
「ボクに手伝えることはありませんか?」
シュウピン
「それでは、後片付けの皿洗いをお願いしてもいいですか?」
アリム
「うん、分かった。
食後でいいかな?」
シュウピン
「うれしいですわ。」
無表情のシュウピンさんが、微かに笑顔を見せてくれた気がした。
◇
シュウピン
「みなさま、お待たせしました。
しゃけの昆布付け焼きと味噌汁です。」
絵美
「シュウピンさん、
いただきます!
の号令をお願いね。」
シュウピン
「いただきます!」
絵美、真々美、冬香、オルア、アリム、メラニィ、セーラ
「「「「「「「いただきます!」」」」」」」
真々美
「とっても美味しいぞ、シュウピンさん。」
シュウピン
「真々美様、ありがとうございます。」
アリム
「昆布だしが効いて、焼き鮭が美味しいです。
火加減も最高で、肉汁が最高です。」
シュウピン
「アリム様は、料理の機微にくわしいのですね。」
絵美
「みんなで、おいしいね。って言える食卓は最高ね。」
アリム
「ボクが夢に見てきた光景だよ。」
オルア
「アリム、これからは、わたしたちがいっしょよ。」
アリム
「うれしいな。」
絵美、真々美、冬香、オルア、シュウピン、メラニィ、セーラ こころの声
『わたしたちが、幸せにしてあげますからね。』
食やすみをするみんなの会話を聞きながら、ボクは皿あらいを済ませたのだった。
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