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第3部 第23話

 ヒデオ、コウイチ、ヒイロ、ショウ、オサムの5人は黙って、ゲンキが目を覚ますのを待っていましたが、一緒にいた医者は「…そんなまさか…いや、でも…だとしたら…。」と、ブツブツ呟いていました。

しばらくゲンキのやけどが治っていく様子を全員で見ていましたが、数分後にはやけどの跡が全く残らずに治ったため、オサムは「もう僕に出来ることはないみたいです。」と、握っていたゲンキの手を放しました。


「それでは、僕は他のケガした人たちの治療に向かいます。」と言って、オサムが病室を出て行こうとすると、ヒデオが「ちょっと待って!」と呼び止めました。


「ほかに重傷な人がいたら申し訳ないんだけど、俺の右手の凍傷と右足のやけどを治してもらえないかな?」


「ヒデオさん、ケガしてたんですね!気づかなくてすみません!今すぐ治療します!」


ヒデオとオサムの会話を聞いて、ヒイロは今になってヒデオの右足のやけどに気づきました。


(そうだよな。あんなに体が熱くなっている怪物の顔を蹴り飛ばしたんだから、やけどぐらいするよな。)


ヒイロは自分の注意力の低さに呆れてしまいました。

オサムがヒデオの左手を握って治療を始めると、数分後には傷跡も残らずに綺麗に治りました。

ヒデオの治療を終えると、オサムは病室を出て怪我人の治療に向かいました。オサムがいなくなった病室を嫌な静けさが支配しました。その状況に耐えられずヒイロが「なぁ、ショウ。ゲンキさんもチカラみたいに2日経っても目を覚まさないかもしれないし、ゲンキさんのことも気になるけど、チカラの病室に戻らないか?ツバサを1人で待たせているのも申し訳ないしさ。」と、ショウに提案しました。


「…そうだな…戻ろうか。」


ショウがヒイロの提案を承諾した、次の瞬間、「…ゲンキくん。ゲンキくん!」と、医者が大きな声を出してゲンキに呼びかけ始めました。ヒイロとショウは驚いて、ゲンキに視線を向けると、ゲンキの閉じていた瞼が開き始めました。医者はゲンキが目を覚ましそうな兆候を感じ取って、大声でゲンキに呼びかけたみたいでした。医者の呼びかけで意識を取り戻しつつあるのか、ゲンキは何度か瞬きをすると「…ここは…どこですか…イマイ先生?」と、医者に顔を向けて質問をしました。


「ここは病室だよ。ゲンキくん、覚えているかな?キミはとんでもなく熱い怪物にタックルして、病院の外へ押し出そうとしていたみたいなんだけど。」


「…はい。覚えています。僕が精一杯押しているのにもかかわらず、怪物はびくともしませんでした。…怪物…そうだ!怪物、怪物はどうなりましたか?」


完全に意識を取り戻したのか、ゲンキは上半身をガバッと起こしました。


「大丈夫だよ。怪物ならここにいるヒデオくんが倒してくれたから、安心して。」


「そう…ですか。僕を助けてくれたのもヒデオさんですか?」


「いや、それはこの子がやってくれたんだ。」


そう言って、イマイという医者は手をヒイロの方へ向けました。


「そうですか。ありがとうございました。え~と…。」


「あっ!僕はソラ・ヒイロです。よろしくお願いします。」


「ヒイロさんですか。覚えておきます。本当にありがとうございました。」


「ゲンキくん…話は変わるんだけど、ゲンキくんのやけどが自然と治っていったんだけど…あれかな、ケガや病気の治し方が分かったのかな?だから、やけどが自然と治っていったんだよね。そうだよね。」


イマイがゲンキの授かった能力について核心を突く質問をすると、ゲンキは俯いて一言もしゃべりませんでした。


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