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012 [読み飛ばしOK] ベーシックインカム制度を成功できた理由



『この話は、飛ばしても構いません。』


 本作品のテーマであるベーシックインカムについて、ようやく語るところに着きました。





 オルアがアリムさんのところに戻ったころには、研修動画の視聴が終わっていた。

 アリムは手持ち資料を読み返していた。

 例えて言えば、映画を見終わってから、パンフレットを読み返しているような状況が近い。


 オルアがノックをしてドアを開けると、アリムさんが駆け寄ってきた。


アリム

「オルアさん、お帰りなさい。」

と駆け寄ってきた。


 玄関を開けるとペットが駆け寄ってきて、可愛くて仕方ないという話を聞いたことがあるが、うれしさは比べ物にならないだろう。


オルア・サーパス

「ただいま、アリムさん。」


 オルアは力強くアリムさんを抱きしめた。


アリム

「うー、うー、ぷはあー、オルアさん、どうしたの?」


 オルアはアリムさんを胸元に押し付けすぎたことに気付いて、ほほを赤らめてしまった。

 それをごまかそうとした。


オルア・サーパス

「ううん、何でもない。

 研修動画はどうだった?

 予習になったかな。」


アリム

「字幕とスライド資料のおかげで分かりやすかったよ。

 それにしても、このひとはすごい早口で、聞き取りにくいよ。

 でも、0.5倍速で再生したら、とても聞きやすかった。

 ホワイトボードに書いてある文字が草書体に見えて読めなかったけれど、スライド資料の文字は見やすくて綺麗な文字だと思った。


 だから、分かりやすかったよ。 ありがとうございます。」


オルア・サーパス

「そう、字幕とスライド資料を渡して良かったわ。」


 オルアはチクっと良心が痛んで、罪悪感を感じた。


 司会(中路真々美)は、逆バリアフリーで研修を進めていた。

 色覚や聴覚についての不便を申し出るかどうか見るために、わざと見にくいようにしていた。


 緑に塗りつぶしたところに赤い文字を書いたり、

 赤く塗りつぶしたところに緑の文字を書いたり、

 わざと黒白比を下げて、濃い灰色とうすい灰色を組み合わせたりしていた。


 つまり、見にくくて当然だった。


 また、聞き取りにくいように空調のエアコンの騒音を大きくしたり、

 わざと、2倍速相当で話していた。


 つまり、聞き取りにくくて当然だった。


 多くの参加者から苦情が来るだろうと予想して、別室に色覚と聴覚のバリアフリーを考慮した会場と資料を用意していた。


 しかし、アリムさんしか手を上げなかったから、別会場での研修ではなく、医師(白石冬香)の診察に切り替えた。


 司会(中路真々美)がアリムさんと10秒間見つめあった理由は、その短い時間で、色覚と聴覚に異常があるかないか見抜くためだった。

 異常ありと判定していた。


> 司会:

