第3部 第24話
イマイは頭を掻いてゲンキへの質問の仕方がまずかったことを反省すると、「ごめん、ゲンキくん。出来ればゲンキくんの授かった能力が『どんなケガや病気でも治すことができる』能力であってほしいからと言って、責めるように質問してしまって。ゲンキくんの能力が本当は違っても誰も責めないから、本当のことを教えてほしい。」と、今度は優しく尋ねました。
「ごめんなさい。…本当は僕に『どんなケガや病気も治す』力なんてないんです。僕には『自分のケガや病気を治す』力があるだけなんです。」
「8年前に僕がゲンキくんの授かった能力は何か聞いたよね。その時にどうして言ってくれなかったんだい?『自分のケガや病気を治す』能力だって言ってくれれば、8年間も実験を受けなくて済んだのに。あっ!ごめん!これは責めてるんじゃなくて、疑問に思ったことを聞いているだけだから、ゲンキくんも言える範囲で良いから言いたいことを言ってくれないかい?」
「…その…実は…怖かったんです。『何でも願いごとを叶えてあげる。』と言われて、この病院だけじゃなくて、世界中の病院にケガや病気で入院している人がいるのに、それを忘れて自分の病気だけを治してもらったという事を知られるのが怖かったんです。たくさんの人から責められるんじゃないかと思って怖かったんです。」
「……。」
ゲンキの告白に、ゲンキの主治医だったイマイは何も返答できずにいました。
イマイだけじゃなく、誰も何も言えずに嫌な沈黙が続くかに見えましたが、「怖がる必要なんかないと思うよ!」と、ショウが発言しました。するとゲンキは俯いた顔を上げて、ショウの顔を見つめました。
「怖がる必要なんてないよ!だって世界中でゲンキさんみたいに病気で入院していた人が光のぬしに病気を治してもらったという例が確認されているし、俺やヒイロみたいに病気やケガなどの悩みがなかった人は、自己中心的な願いごとをしている人がほとんどだから、責められるとしたら俺たちみたいな人だと思うよ。」
「…そうだよ!俺の能力も怪物が現れる世の中じゃなければ危険なだけだから、責められるとしたら俺みたいな奴だよ!」
ヒデオもショウの意見に乗っかった意見を述べました。
「僕みたいに自分の病気を治してもらった人が他にいたとしても、僕や他の人たちが思いやりのない自己中心的な奴だって事実は変わらないですよ!むしろ病気の辛さを知っていながら自分だけ助かったわけだから、ヒデオさんたちよりも自己中心的だと非難されると思います。」
ゲンキはショウやヒデオの意見に全く耳を貸さず、自分を責めました。
ゲンキの意見に誰も何も言えずにいると「ゲンキさんは自己中心的ではないと思います!」と、ヒイロが今までの会話を聞いていたとは思えない発言をしました。




