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第２０章 ダブルステニスと女神さまの守護

129 サーブ練習の成果

本日は、連続投稿します。

９時４０分、１２時４０分、１５時４０分、１８時４０分、２１時４０分の５回です。

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　テニスコートで、ボクのサーブ練習が続けられていた。

シュウピン

「じゃあ、わたしは真々美様と同じことをしたいです。」

　シュウピンさんがボクの後ろから近づいて、右手の手首を掴(つか)んだ。

　左手をボクの腰回りにまわして、抱きしめるように密着(みっちゃく)してきた。

シュウピン

「さあ、アリム様。

　右腕のちからを抜いて、わたしに預けてくださいね。

　ラケットを振るタイミングを覚(おぼ)えてもらいますわ。」

アリム

「はい。シュウピンさん。」

真々美

「では、アリム様、トスをお願いします。」

アリム

「はい、行きます。」

　ボクはトスを上げた。

　そして、ボクが理想と考えるタイミングよりもかなり早いタイミングだと感じた。

　シュウピンさんのタイミングで打ったサーブは理想的な曲線を描いて、サービスエリアに入った。

シュウピン

「いい感じですわ。

　あと2回繰(かいく)り返(かえ)しましょうね。」

　ボクは言われたとおりにした。

　さらに良くなった気がする。

　ただ、シュウピンさんの胸(むね)のサイズがオルア、真々美、冬香よりも大きいように感じて、平静(へいせい)な顔(かお)を保(たも)てたかどうか不安になってしまった。

メラニィ

「次はわたしだな。

　わたしも、アリムが打つタイミングより早く身体を曲げているのが気になるな。

　というわけでだ。」

　メラニィさんはボクの後ろから抱きついてきた。

　右手で腰周りを抱き寄せて、左手で左肩を押さえた。

アリム

「メラニィさんも、冬香と同じように身体を支えてくれるんだね。」

メラニィ

「ああ、だが、わたしは冬香様のようには優しくできないと思うぞ。

　身体の力は抜いておけよ。

　身体を強張(こわば)らせると、あとで筋(すじ)を痛めてしまうからな。」

アリム

「はい、気を付けます。」

　ボクは身体を曲げるタイミングが早くなりすぎないように心掛(こころが)けた。

メラニィ

「いいんじゃないか。

　次はセーラだな。」

セーラ

「では、わたしはオルア様の真似(まね)をして、ラケットを振るタイミングで声を掛けますわ。」

アリム

「うん、よろしくね。」

セーラ

「では、アリム様、トスを上げてください。」

　ボクは、トスを上げた。

セーラ

「はい。」

　気のせいかもしれないが、より打ちやすくなった。

　合計で３回の掛け声をもらった。

セーラ

「思った通り、アリム様は掛け声で一瞬(いっしゅん)だけ硬直(こうちょく)しますね。

　硬直が解除(かいじょ)されるまでのロスタイムを考慮(こうちょく)して正解でしたわ。」

アリム

「たしかに、声(こえ)を掛(か)けられると一瞬だけ身体が固(かた)まるというか凍(こお)り付(つ)く気がするんだ。」

絵美

「アリムさんは、超が付くほどの幸せ者ね。

　豪華(ごうか)コーチ陣(じん)によるサーブ練習は、いかがでしたか？」

アリム

「うん、新しい世界が開いた気がするよ。」

絵美

「じゃあ、わたしはなにをしようかしら。

　うーん、じゃあ、レシーブをするわ。

　だれもいないところに打つのと、相手が構えて気迫(きはく)を飛ばしているところに打つのでは違うはずだからね。」

　絵美はラケットを持って、レシーブの体勢(たいせい)に構(かま)えてくれた。

アリム

「絵美さん。　じゃあ、お願いします。」

　ボクはトスを上げた。

　しかし、練習のように上手くボールを上げられなかった。

絵美

「緊張(きんちょう)して当たり前だからね。

　相手から来る気(き)は、受け流して。

　そうすれば、実力を発揮(はっき)できるわ。」

アリム

「よおし、行きます。

　ふん。」

　ボクはみんなに教わったサーブ練習の成果をすべて出すことにした。

　パーン。

　フォア側(がわ)にあっさりと返されて、レシーブエースを取られた。

絵美

「あと２球。

　続けて、サーブして。」

アリム

「よおし、行きます。

　ふん。」

　　パーン。

　　あっさりと返されて、レシーブエースを取られた。

　　今度はバック側に返された。

　　パーン。

　　フォア側(がわ)にあっさりと返されたが、ストレートに打ち返せた。

絵美

「上出来(じょうでき)よ。

　これで、ダブルスが盛り上がるわ。」

アリム

「そうだと良いけれど。」

オルア

「大丈夫よ、それだけのサーブを打てればね。

　シングルスは厳(きび)しいと思うけれど、ダブルスだったらペアがフォローできるわ。」

真々美

「ああ、自信を持てばいい。」

冬香

「慣(な)れたら、他の球種のサーブも教えるわ。」

シュウピン

「アリム様は、そのサーブをいつでも入れられるように覚えてくだされば第(だい)１段階(だんかい)を突破(とっぱ)ですわ。」

メラニィ

「アリム様、まずは、そのサーブを１００％入るようにしてくださいね。」

セーラ

「そうすれば、セカンドサーブが保証されて、ファーストサーブでちがう球種を試す余裕(よゆう)ができますわ。」

絵美

「アリムはすぐできるから、教(おし)え甲斐(がい)があるわ。」

アリム

「みんな、ありがとう。」

　みんなのおかげで楽しいひとときを過ごすことができたのだった。

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