> 「こちらの方を、別室に案内して。」


引用元 第一章 003 研修1日目 予定表の説明


のセリフはあらかじめ打ち合わせていた暗号だった。

『人数が少ないから、別室での研修ではなく、診察をして!』

という意味だった。


しかし、その舞台裏をアリムさんに知られるわけには行かなかった。



第4日目の朝が来た。


オルア・サーパス

「では、研修1日目の課題 ベーシックインカム導入について講義をします。

 よろしくお願いします。」


アリム

「よろしくお願いします。」


オルア・サーパス

「これから話す話は、カセイダード王国の歴史です。

 アリムさんが居た光元国(ひかりもと)の話と似ている部分もあるかもしれないけれど、混同したり誤解しないでね。


 それでは、途中途中で質問タイムを入れます。 

 それまでは、止めずに聞いてくださいね。

 質問したい点をノートにメモしながら聞いてくださいね。」


アリム

「はい」



 オルア・サーパスは、ベーシックインカム導入までの歴史について語った。


1.社会保障を過不足なく平等に与えることは、無理。


 生活保護や医療、心身の不自由さ、子育て、教育などに過不足なく平等に与えることを実行するためには、それぞれの対象者の状況を正確に把握することが必要となる。

 しかし、正確に把握するためには専門家による判断が必要となる、下準備を専門家ではない補助者が手伝ったとしても、それほど負担が減るわけでもない。

 その結果、

 「下ごしらえを手伝ったから早く料理を出せるよね!」

と納期短縮を迫られるだけで、専門家からすれば助けにならなかった。

 専門家の人数も増やされたとはいえ、社会保障を受けたい人数と比べると圧倒的に少なかった。

 1人で100人の状況を正確に把握できるものではない。


 野球グラウンドの整備に例えれば、

バッターボックスの周りだけ整備して、

外野(レフト、センター、ライト)はもちろんのこと、

内野(一塁ベース、二塁ベース、ショート、三塁ベース)と

ピッチャーマウンドは手つかずで放置するようなものだった。


 社会保障をズルをして受けようとする者の判定まで含めれば、当然であった。


 そんな状況を知ればお分かり頂けるだろうが、社会保障を受け付けるべき窓口は、社会保障を求める者を水際みずぎわで押し返すための防波堤(ぼうはてい)と化していた。

 なぜなら、可否の判定処理が進まない状況で、処理件数をこれ以上増やす訳に行かないから仕方ないかもしれない。

 また、社会保障の支給により利益が増えるわけではないから、関係者の給料も上がらない。

 ただただ正義感に燃えて頑張る者たちが疲弊して倒れてゆくだけで悪循環だった。


オルア・サーパス

「ここまでで質問は?」


アリム

「部屋全体を綺麗にするぞ!と決心したは良いけれど、目標が高すぎて、部屋のほんの一カ所でさえ、きれいにできませんでした。

 という感じですか?」


オルア・サーパス

「身も(フタ)も無い表現だけれど、そのとおりね。」



2.労働関係(労働基準法、安全衛生、労災、雇用保険)の問題


 法律の抜け穴と補助金申請により、正しく機能することが難しくなっていました。

 雇用を増やすための補助金が、労働関係法律の抜け穴を探す動機付けになっていました。

 違反を訴えるひとがいても、雇用元である企業と裁判沙汰(さいばんざた)になることを恐れて、味方できないだけでなく、調査さえできませんでした。

 確実な証拠を抑えることが出来る賃金未払いを指導することがやっとでした。


 法律を守るだろうという性善説(せいぜんせつ)でスタートしましたが、生か死かという厳しい状況のなかでは、生き残るためには法律を守っている余裕がありませんでした。

 信号機を守らずに赤信号で飛び出す人は見分けがついても、法律を守っているかどうか判断できる人は少なかったです。

 また、そのようなひとは企業から(けむ)たがられて、解雇(かいこ)に追い込まれました。

 会社主導による集団いじめと言えるでしょう。

 どんなに素晴らしい法律があっても、守られないならば、もっと簡単なルールを守らせた方がよいでしょう。

 その結果、企業によって都合が良いひとたちが雇用され続けて、専門家になれない中程度の賢いひとが職を失っていきました。


オルア・サーパス

「ここまでで質問は?」


アリム

「安くないと売れないから・・・と、どんどん落ちていった結果ですか?」


オルア・サーパス

「誰かの犠牲のもとで成り立つ経済ですね。」



3.社会保険関係(健康保険、年金)


 国民全員が一定以上の衛生レベルと老後の安心を!という目的でしたが、医療の発達により、状況が大きく変わりました。


 人間の寿命は50年くらいだよね!

と踊った昔に対して、

 人間の寿命が100年になったぜ! 万歳!

とはならないよね。

 51年目から100年目までのことなんて考えてなかったよ!

