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100 のろいに対抗する手段 シルバー×紅丸=ゴールド

 19日目 AM   9:00 朝

《2日に一度の会議: 偶数日の予定、本日なし。


 一番権利者: オルア。》





絵美

「アリムさん、なにかしら?」


真々美

「なにをすればいい?」


アリム

「真々美の【妖刀斬(ようとうざん) 紅丸(べにまる)】のちからを、

絵美様が持つ【シルバーソードの試作品(しさくひん)】に

(おぼ)えさせて()しいです。」


妖刀斬(ようとうざん) 紅丸(べにまる)

拙者(せっしゃ)のちからをでござるか?」


アリム

「そうです。

 みなさん、お願いできますか?」


絵美

「わたしと真々美が(けん)()()いをすればいいのかしら?」


アリム

「えー、(もう)()げにくいのですが、シルバーソード試作品では粉々(こなごな) になってしまいます。」


絵美

(りゅう)くんが作った剣を馬鹿(ばか)にしているの?」


アリム

「いいえ、ちがいます。

 ご説明いたします。 絵美様。

 シルバーソードは、現実界(げんじつかい)にあるものは、なんでも切れます。」


絵美

「分かっているじゃない。」


アリム

「しかし、それ以外のもの、目に見えないものは切れません。

 例えば、光、風、霊体(れいたい)妖力(ようりょく)呪力(じゅりょく)電波(でんぱ)放射線(ほうしゃせん)などは切れません。

 ですから、シルバーソードの(つい)となる【ゴールドソード】を開発して切ろうと考えました。


 前世のボクである(りゅう)くんは、【ゴールドソード】製作のためのヒントが欲しいと考えているはずです。」


真々美

「【妖刀斬(ようとうざん) 紅丸(べにまる)】は切れるのか?」


アリム

「切れるはずです。

 ですよね。 紅丸。」


紅丸

「そのとおりですじゃ。

 ただし、ひとの(えにし)だけは切れません。」


アリム

「良かったね。

 (ひと)(ひと)(えん)を切ってしまったら、神々の(いか)りを買うからね。」


紅丸

「その可能性(かのうせい)が高いですな。


 ところで、拙者(せっしゃ)は、どうすれば()いのでござるか?

 打ち合ったら駄目(だめ)となると、さわるだけでござるか?」


アリム

「その通りだよ。

 ほんの1秒、目が(またた)きするくらいの一瞬(いっしゅん)だけで十分(じゅうぶん)だ。

 それを、やすみを入れながら、合計3回お願いします。」


紅丸

「ふむ、お(やす)御用(ごよう)でござる。」


絵美

「なんだか気に入らないけれど、わたしは、どうするの?」


アリム

「シルバーソードの愛情エネルギーを満タンにして、剣を(かま)えてください。」


絵美

(かま)えるだけでいいの?

 もしかして、記録(きろく)を取るためのログ(きろく)装置(そうち)が、シルバーソードについていますか?」


アリム

「ついているはずです。

 としか言えないです。


 シルバーソードの仕組(しく)みについては分からないので、説明(せつめい)できないです。」


絵美

前世(ぜんせ)記憶(きおく)は、完全(かんぜん)ではないのね。」


アリム

「おしゃるとおりです。

 物語(ものがたり)のあらすじを知っている程度(ていど)と思っていただければ、(たす)かります。」


絵美

「まあ、(りゅう)くんのためになるなら、やっておいて、(そん)はないわね。

 真々美、紅丸さん、協力(きょうりょく)をお(ねが)いできるかな?」


真々美

「ああ、もちろん。」


紅丸

「もちろんでござる。」





アリム

「それでは、絵美様、シルバーソードを(たて)()りに(かま)えて(いただ)けますか?」


絵美

「これでいい?」


アリム

「はい、そのままで止まってください。

 エネルギー充填(じゅうてん)(まん)タンですか?」


絵美

「ええ、もちろん。」


アリム

「ありがとう。


 真々美も同じように構えてくれますか?」


真々美

「これでいいか?」


アリム

「そうです。

 真々美は、そのまま、ゆっくりと近づいて、シルバーソードのエネルギー(まく)の外側に、紅丸を少しだけ()れさせてくれますか?」


 真々美はアリムが言うとおりにした。


 剣と剣が打ち合ったとき、

    「バシュウーーー」

という音がして、シルバーソードのエネルギー(まく)()()った。


絵美

「えぅ? ほんの一瞬(いっしゅん)よね。」


アリム

「そうですね。

 紅丸に()()られたというか? ()()ばされたというか?


