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098 【挿絵】 しあわせになりたいセーラ

 18日目 PM 18:00 夕方

《2日に一度の会議: 偶数日の予定、本日。

 一番権利者: 冬香。》


 冬香とアリムが愛し合っていたとき、民衆側の代表者であるシュウピン、メラニィ、セーラは、メラニィの部屋に集まっていた。


メラニィ

「シュウピンは、真々美様、冬香様、オルア様がおっしゃっていた【証拠(しょうこ)のような、なにか】について分かったんだよな。」


☆ オルア

☆ 「ということは、メラニィさんが一番大事にする女性がセーラさんだと思える証拠(しょうこ)のような、

☆ なにかが必要(ひつよう)ってことですか?」

☆ 096 メラニィさんとセーラさんの関係 を読んでね!



シュウピン

「ええ、そうよ。

 メラニィも予想はついているでしょう?」


メラニィ

「シュウピンが、私を味方につけるためにしたアレのことだよな?」


☆ シュウピン

☆ 「モンテハート大侯爵を裏切ってください。」

☆ 

☆ メラニィ

☆ 「な、そのために、わたしを抱いたのか?

☆  わたしを愛していると言ったことは、嘘でそれが目的だったのか?

☆  ひどすぎるぞ。」

☆   036 伍姫いつひめ成立の条件 を読んでね!



シュウピン

「そうよ!

 あなたに信じてもらうためにしたアレよ。」


メラニィ

「それを、セーラにもとめることは、きびしすぎないか?」


セーラ

「あの、わたしにも話の内容が分かるようにしてもらえませんか?」


メラニィ

「ああ、すまない。」


シュウピン

「ごめんなさいね。

 メラニィとセーラが仲が良い証拠が必要という話は、覚えているわね。」


セーラ

「はい、もちろん覚えています。」


メラニィ

「真々美様が、(わたし)たちに(なに)(もと)められたのかが、シュウピンだけでなく私にもようやく分かった。

という話をしていた。」


セーラ

「それは、なんだったのでしょうか?」


シュウピン

「女性同士で愛し合うこと、つまり、愛情交換をすることよ。」


メラニィ

「シュウピン、そこはもう少し、やんわりと百合(ゆり)の花を育てることとか表現する方が良いのではないか?」


シュウピン

言葉(ことば)誤魔化(ごまか)したところで、レズ行為(こうい)をすることに()わりはないわ。」


メラニィ

「ああ、もう。

 じゃあ、わたしも、はっきりと聞くことにするよ。

 セーラは、女性同士の愛情交換であるレズ行為に抵抗感(ていこうかん)はあるか?」


セーラ

「いいえ、お(たが)いが愛し()っているのならば、問題ないと思います。

  「部外者(ぶがいしゃ)は、()()んでろ!」

と考えます。」


シュウピン

「おやまあ。 意外ね。

 (いや)そうな顔をすると思ったわ。」


メラニィ

「確かにな。

 拒否(きょひ)されるか、この()の終わりを()げられたかのような絶望的(ぜつぼうてき)表情(ひょうじょう)をするかと思った。」


セーラ

「ですが、おふたりもご存知のように、わたしは元男性(もとだんせい)です。

 男性嫌(だんせいぎら)いのメラニィ様は、私に対して、嫌悪感(けんおかん)をお持ちではないのですか?」


メラニィ

「いいや、冬香様がセーラの女性器(じょせいき)修復(しゅうふく)されたのだから、完全な女性だろう?」


☆ シュウピン

☆ 「はい、冬香様のお力で完全な女性にしてあげて欲しいです。

☆ 対価はいくらほどになりますか?」

☆ 冬香

☆ 「6億バーシルが相場よ。

☆  だけど、彼女の勇気に免じて、労災扱いとするわ。

☆  そして、先ほど見てもらったバリア不正操作者から受けた傷が深いから、内臓のほとんどすべてを修復する必要があるわ。

☆  とうぜん、子宮と卵巣の再形成も治療に含まれるわ。」

☆ 

☆ シュウピン

☆ 「冬香様はそのために、セーラが身体に重傷を負うまで介入することを耐えられたのですか?」

☆   050 9日目 襲撃1回目 を読んでね。



セーラ

「冬香様は、そうおっしゃっていました。

 出産能力(しゅっさんのうりょく)がある完全な女性であると。

 しかし、まだ信じられないというか、実感(じっかん)がわかないのです。」


シュウピン

「ほかの女性と身体を見せあって、気が済むまで比べるしかないわね。」


セーラ

「その通りですが、そのようなことができる女性の友人は、わたしにはいません。」


メラニィ

「そこまでを見通して、冬香様はわたしにもセーラの状況をくわしく知らせたのだろうな。」



☆ 冬香

☆ 「 (省略)