というキリギリス状態です。


 そして、財源は? 企業からいただきます。


 国-->企業-->国民 と負担を押し付けていきました。


 つまり、48時間働くことを視野(しや、48)に入れよう!と残業が増えました。

 残業手当を払わないズルをする企業が多く発生し、残業手当を払う企業においても、体力の限界を感じて、心身を壊して退職するひとが増えました。

 結果、どんどんひとが減っていき残ったひとの負担が増えていきました。


 年金は、ほとんど自転車操業で、受け取ったお金をそのまま払うような状況になりました。


 健康保険は、本当に必要か疑問と思えるものまで支給していました。


 財源は企業ですから、人件費を浮かせるために、人数を増やすよりも残業を増やすことを間接的に強いる結果となりました。


オルア・サーパス

「ここまでで質問は?」


アリム

「想定外の事態になって、それを何とかするたびに、深みにはまっていった感じかな。」


オルア・サーパス

「お金が無ければ、何も出来ないですからね。」



4.税金


 富を再分配すること

 市場に出回るお金の量を調整すること

本来の目的でしたが、どんどんと状況が悪化する中で、追い詰められていきました。


「富を再分配すること」に強くこだわった結果、割に合わないと感じた稼げるひとたちが他の星に移住して行きました。


そして、

「市場に出回るお金の量を調整すること」

を忘れ、

一般企業のような収支バランスを重視して行きました。


オルア・サーパス

「ここまでで質問は?」


アリム

「他の星って、外国のことを指して言っていますか?」


オルア・サーパス

「この星にあるカセイダード王国は、カセイダード本星の支店のようなものです。

 説明できていませんでしたね。

 アリムさんの言葉では、宇宙とか大宇宙とか銀河系の外になります。

 わたしたちは、アリムさんからすれば宇宙人ですね。

 アリムさんの星のことを、チータマルムと呼んでいます。

 これは、ある有名作品で出てきた間違いと、名前で魔法?を使う動物のような住民たちの星の名前を足して作った、カセイダード王国の親しみを込めた呼び名です。

 アリムさんたちが、どう感じるか分かりませんし、不快に思われたら、ご容赦ください。


 カセイダード本星は、シクぺリアのほぼ中心にあるオリガストのほぼ中心にあります。

 なんと、シクぺリアのほぼ中心にあります。

 シクぺリアを平面地図に書いた場合、はるか東の端に、アリムさんの住むチータマルム星が小さく書いてあります。

 わたしたちは、チータマルム星の広く空いた海の部分に陸地を盛り上げてカセイダード王国を設置しました。

 軍事力的には、アリムさんがよく見ていたロボットアニメの主役ロボが多数装備されています。

 また、それよりも強力な兵器もあります。


 それらについて、くわしくは、研修の中で説明いたします。


アリム

「トラブルが発生した発電所の修理もできますか?」


オルア・サーパス

「対価次第ですね。

 アリムさんクラスの男の子の候補者の人生100人分

 または

 私や司会、医師クラスの人生が10人分くらいを

請求されるでしょうね。」


アリム

「つまり、支払い能力が無い」


オルア・サーパス

「ということですね。」



5.法律


 弁護士を雇える経済的な余裕があるひとが少なく、法律が身近ではなかったです。

 だまし打ちや知らないひとが損する分かりにくい法律ではなく、より分かりやすい法律に変えていきました。

 その結果、気軽に裁判することができましたが、裁判量が増えて処理しきれなくなりました。

 そして、法律が足枷でしかないと判断した資産家と企業が他の星へ去ってゆきました。


オルア・サーパス

「ここまでで質問は?」


アリム

「法律が国民を守るものではなく、引っ越しを決断させる追い出し効果になった?」


オルア・サーパス

「誰のための法律でしょうね。 アップデートとシンプル化が望まれます。

 女性の同意なしに行為に及ぼうとした男性は失格処分にするとか」


アリム

「失格処分?」


オルア・サーパス

「つぎに行きますね。」

 にっこり。


アリム

「はあい」



6.価値破壊と敬意の不足


 大学の価値、真面目でいる価値、正直でいる価値などが、どんどん失われて行きました。

 たとえば、大学資格は親の年収2~3年分の学費と4年以上の年月を消費して得られるものですが、大卒資格を持たないものからの嫉妬により、実力を十分に発揮できる環境が失われていきました。

 その結果、上を目指そうという者が減り、実力が有るものも無用の長物化して、競争力が無くなりました。 その結果、他の星に比べて競争力が無くなって、星全体の価値レベルが下がって行きました。

 さらには、その他大勢よりも高い税金を払ってくれるひとや、高いサービスや製品に支払ってくれるお金持ちに対する敬意がなく、ねたみと誹謗中傷だらけになり、優秀な人たちが静かに星を去っていきました。



7.要求容姿の高レベル化と成長限界を感じる年齢の低下


 モデル雑誌、芸能雑誌、美形の写真集などにより、人々が求める外観要求が上がっていきました。 AI生成による美しいひとを見慣れすぎて、現実の異性に対して、魅力を感じなくなりました。

 さらには、トップ層のひとと自分を比べて自信を無くしてしまい、将来に希望が持てなくなったひとが増えて、遺伝子の「次世代に期待スイッチ」がONになる時期が過去世代よりも早くなりました。

 その結果、性的な関心を持つ年齢が早くなり、努力することに労力と時間を費やすことなしに成人する割合が増えていきました。


オルア・サーパス

「そういう性に目覚めた連中は、隔離するべきだよね。」


アリム

「オルアさん、質問していいかな?」


オルア・サーパス

「どうぞ。」


アリム

「身体の調子が悪いようなら、休憩しませんか?

 アイスクリームとか甘いデザートを、オルアさんと一緒に食べたいな?」


オルア・サーパス

「それよりも、研修を済ませた方が、後が楽ですよ。」


アリム

「オルアさんと一緒に、あーんしてと食べさせあったり、ひとくち頂戴とか交換したりしたいけれど、ダメかなあ?

