第4部 第5話
ツバサに言われた通りにヒイロを放っておいて先に登校したチカラは、何故ヒイロとかかわろうとしないのかツバサを問い質していました。するとツバサは「さっきのヒイロの様子を見ただろ?ヒイロは周りの人が自分に気が付いてチヤホヤしてくれるのを待っているんだ!あんなの僕が知ってるヒイロじゃないよ!一緒にいたら恥ずかしいから放っておいたんだよ!」と、説明しました。
「ちょっと待って。ヒイロは自分がチヤホヤされるのを待ってるって言ったけど、ヒイロってそもそもチヤホヤされる要素なんてあったっけ?全然思いつかないんだけど。」
「原因はこの動画がネットに出回ったからだよ。」
そう言ってツバサはスマホである動画をチカラに見せました。
その動画は3日前、「アツイ」という怪物が人質を取ってヒイロと対峙しているところを撮影した動画でした。
「へぇ~、こんな動画あったんだね。でもこれってヒイロが怪物を倒し損ねて人質を取られた上に、ヒデオさんに助けられる情けない場面じゃなかった?」
「そうなんだけど、この怪物が国の施設や病院を襲って滅茶苦茶にしたっていうことがニュースで報道されると、『そんな怪物を瀕死にさせたこいつは結構すごいんじゃないか?どこの誰なんだ?』ってネット上で話題になって、誰かが『こいつはソラ・ヒイロって奴らしい。』って特定した情報を流してからは、今までゼロだった周りの人たちのヒイロへの関心が急に高くなったんだ。一昨日は一緒に空を飛んで登校していたら、下を歩いている人たちのほとんどがスマホで写真や動画を撮っていたんだから!今までなら、ヒイロの登校ルートを通る人たちはヒイロが空を飛ぶ姿なんて見飽きてたのに!それでヒイロは調子に乗って昨日からチヤホヤされるために空を飛ばずに歩いて登校するようになったんだよ!」
「う~ん、でも仕方ないんじゃない。」「えっ⁈」
ツバサはチカラの発言が信じられないという顔をしました。
「ほら、怪物退治をしている僕や読者モデルをしているツバサと違ってヒイロは目立つ活動してなかったし、ヒイロ自体が能力を使って目立つようなことをしたがっていたみたいだから、特におかしなところはないかな。」
「…でもさ、チカラはまだ今のヒイロに会ってないからなぁ。その内サインとか考えだすかもしれないんだよ。」
「そう言うんだったら、会って判断するよ!ヒイロのいる教室へ行こう!」
チカラとツバサはヒイロのクラスへ向かいました。