☆  それと、メラニィさんが誤解して嫉妬しなくても良いように、彼女を見舞うときにはパートナーとして同伴するようにしてください。」

☆ 

☆ シュウピン

☆ 「ありがとうございます。 冬香様。」

☆   050 9日目 襲撃1回目 を読んでね。



シュウピン

「その心配はいらないわ。

 わたしがメラニィを愛したように、メラニィもあなたを愛してくれるわ。

 そのときに、メラニィの身体とセーラ自身の身体を比べればいいでしょうね。」


セーラ

「わたしとしては、うれしいです。

 でも、本当に言葉通り信じてもいいのでしたら、メラニィ様、わたしを口説(くど)いて(いただ)けませんか?」


メラニィ

「シュウピン、いま口説(くど)いてもいいか?」


シュウピン

「ええ、ぜひ、メラニィがセーラのハイシスになってくれるなら、とても(うれ)しいです。」


メラニィ

「わかった。 シュウピン。

 では、


 セーラ。

 職場(しょくば)上司(じょうし)としてではなく、ただの個人(こじん)、ひとりの女性として、言葉を(おく)ろう。


 わたし個人(こじん)魅力(みりょく)に思ってくれるなら、セーラの心身(しんしん)をわたしに(あず)けてくれ。

 シュウピンがわたしを大事にしてくれるように、わたしもセーラのことを大事にする。」


セーラ

「うれしいです。 メラニィ様。

 あなたとなら、きっと、わたしは(しあわ)せになれると期待(きたい)できます。」


挿絵(By みてみん)


メラニィ

「ああ、セーラの選択(せんたく)(ただ)しかったと、未来(みらい)のセーラに、自慢(じまん)できるようにするぞ。」


セーラ

「うれしいです。 メラニィ様。」


シュウピン

「ありがとう、メラニィ。

 おめでとう、セーラ。


 それでは、姉妹関係(しまいかんけい)儀式(ぎしき)をはじめましょうか?」


メラニィ

「そうしてやりたいが、姉妹関係(しまいかんけい)儀式(ぎしき)の内容は分からないよな。」


シュウピン

「ええ、わからないわ。

 だから、わたしたち3人が納得(なっとく)できる内容にすればいいのよ。」


メラニィ

内容(ないよう)を私たちで考えるということか。

 それも、ありかもしれないな。

 真々美様も具体的(ぐたいてき)(なに)をするように、とは、おっしゃっていないからな。」


シュウピン

「いい点に気付いたわね。

 その通りよ。


 真々美様、冬香様、オルア様の関係(かんけい)をお手本(てほん)にして、

 わたし、メラニィ、セーラの関係を構築(こうちく)して、

周囲(しゅうい)のひとたちが(おな)じような雰囲気(ふんいき)を感じるようにすればいいのよ。」


セーラ

「わたしは、(なに)をすればよいですか?」


シュウピン

「わたしに見守(みまも)られながら、メラニィの言うとおりに、心身(しんしん)(まか)せていればいいわ。

 つまり、今夜のセーラは、【受け】をしてもらうわ。

 明日の夜のセーラには、メラニィにされたことを、そのままメラニィにする【攻め】をすればいいわ。」


メラニィ

「とすると、前半(ぜんはん)後半(こうはん)()けようか?

 前半は、万人受(ばんにんう)けする内容(ないよう)完了(かんりょう)としよう。

 後半は、優雅(ゆうが)紅茶(こうちゃ) 1.5リットルが必要(ひつよう)だな。」


シュウピン

「シンプルで、きれいな構成(こうせい)になっているわ。

 大賛成(だいさんせい)よ。


 王家側(おうけがわ)姉妹関係(しまいかんけい)儀式(ぎしき)内容(ないよう)機密扱(きみつあつか)いで、非公開(ひこうかい)になっている理由(りゆう)は、どんな内容であっても、(かなら)文句(もんく)やケチを()けてくる(ひと)がいるからだと思うわ。


 だから、メラニィが考えた内容は、民衆側(みんしゅうがわ)姉妹関係(しまいかんけい)儀式(ぎしき)として、内容(ないよう)機密扱(きみつあつか)いで、非公開(ひこうかい)にしましょうか?」


メラニィ

「ああ、そうするべきだな。

 セーラも、それでいいか?」


セーラ

「はい、おふたりのお(すす)めに、(したが)います。

 でも、(いた)くしないでくださいね。

 一生(いっしょう)(おも)()になるように(やさ)しくして()しいです。」


メラニィ

「やさしくはするが、2日に1回は、わたしと愛情交換(あいじょうこうかん)をすることになるぞ。」


シュウピン

「わたしがメラニィを、どのように(あい)しているか?を、間接的(かんせつてき)()ることができるから、(たの)しみにしていてね。」


セーラ

「はい、それで、いつすることになりますか?」


シュウピン、メラニィ

「「今夜から!」」


セーラ

「分かりました。

 身体(からだ)手入(てい)れをする時間(じかん)をください。」


メラニィ

「じゃあ、各自の部屋で風呂(ふろ)に入ってから、わたしの部屋(へや)集合(しゅうごう)だな。」


シュウピン

「そうね、そして、いっしょに夜ご飯を食べましょう。

 もちろん、わたしとセーラは、お(とま)りセットを持ってきましょうね。」


メラニィ

「これで、次の会議の時には、()報告(ほうこく)ができそうだな。」


セーラ こころの声

『アリム様に()かれる前に、自分の身体の状態を確認できる良い機会をもらえたと考えればいいわね。

 それにしても、メラニィ様と愛情交換なんて、わたしの灰色(はいいろ)の人生が一気(いっき)に、バラ色に()まったようだわ。』





 メラニィとセーラの姉妹関係の儀式は、非常(ひじょう)上手(うま)(すす)んだ。


 儀式を見守ったシュウピンの祝辞(しゅくじ)、お(いわ)いの言葉(ことば)を受けたとき、メラニィとセーラは、大きな達成感(たっせいかん)充実感(じゅうじつかん)幸福感(こうふくかん)(おぼ)えたのだった。


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