 それとも、甘いものは嫌いですか?」


オルア・サーパス

「糖分の取りすぎは良くありませんが、適度な糖分は気分を良くしてくれますね。

 さあ、行きましょう。」



 という訳で、二人で2種類のアイスを買って、半分こしました。


アリム

「オルアさん、あーんして。」


オルア・サーパス

「仕方ないですね。

 あーん。 もぐもぐ。

 はい、どうぞ、お返しです。」


そして、2種類のケーキを買って半分こしました。


アリム

「最後は、普通の温度のものを食べないとお腹を壊すからね。

 オルアさんは?」


オルア・サーパス

「今のところ大丈夫ですが、冷たいものの次に、暖かいものを食べることは良い考えですね。」


アリム

「ありがとう。

 では、あーんして。」


オルア・サーパス

「照れますね。

 お返しです。食べてください。」


オルアさんと一緒だと、3倍くらい美味しく感じました。



8.婚姻制度などの問題点


 少子高齢化、晩婚化が問題になっていました。

 男性が損をすることが多いため、結婚をしようとするものは減っていました。


 また、いろいろな間違ったうわさが流れていました。


間違い例 その1

 結婚してから離婚してシングルで子育てする方がお得になる。


間違い例 その2

 1年間がまんして、元カセイダード星人配偶者という婚姻歴が付けば、カセイダード王国から生活補助が受けられる。


間違い例 その3

 とにかく、カセイダード星に入って、カセイダード王国の民になれば、国に守ってもらえる。

 自国民よりも他の星の人に優しい政治で、他の星との交易を盛んにしたいと考えている国だから、その足元を見て、社会福祉をタダ取りしよう。


オルア・サーパス

「そのような行き止まりの状況を変えるために、悪役を引き受けてくださったのが、カセイダード王です。」


・ズルい存在

・他人を落とし入れる存在

・能力が低い存在

・存在するだけで邪魔な存在

・他人の可能性、時間、エネルギーを浪費させる存在


 これらの存在を排除し、封じ込めることが急務だと判断されたのです。


 カセイダード王国は、ベーシックインカムを導入したおかげで、上記のような人物に対し、

  「生活に必要な物資と金は渡す。 協力しろとは言わないから、邪魔するな。」

自宅に封じ込めて、重要な決定審議から閉め出すことに成功した。

なお、他の星から来た者たちまで(まかな)う(食わせる)ことはできないため、お帰りいただきました。


 ベーシックインカムを導入する前は、

・人権無視だ!

・学歴差別だ!

・働く権利の侵害だ!

