118 セーラさんとの相性診断
オルア、セーラさんとアリムが、おしゃべりを続けていた。
オルア
「じゃあ、次は1分間の握手をしてもらいましょうか?
セーラさん、アリムさんの手を両手で包むように握手してくれる?」
セーラ
「では、アリムさん、失礼しますね。」
セーラは言われた通りにした。
オルア
「では、1分間以上、続けてくださいね。
どうぞ、ストップウォッチを置いておきます。」
セーラ
「正確に1分間でやめないとダメですか?」
オルア
「1分間を超える分にはOKです。
ただし、1分間もたないようでは、先がないですよね。」
絵美
「もしかして、DNA、つまり、遺伝子の反応を見る感じですか?」
オルア
「絵美様、その通りです。
女性は、イヤとかキライと感じた男性とは、1秒も耐えられないそうです。
だから、1分間は苦痛に感じる場合があります。」
アリム
「オルア、そのときは、なぐさめてね。」
オルア
「もちろんよ。」
5分経過・・・
セーラ
「あのう?
オルア様。
その、最大値というか上限は、何分ですか?」
オルア
「えーっと、あ、5分すぎたのね。
OKです。
やめましょうか?」
セーラ
「はい、アリム様、大丈夫ですか?」
アリム
「はい、問題ありません。
拒否されなくて良かった。
本当に良かった。」
オルア
「じゃあ、今度は、セーラさんからアリムさんに質問を投げてね。
そのあとで、今度はハグをしましょう。」
セーラ
「は、ハグですか?」
オルア
「そうよ、相手の体臭や口臭に耐えられない場合も、将来が無いからね。」
絵美
「まあ、若い時間を無駄にしないためにも、このような判定テストは早めにするべきよね。」
オルア
「セーラさん、質問をどうぞ。」
セーラ
「好きな女性のタイプは?」
アリム
「怒ったときの言動が許容範囲のひとです。」
セーラ
「笑顔が可愛いひとではないのですか?」
アリム
「笑顔は一番良い状態ですよね。
一番悪い時の状態を気にしています。」
セーラ
「その判定基準は、はじめて聞きますね。
多くの男性は、
一途な女性が良い、
と言うのですが。
どういうことですか?」
アリム
「土地の天気や気候に例えるとですね。
すごしやすい春や秋よりも、暑い夏と大雪が降る冬の天気を知るべきだと考えています。」
セーラ
「あー、よく分かります。
きれいに着飾ったステージよりも、舞台裏が気になるということですか?」
アリム
「その通りです。」
セーラ、アリム こころの声
『『このひと、賢い。 良い物件かも?』』
オルア
「じゃあ、ハグをお願いします。」
セーラ
「アリム様。」
アリム
「セーラさん。」
ふたりは立って、ハグをした。
セーラ こころの声
『くんくん、汗のにおいも好きなタイプね。
口臭も気にならないわ。
ひとによっては、大便のようなにおいがするからね。
アリム様なら、先へ進めそうね。』
アリム こころの声
『うーん、やわらかいけれど、オルアさんよりも筋肉が多いのかな?
女性のにおいは、かすかにしかしないなあ。
まあ、問題は無いかな?
きつ過ぎる匂いよりは良いと言えそう。』
絵美
「じゃあ、あとは、寝落ちするまで、みんなで共通の話題を投げ合いましょうね。」
アリム こころの声
『うーん、ボクが一番最初に寝落ちしそうな気がする。』
ボクが寝落ちした後も、3人は会話を続けていたと翌朝に聞かされた。
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