144 けんすい5回できるかな
一般的に、子供のころの方が腕力が強いらしい。
アリム
「へー、そうなんだ。」
オルア
「 Use it ? or Lose it ?
使いますか? それとも、失いますか?
単純な話よ。」
アリム
「お受験ママの影響だったんだね。」
オルア
「お受験パパだと、凶悪度は10倍になるわ。
本当に、男性どもは・・・」
アリム こころの声
『男性に関わる話は、地雷が多いな。
ボクが愛されていることが、宝くじで一等賞を当てるくらいの奇跡に思えてきたよ。』
アリム
「ねえ、オルアは、懸垂も得意なのかな。
模範演技を見せて欲しいな。」
オルアは、表情を笑顔に変えてくれた。
オルア
「ふふん、見てなさい。
オルア様の美しいストローク運動を!」
オルアの懸垂は見事だった。
きれいに伸びた背筋と両足でできる曲線が、ガタツキなしに上下する様子が美しかった。
オルアは、あっという間に、5回の懸垂を終えた。
アリム
「フォームというか身体の姿勢が、とても美しかったよ。」
オルア
「どう?
惚れ直した?」
アリム
「うん、うん。」
アリム こころの声
『うわあ、どうしよう。
リトルアリムが元気になってきちゃった。
あ、でも、スポーツウェアのおかげで、ばれないよね。』
丸いカバーのおかげで、気づかれなかったようだ。
オルア
「真々美、冬香、絵美様?
模範演技できそう?
それとも、シュウピンさんたちの後にする?」
真々美
「いや、大丈夫だ。
すぐできるぞ。」
真々美の懸垂は、5回とも力強かった。
もちろん、美しかった。
アリム
「すごいね。 真々美。」
真々美
「まあな、前世は、戦士か武闘家かと思うくらい、デスクワークよりもスポーツの方が得意なんだ。」
アリム
「前世は、一流の剣士だったのかもしれないね。」
真々美
「ああ、そんな気がするぞ。」
☆ 妖刀斬 紅丸 思念波
☆ 『おっしゃるとうりでございまする。
☆ どうか 紅姫に私を握るように おっしゃってください。』
☆
☆ 真々美
☆ 「アリムの小説が私たちの前世の話だったとは、今も驚きだな。
☆ それで? 私はどうすればいい?」
☆
☆ 087 紅姫、黄花、青紫の神器 参照
冬香
「じゃあ、わたしも。」
冬香の懸垂も、安定していた。
アリム
「すごいね。 冬香。」
冬香
「医者は、体力勝負だからね。」
絵美
「次は、シュウピンさんね。」
シュウピン
「はい、絵美様。」
涼しい顔で懸垂したシュウピンさんには、クールビューティーって言葉が似合う気がした。
絵美
「メラニィさんの番よ。」
メラニィ
「よーく見てろよ、アリム様。」
元気よく懸垂したあとに、腕の力こぶを作って見せたメラニィさんの笑顔は輝いていた。
絵美
「セーラさん、行けそう?
無理しなくてもいいわよ。」
セーラ
「やってみます。」
セーラさんは、余裕は感じられなかったけれど、5回の懸垂をギリギリ成し遂げたのだった。
絵美
「最後は、わたしね。
アリムさん、よーく見ててよ。」
絵美は、涼しい顔で無表情に、5回の懸垂をこなした。
アリム
「絵美さん、余裕だね。」
絵美
「まあね。
真々美も見たわよね。
わたしは、太っていないわ。」
真々美
「いや、絵美、その件は、本当に失言でした。
ゆるしてください。」
絵美
「分かればいいのよ。
見た目だけでなく、中身の筋肉も維持しているわ。
わたしは、ね。」
☆ プチンって音が聞こえた。
☆
☆司会(中路真々美)
☆「あれ? なにか切れました?
☆ もしかして、絵美、太った?
☆ 総責任者をしているから運動不足じゃない。」
☆
☆ 015 白沢絵美様は、お見通し 参照
オルア
「さてと、お待ちかねのアリムさんの番よ。
まずは、1回を目指してみようか?」
アリム
「はい、がんばります。」
ボクは、両手でしっかりと鉄棒を握った。
アリム こころの声
『なんとしても、1回はできなきゃ恥ずかしいな。
高校1年生のころは、何回でもできたんだから、きっと大丈夫なはずだ。』
アリム
「ううーん。」
1回はギリギリ持ち上がった。
しかし、2回目は腕に力が入らなかった。
オルア
「懸垂も1ヵ月くらい続ければ、できるようになるわ。
だけど、週2回を目安にしてね。
毎日したら筋肉が回復できないから、無意味になるわ。」
アリム
「はい、週2回、続けるようにします。」
オルア
「最後は、歩く姿勢ね。」
オルアが指さした方向に、ボクたちは歩き出した。
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