と、

世論がうるさかった。


 しかし、カセイダード王国は王建制だから、つぎのひと言で、ベーシックインカムを導入できた。

「国王命令! 逆らうものは反逆罪で死刑!」


 その結果、3年過ぎたころから多くの成果が出た。


 「勝てば官軍」

という(ことわざ)の正しさが証明された。


 今では、ベーシックインカムに対する認識が大きく変わった。

・ベーシックインカムしか勝たん。

・ベーシックインカムこそ、重要な土台であり、基盤だ。

・ベーシックインカム無しで、発展と幸せは考えられない。


 手のひら返しもここまで来ると、怒る気もなくなる。

 過去の国民に聞かせてあげたい気持ちが、あふれてくる。


オルア・サーパス

「ここまでで質問は?」


アリム

「カセイダード王って、正義の味方ですか?」


オルア・サーパス

「悪人の仮面をかぶった合理主義者です。

 冷酷に見えますが、結果を見れば最高ですね。」




オルア・サーパス

「ベーシックインカムを導入したことにより、様々な方面に余裕が生まれました。」


1.社会保障を過不足なく、平等に与えることは無理。


 全員に、毎月14万Versil(バーシル) ()()の支給をすることで、最低レベルが本当の意味で保証されました。

 金銭を与えて自由に浪費されると無意味です。


 そこで、まずは住居を保証しました。

 カセイダード王国(本星も、この星も同じ体制です。)が、全住居を管理しています。

 そして、この船の部屋のようなワンルームで生活に必要な設備をひと通り揃えました。


 これにより、家賃相当費と電気代も把握されました。

 暑い中、クーラーを消して電気代を浮かすことが不要になりました。

 不動産業者の乱立による競争が無くなったため、中抜きができなくなりました。

 また、食事についても支給されるため、現金として支給される金額は、お小遣い程度です。

 毎月2万Versil(バーシル) です。


 少ないと誤解するものが多いだろうが、実質的には多い。

 破格の待遇だ。

 生活費の出費の中で金額が多い、家賃、電気ガス水道などの光熱費、食費をカセイダード王国側が正確に把握している、市場調査の手間を掛けることなく。

 かなりの労力を省くことに成功していた。


オルア・サーパス

「お金で渡すと想定外にものに化けるか、他者が横取りする。

 ベーシックインカムでは足りない状況の人たちのみ審査すれば良いので、十分な審査を現実的な件数だけ行うことになりました。」


 また、効率的に、支給するために、パソコンやスマホを国が選定して使用できるように教育しました。

 その結果、窓口業務が大幅に減り、人員を減らすことができました。


 ログインとパスワード無しで、大人数を管理し支援することは無理であると、カセイダード王がおっしゃったのです。


オルア・サーパス

「子供が、王様が裸だ!と笑うのではなく、

 王様が、国民が裸だとおっしゃったのです。


 一番大きいことは、多くの人たちが同じことをしているにも関わらず、重要で面倒くさいことについては、誰もしていないことを明らかにされました。


 その結果、多くの役人が解雇され、多くの企業が倒産しました。


 しかし、ベーシックインカムという受け皿があり、生活の保証はされました。


 しかも、仕事をしている振りをしてなまけるひとたち、中抜き手数料を取るだけの存在が消されたことにより、大幅なコストカットができました。


 それなのに、生活レベルは向上しました。」


オルア・サーパス

「ここまでで質問は?」


アリム

「カセイダード王って、すごいひとだね。」


オルア・サーパス

「わたしがレズっても良いと思える数少ない女性のひとりですね。」


 オルアは、司会(中路真々美)の言葉を思い出していた。


> 受伝台じゅでんだい参照権さんしょうけんは、王族と一部の者たちのみ持っていると言われている。

> そして、大多数の者たちは、偉大なるカセイダード王国の国王のおかげだと思考停止している。

> その方が余計なことを考えずに済むから、幸せだろうな。


引用元: 第一章 010 真々美、冬香、オルアとスリーカー


 しかし、研修資料に書かれていないことを教えるわけにはいかない。

 アリムさんも思考停止するのだろうか?

 それとも、国王様がどのような手段を持っていたのか?と疑問に思っているだろうか?

 確かめたい気持ちはあったが、いまは確認できなかった。



2.労働関係(労働基準法、安全衛生、労災、雇用保険)の問題


オルア・サーパス

「多くの企業が淘汰されたおかげで、法律の監視の目が行き届くようになりました。」


 そして、労働環境も大きく変わりました。


 雇用維持のための助成金というものが廃止されました。

 さらに、解雇の30日前に予告する義務もなくなりました。

 ベーシックインカムで生活が保障されているからです。


 同時に、助成金申請を審査する労力も不要になりました。

 企業側もモンスター従業員に悩まされることなく、一方的に解雇できるようになりました。

 言い換えると、今までのように採用するまでに厳密に審査する必要性がうすれました。


 そして、転職することが当たり前になり、転職回数が多いことがマイナス評価されることもなくなりました。


 就職市場の流動性が高まり、ブラックな職場や人間関係から逃げやすくなりました。

 1つの職場に長くとどまる方が稀(まれ、レア)になり、


 転職しないひと=他に行くところが無いひと

と解釈されるようになりました。


 うつ病やひきこもりも減っていきました。


 企業から追い出しやすい環境ができたことにより、企業が受け入れやすい環境に改善されたからです。


 本来の目的を考えれば、企業は製品とサービスを提供するために存在します。


 ベーシックインカムを導入したことにより、過当競争(※)が無くなりました。

(※)値下げしすぎ、無理な短い納期、いきすぎた「おもてなし」


 政府が製品の仕様や提供サービスの内容を把握することができるようになりました。


 そして、必要な製品は政府がまとめて買い上げて、国民に支給する形に変わりました。

 その結果、空前絶後の大量仕入れを実現できて、購入コストが大きく下がりました。


 身近な例では、携帯ゲーム機や据え置きゲーム機をひとり1台持てるように国が買い上げて、国民に支給しました。

 全員が持っているため転売されません。

 また、転売できないように受給者を識別する機器が内蔵されています。


 本当の意味で、国民は全員中流世帯となったのです。


オルア・サーパス

光元国(ひかりもとくに)にも、全員中流世帯の時代があったと聞いています。

 カセイダード王は、どこかの星に存在した事例を真似して、現実化する方法を考えたそうです。」


 そして、カセイダード王国では製品が採用されると国民全員に配布するために購入される。

 つまり、最重要視するべき顧客層だと、他の星から認識されました。


 ありがたいことに、カセイダード王国に納品後に、荷物無しで帰ることは損だということで、カセイダード王国の製品やマンガや小説ゲーム盤などの創作物が売れることになりました。


