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第3部 第22話

 ヒイロが素人の目線で見た感じですが、何百度にもなっている怪物にくっついていた割には、ゲンキのやけどの状態が軽いように見えました。ですが、それはオサムが治療してくれたからかもしれないと思い、ヒイロは何も発言しませんでした。


「オサムくん、ヒデオたちを連れて来たから。」


「はい、分かりました。」


コウイチに言われてオサムはゲンキの治療を中断してしまいました。


「えっ?治療は続けた方が良くないですか?」


ヒイロは疑問に思ったことをそのまま口に出していました。


「そうなんだけど、見てもらいたいものがあるからオサムくんには治療を中断してもらったんだ。」


「見てもらいたいもの?」


「あっ!ヒイロくん、ゲンキくんのやけどのところを見てごらん!」


ヒデオが何かに気付いて、ヒイロにゲンキの体を見るように促しました。ヒイロがコウイチに向けていた視線をゲンキの方へ戻すと、オサムが治療を中断しているのに、さっき見た時よりもゲンキの体のやけどを負ったところの状態が良くなっていました。しかも、見る見るうちにやけどの部分が良くなっていきました。


「これが…見てもらいたいものですか?」


「そうなんだ。ヒイロくんは知らないかもしれないけど、ゲンキくんの能力は『どんなケガも病気も治すことが出来る』って能力なんだけど、ゲンキくんは幼い頃自分の病気を治してから、いくら実験してもケガも病気も全く治せなかったんだ。だから、どうしてゲンキくんのやけどが治っていくのか謎なんだ。」


「ゲンキさんだとは知りませんでしたが、オサムくんに『どんなケガも病気も治すことが出来る』能力を持った人がいるっていうのは聞いていました。そうですよね。何で今までできなかったことが、無意識に出来るんですかね?…そっか!ショウがおかしなことって言ってたのはこれか?」


ヒイロがショウに視線を移すと、ショウは「あ、あぁ…。」と、何とも歯切れの悪い返答をしました。ショウのそんな様子を見て、ヒイロはある考えが浮かびました。


「コウイチさん!もしかして、ゲンキさんの能力を間違って認識しているってことはないですか?」


「どういうことだい?」


「コウイチさん、僕たちが来る前にショウにゲンキさんの能力を説明しましたか?」


「うん。したけど…それがどうしたの?」


「やっぱり!実は、これは他言無用でお願いしますが、ショウは『対象者が事実と違うことを言った場合、それを見抜く』能力を持っているんです。それで、ショウはコウイチさんからゲンキさんの能力を聞いた時、ゲンキさんの能力が本当は違うことに気付いたんです。なっ!ショウ!」


「……。」


「本当かい、ショウくん?」


「それは…俺の口から言うことではないと思います。ゲンキさんが自分で言うべきだと思います。」


ショウは明言を避けましたが、ゲンキの能力が本当は違うことは、その場にいる人たちにはもう分かり切っていました。


「それもそうだね。それじゃあ、オサムくん!ゲンキくんの治療をしてくれないかい?このままでもやけどは治りそうだけど、早く治れば早く目を覚ますかもしれないし!」


「分かりました。」


コウイチに言われて、オサムはまたゲンキのやけどの治療を再開しました。


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