 絵美、もう一度、シルバーソードのエネルギーを充填(じゅうてん)してください。」


絵美

「えっ、ええ。」


 絵美はアリムに言われたとおりにした。

 2回目、3回目も同じ結果だった。


真々美

「すごいな。 紅丸は。」


紅丸

「まあ、当然(とうぜん)でござるな。

 現実界(げんじつかい)(ちから)しか()められていない(カタナ)のようですからな。

 わたしは、現実界(げんじつかい)の外にある【幻魔界(げんまかい)】の(ちから)も持っていますから。」


絵美

「アリム、せっかくだから、シルバーソードの(ちから)全部試(ぜんぶため)してもいいかな?」


アリム

「もしかして、

  真空導波(しんくうどうは)

  (そら)()(いかづち)

のことですか?」


絵美

剣撃(けんげき)である真空導波(しんくうどうは)は大丈夫かもしれませんが、

 落雷(らくらい)を呼ぶ【キュワールサ】は無理(むり)だと思います。


 紅丸、どうですか?」


紅丸

「真々美と打合(うちあわ)せする時間をもらえますか?」


アリム

「絵美、時間をくれますか?」


絵美

「どうぞ、その間に、シルバーソードに愛情(あいじょう)エネルギーを追加(ついか)しておきます。」


 紅丸は真々美になにかを説明(せつめい)していた。


 真々美は、(カタナ)(つか)(やいば)から(とお)部分(ぶぶん)と、

(さや)(まる)突起(とっき)側面(そくめん)から見ている。


真々美

「またせたな。

 絵美、アリム。

 準備(じゅんび)ができた。」


絵美

「じゃあ、いくわよ。

 真々美。

 『シルバーソード 真空導波(しんくうどうは)』」


 高さ2m幅30cmの衝撃波(しょうげきは)が地上を走り、真々美に()かって行った。


真々美

「『相殺波(そうさいは)』」


 『シルバーソード 真空導波(しんくうどうは)』は、かき消された。

 しかも、余波(よは)が絵美を(きず)つけることもなかった。


紅丸

加減(かげん)(むず)しいでござるが、対戦相手(たいせんあいて)(わざ)()()すことで、こちらの力量(りきりょう)をわからせるときに重宝(ちょうほう)する(わざ)でござる。」


絵美

「たしかに戦意(せんい)喪失(そうしつ)するでしょうね。


 つぎは、【キュワールサ】を(ため)したいけれど、本当に大丈夫(だいじょうぶ)なの?」


紅丸

「できれば、落とす(いかづち)は1本だけにして()しいでござる。」


絵美

「わかったわ。

 それくらいの手加減(てかげん)はするわ。」


紅丸

「かたじけないでござる。」


絵美

「『空を割るいかづち、キュワールサ』」


 真々美は、【妖刀斬(ようとうざん) 紅丸(べにまる)】の(つか)先端(せんたん)にある金属球(きんぞくきゅう)を、(さや)の丸い突起(とっき)側面(そくめん)に当ててから、(さや)の下部分を地面(じめん)突き刺(つきさ)した。


真々美

「『大地封印(だいちふういん)』」


 (カミナリ)対策(たいさく)避雷針(ひらいしん)原理(げんり)で、キュワールサの落雷(らくらい)電気(でんき)エネルギーを大地(だいち)(なが)した。

 その結果(けっか)、真々美は、無傷(むきず)でノーダメージだった。


真々美

「すごいな、紅丸は」


紅丸

「真々美の助力(じょりょく)があればこそでござる。」


絵美

「こんなに強力な武器が、モンテハート大侯爵(だいこうしゃく)のコレクションにあったなんて。

 のこりのコレクションについても、くわしく調(しら)べるべきね。」


冬香

「モンテハート大侯爵(だいこうしゃく)脳内(のうない)をスキャンコピーしておくべきでした。」


オルア

(れい)口寄(くちよ)せして、聞き出したいわね。」


絵美

「まあ、そのためにも、お(とま)(かい)開催(かいさい)しなくてはね。」


真々美、冬香、オルア こころの声

『どんな関係があるのだろう?』


アリム こころの声

(れい)口寄(くちよ)せできる者との知り合いを、お(とま)(かい)に呼びたいのかな?』





 5人で残りの家事を片づけてから、昼ご飯を食べたのだった。


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