 広告を出すよりも1000倍以上の効果があると絶賛されました。


「売りたいの? まず買えば?」


というカセイダード王のポスターがSNSに公開されました。


 カードサイズに印刷されたラミネート加工品を欲しいという国民が増えたため、国が配布することになりました。


 すべての商いが良い方向に大回転して高速回転しました。


オルア・サーパス

「ここまでで質問は?」


アリム

「カセイダード王って、ここまで読んでいたの?」


オルア・サーパス

「金愛同身(※)を具現化したような御方です。

 (※)お金と愛が同じ身体(人物)に宿らないと意味がない。救いがない。


 ネットゲームと同じように、札束の殴り合いが最終勝負になるから、稼いで利益を出さないとダメなの。


 売り上げ! 売り上げ! と(さわ)ぐひとは、3流、5流。


 将来の利益を考えることが、経営者や王の仕事です。


 わたしに関することの次に大事なことだから、メモしてね。」


アリム

「オルアさんが一番大事です。」


オルア・サーパス

「ぎゅうしてあげる。」


 オルアは、アリムさんを抱きしめた(ハグした)。



3.社会保険関係(健康保険、年金)


 ベーシックインカムを導入したことにより、財源を集める必要が無くなりました。

 ほとんどのものを国が買い上げて配布するから、国自体が利益をあげることになりました。


 収賄問題、わいろを受け取ることが正当化されました。

 もちろん、受け取るひとは個人ではなく、国です。


 どこかの国の役人が言いました。

「ああ、おれはわいろを受け取った。

 そのお金で、困っている人たちに、食料や生活必需品を買って配った。

 じゃあ、聞くがな? これ以外の方法で、これだけの金額を集める方法があるのか?

 困っているひとたちに、困ったままでいろと言うのか?」


 役人をサンドバックにするつもりで集まったマスコミは黙るしかなかったそうです。


 この話を大きく参考にして、国王としてわいろを受け取り、国全体に配った。

 国民は誰も損をしていない。


 有名インフルエンサーの観覧席に座る権利や、

有名作品の主演俳優や主演声優になる権利を

売るようなもので、お互いに儲かっている。


 私腹を肥やしていない理想的なわいろの活用法だ。


 その結果、企業の負担も減り、長時間労働が不要になりました。


 もっとも、ほぼ国営になったので、本社が国の大企業です。


「ピンハネさせない。 わたしの瞳が輝いているうちは!」


 第2弾のラミネートカードとして記念品として配られました。


 健康保険の出費も減りました。

 医者に行くよりも安価で集まりやすい場所を作り出したからです。


 その結果、多くの医師が失業する!と危ぶまれましたが、他の惑星からの患者を受け入れるようにしました。

 カセイダード王国の医学は他の星よりも優れていました。

 特に、歯科医が優れていました。

 健康の土台は歯と歯茎の健康であると金持ちの方々は理解していました。

 その結果、効率的に他の星の貨幣(外貨)を稼げるようになりました。


 医療関係者たちは、一時期、「カセイダード王が暗殺されれば良いのに・・・」と願っていましたが、結果を見れば、改革前よりも短い勤務時間と運営費で、1.5倍くらいの利益を確保できるようになっていました。


