102 ２０日目 安心したセーラの期待
２０日目（８月２０日（日）） ＡＭ ９：００ 朝
（２日に一度の会議： 偶数日の予定、本日は休日。
一番権利者： 真々美。）
◇
セーラは、鏡の前で裸になって、自分の全身を眺めていた。
セーラ
「土曜日の夜、メラニィ様は美しくて、かわいかったわ。
あんな素敵な姿を見せて頂けるなんて、夢を見ていたみたいね。
それに、本当に可愛い声だった。」
セーラは、メラニィのすべてを隅々まで探検したのだった。
そして、セーラ自身の身体と比べても違いがないと分かって安心した。
セーラ
「本当の本当に、わたしは女性の身体になったのですね。
冬香様、ありがとうございます。」
セーラ こころの声
『冬香様に髪を整えてもらうとき、
「冬香様と同じ髪型にしたいです。」
と言って正解だったわ。
鏡を見ていると、鏡の中に冬香様がいてくださるような安心感があるわ。』
セーラ
「この身体だったら、いつの日かアリム様に抱いていただく日を、胸を張って堂々と気負いすることなく迎えられるわね。」
セーラ こころの声
『あとは、生理が来たら安心ね。
そのときは、支給された生理用品を初めて使用することになるわね。
楽しみなような、怖いような・・・』
鏡を見ていたら、太ももに血が伝っているのが見えた。
セーラ
「うん？ あれ、この血って、もしかして。
これが生理なのね。
うれしいわ。
でも、生理用品の付け方は、これでいいのかな？
初めてだから分からないし、不安だわ。」
セーラは、しばらく悩んでから、メラニィに連絡することにした。
セーラ
「メラニィ様、セーラです。
おやすみのところ、失礼します。」
メラニィ （デバイス通話）
「セーラか？
どうした？
なにかあったのか？」
セーラ こころの声
『いつもどおりの「ぶっきら棒」だけど優しい声ね。』
メラニィ （デバイス通話）
「じつは生理が来ました。」
メラニィ （デバイス通話）
「おお、よかったな。
女性の苦しみの１つだが、
「おめでとう！」
と言っておく。」
セーラ
「それで、生理用品は付けたのですが、その、なんと言いましょうか？」
メラニィ （デバイス通話）
「初めてだから不安なのだろう。
そばについていてやりたいが、急に来られても嫌だろう。
１時間後の・・・
ＡＭ１０：３０に、そちらへ行ってもいいか？」
セーラ
「よろしいのですか？」
メラニィ （デバイス通話）
「ああ、もちろんだ。
セーラは、わたしのサブシスだからな、あまえてもいいんだぞ。」
セーラ
「うれしいです。
お願いします。」
メラニィ （デバイス通話）
「じゃあ、自宅の位置を公開してくれ。
デバイスで、メラニィを選んで、
「自宅を公開する」
を
「許可する」
にしてくれないか？」
セーラ
「しました。」
メラニィ （デバイス通話）
「よし、これで、セーラの自宅の場所は分かった。
それから、シュウピンも連れてくるからな。」
セーラ
「シュウピン様も来てくださるのですか？」
メラニィ （デバイス通話）
「とうぜん連れてくるぞ。
逆に呼ばなかったら、わたしはシュウピンの胸の中で意識を失うことになるからな。
セーラ、泣かないでくれ。
シュウピンは、セーラのことを無くした妹のように可愛がっているからな。」
セーラ
「いえ、うれしくて泣いています。
わたしは、幸せ者ですね。」
メラニィ （デバイス通話）
「ああ、そうだな。
シュウピンとセーラとわたしで幸せになろう。
それと、なにか買ってきて欲しいものがあれば、デバイスにメールを送っておいてくれ。
シュウピンと道中で買っておく。
もちろん、レシート通りの代金を請求するから、用意しておいてくれ。」
セーラ
「もちろんです。
よろしくお願いします。」
◇
メラニィの家。
メラニィは、デバイスでシュウピンを呼び出した。
メラニィ
「シュウピン、起きているか？」
シュウピン （デバイス通話）
「もしもし～。
ただいま、この家の者は留守にしています。
ご用件がある方は、お姉ちゃんにメッセージをお願いします。
だめよう、小霞も、いっしょに聞いてくれなきゃ。
やだよ、わたし、これから出かけるもん。
あとは、まかせたからね。
そんなあ、小霞」
メラニィ
「寝ぼけているな。
シュウピン？
起きてくれ！
これから、セーラのところに見舞いに行くぞ。」
シュウピン （デバイス通話）
「メラニィ？
セーラになにかあったの？」
いつも通りの凛々しい声が聞こえてきた。
メラニィ
「セーラが初めての生理になったんだそうだ。
不安そうだから、そばについていてやりたい。
シュウピンも来るよな。」
シュウピン （デバイス通話）
「もちろんよ、わたしを迎えに来てくれるわよね。」
メラニィ
「ああ、通り道だから、問題ない。
身支度を済ませておいてくれ。」
シュウピン （デバイス通話）
「よろしくね。
じゃあ、あとで。」
シュウピン こころの声
『さすがはセーラね。
もう、メラニィにあまえるなんて。
正しい選択だわ。
これで、わたしに万一のことが有っても安心ね。』
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