 医師たちは、

「カセイダード王の診察をする栄誉をたまわれないだろうか?」

と考え方が大きく変わりました。



4.税金


 富を再分配すること

 市場に出回るお金の量を調整すること

という

本来の目的が達成できました。


 見えない身分制度がありましたが、それを見えるように、クラスター制度ができました。


 差別で苦しむ人が絶対に出るのならば、見える差別や身分制度を導入して管理する。

 ただし、一代限りで努力で得られるものにするという方針でした。


 遺伝子レベルで、AI生成による理想的な外見をデジタルコピーできるようになったことが大きいですが、クラスター認定を受ける人材を見出し支援することが表彰されました。


 その結果、金持ちに社会貢献したという達成感を購入して頂けました。


 また、カセイダード王は、

 「市場に出回るお金の量を調整すること」を

 「市場が必要とする製品やサービスを国民に配布すること」で

実現されたのでした。


他の星からは、

 「たまたま気付いただけじゃないか、偉そうに!」

という声が上がりましたが、

真似する星から豊かに発展していきました。


 そして、クラスター制度が導入され、結婚相手を得るなら、クラスター認定されたカセイダード星人が理想であるという流行が生まれました。


 パートナーになる権利は、

  男の人や美女: 6000万Versil、

  男の子や女の人: 6億Versil

でした。


 この金額はカセイダード王国の金庫に収められるとともに、クラスターたちが必要なものに使えるように監視しました。


 そして、カセイダード王国に住むことが義務付けられ、クラスターや子をカセイダード王国から連れ出すことを禁止されました。


 パートナーに対し、経済的DV、心理的DV、身体的DVなどを犯した場合は、クラスターはカセイダード王国に保護されるとともに、支払ったVersilは没収されました。


 人身売買ではないか?という批判がありましたが、

 ・嫁の実家への結納金や

 ・婿養子の実家への帯代

 ・結婚相談所への入会金、月会費、成婚料

よりも良心的であるという結論に至りました。


オルア・サーパス

「ここまでで質問は?」


アリム

「なんでも一番初めに始めるひとの価値ですね。」


オルア・サーパス

「クラスター制度も、カセイダード王国が初です。

 おかげで、たまたま容姿が美しいだけの美人や美男子が無価値となりました。

 めでたし、めでたし。」


アリム

「AI生成による理想的な外見をデジタルコピーできる技術は、ほかの星にも公開したのですか?」


オルア・サーパス

「公開しません。 人身売買を考える輩が出ますから。」


アリム

「次の研修課題は、クラスター制度ですか?」


オルア・サーパス

「そうしましょうか。 

 アリムさんには1日でも早く、クラスター認定を受けて欲しいからね。」


アリム

「オルアさんは女の人のクラスターですか?」


オルア・サーパス

「そうです。 司会の人も医師の人も女の人のクラスターです。

 わたしたちの人生のパートナーになるには、末端価格で6億Versil(バーシル)必要です。」


アリム「オルアさんとわたしは一緒になれないのですか?(泣きそう)」


オルア・サーパス

「大丈夫ですよ。アリムさんはわたしに選ばれたのですから、支払いは不要です。

 自信を持ってくださいね。」


アリム

「うれしい。」



5.法律


 会話履歴参照権により、ずる賢いひとが他人を落とし入れることが、できなくなりました。


 科学ではなく、性魔力関連ですが、多くの人に理解しやすいように、1人に3個の録画録音カメラが常備されるようになりました。

 防犯カメラや監視カメラではなく、観察カメラが設置されていない場所はありません。


 自動車に搭載する車載カメラの人間版ですね。


 しかし、一般の人には、知らされていません。


 問題発言や問題行動がある人は、社会から退場することになります。


オルア・サーパス

「ここまでで質問は?」


アリム

「わたしにも付いていますか?」


オルア・サーパス

「いじめの証拠が残る時代になりました。」


 オルアは答えようとしなかった・・・



6.価値破壊と敬意の不足


 大学は、星立カセイダード大学のみになりました。

 これにより、大学の価値が確立されました。


 名ばかりの大学や、卒業資格を得るためだけに大学に行く時代は終わりました。


 また、他人の努力や成果を侮辱するものに対しては、器物損壊罪のような価値破壊罪が適用されるようになりました。


オルア・サーパス

「ここまでで質問は?」


アリム

「オルアさんは、カセイダード大学卒業ですか?」


オルア・サーパス

「そうです。

 もし、わたしを馬鹿にしたら、カセイダード大学に合格して、わたしと同じ以上の成績で卒業することが課せられます。」


アリム

「主席卒業だったりして・・・」


オルア・サーパス

「卒業順位は非公開になりました。

 白沢絵美様はカセイダード大学の人文系を次席で、つまり2位で卒業されました。

 主席1位の男性が他の星の女性に口説かれて、カセイダード星を出ていったため、非公開にすることになったそうです。」


アリム

「白沢絵美様?」


オルア・サーパス

「お会いしたかったら、男の子のクラスを取るしかないよ。」


アリム

「オルアさんの知り合いか友人なら名前を覚えた方が良いのかなと思っただけだよ。」


オルア・サーパス

「雲の上の人だから、私でも接点が無い御方です。」



7.要求容姿の高レベル化と成長限界を感じる年齢の低下


 遺伝子レベルで容姿のデジタルコピーが可能になりました。


 また、正性知識と性魔力の存在から、成長限界を感じる年齢が上がりました。


 努力するひとや作品を残そうとするひとが増えています。


 多くのひとが神秘的な能力へのあこがれが有るでしょう。

 霊能力とか超能力とかヒーローやヒロインになりたいと。


 クラスター制度が出来たことにより、男の子以上の男性と美女以上の女性が性魔力という魔法のような力を使用できることが分かりました。


 クラスターになるためには、13-19才(teenager)時期の努力が重要であり、童貞または処女である前提条件が必須でした。

 そのため、性的なことへの興味はあっても、「20才になるまでに性的経験を持つことは大損になること」が常識として知れ渡りました。


 それと同時に、

「ティーンエイジャーに手を出すな!」

という

共通認識が生まれました。

 子供に性的行為を迫ることを、奇跡的に防止できました。


 太りすぎず、痩せすぎないことが必要であるため、過食症や拒食症も減りました。


 また、男の子のクラスターになるためには、家事力が重要なため、超能力が使えるようになりたいと家事を手伝う男性が増えました。

 なぜか、女性は家事による影響はありませんでした。


 そして、筋肉が付きすぎるよりは筋肉が少ない男性の方が男の子になれる確率が高く、性魔力を使用できるようになる可能性が高まると判明しました。


 なお、おなかがポッコリでていると、クラスターにはなれません。


 「自己管理が出来ないものに価値は無し。」

です。


オルア・サーパス

「アリムさんの Your TV を見ましたよ。

 引き続き作品数を増やしてくださいね。」


アリム

「がんばります。」


オルア・サーパス

「今度、お腹見せてくださいね。

 触って確かめさせてください。」


アリム

「どきどき」

 おへそ回り 74cmだけど、筋肉が無い・・・



8.婚姻制度の廃止と、交配届けと財産関係届け


 ベーシックインカムを導入したことにより、以下の改善ができました。

・相手の生活を自分と同程度に保障する婚姻費用が不要になりました。

・できた子供については、国による遺伝子検査が強制実施され、自分の子供か浮気相手との子供かが国により判定されるようになりました。

・交配届けにより、両性の同意により子供を作ろうとしているのか? 強制か?を判定できるようになりました。

(旧制度の婚姻制度は、性犯罪でないことを立証する補助証拠の効果だけでした。)

・交配届けにより、パートナーと性的に仲良くする行為をする頻度、間隔、回数などを、お互いに確認できるようになりました。

 旧制度の離婚原因である、浮気、セックスレスや性格の不一致による別離を防げるようになりました。

(一部業界から不満が出ましたが、ベーシックインカムのおかげで限定的であり、女性の隠れた貧困が目立つようになり、救われる結果となりました。 

 飢え死にも無くせました。)

・子育てする家族が住む地域が隔離されたため、無慈悲な攻撃から距離を取れるようになりました。

・子供を作っても大丈夫という安心感が広がり、出生数も増えました。

・交配届けにより、性的し好が細かく届けることになったため、モラハラ、DV(家庭内暴力)となるかどうかの基準も明確に確認しあえるようになりました。

・財産関係届けにより、パートナーであっても財布は別という考え方が主流になりました。

 財産目当ての結婚や配偶者の両親の扶養、借金の肩代わりのリスクが減りました。

・子供は基本的にカセイダード王国の所有物であり、王国から貸与されている扱いとなりました。

 不満は多くでましたが、ネグレクト(育児放棄)と相手の連れ子だからと退場させられる子供を王国が引き取りやすくなりました。

 子供は親の所有物と考える両親も、王国と争う度胸はなかったようです。

・パートナーが同性であれ、異性であれ、同様に扱われるため、財産分与や相続の不明瞭化が解消されて、他の星からの移住が増えました。

・ただし、血統主義であるため、なにも持たない移民を受け入れることはなく、移民入国試験が課されました。

 不合格者は無慈悲に送り返されるとともに、送還費用が請求されました。

(注) 軍事力が高かったため、拒否する星はありませんでした。


オルア・サーパス

「アリムさんは、移民入国試験を実施する前に、受け入れる価値があると判定されたため、

 『書類審査通過』ではなく『移民お願いします』という通知が届いたはずです。」


アリム

「わたしのなにを評価してくれたの?」


オルア・サーパス

「Your TV 動画、ブログ、SNS などの書き込み、合格した検定や資格、大学の卒業成績、WEB閲覧履歴、通信販売サイトの購入履歴ですね。」


アリム

「登録者が少なくても良かったの?」


オルア・サーパス

「作品の内容や声、話し方、言葉の選び方などから、人柄が見えてきますからね。」


アリム

「ブログ記事も見たの?」


オルア・サーパス

「もちろんです。」


アリム

「ハート印のWEB閲覧もですか?」


オルア・サーパス

「にっこり」


アリム

「恥ずかしいです。」


オルア・サーパス

「たとえ報われなくても、努力するひとは素敵です。」





司会(中路真々美)

「オルア、アリムさんのベーシックインカム理解度テストの結果は?」


オルア・サーパス

「83点です。

 ストーリーを覚えることは得意そうですが、

 年代別に並べたり、

 何年何月何日に成立したかを覚えることが苦手ですね。」


医師(白石冬香)

「それでも、一次試験合格者の合格平均68点より良い点数ですから、上等ですね。」


オルア・サーパス

「わたしの誕生日は覚えてもらいますけどね。

 アリムさんとわたしたちの誕生日は8月3日に変更ですね。」


司会(中路真々美)と医師(白石冬香)は、冷や汗をかいた。

『その問題は忘れたかった。』

と、心の中で叫んだ。



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― 新着の感想 ―
本エピソードを読み終えて、まず胸に残ったのは「制度の説明」という枠を超えて、暮らしの手触りと心の温度まで描き切った一章だった、ということでした。 オルアが語るベーシックインカムの歴史は、単なる政策論の…
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