第3部 第21話
「ツメタイ」と「カタイ」が××で暴れていたため、警察は怪物がまた現れるかもしれないと警戒態勢を取っていたので、ヒデオが「アツイ」を倒してから数分後には数人の警察官が駆けつけてきました。
「ヒデオくん、お疲れ様!後は僕たちが見張っているからヒデオくんはその右手のケガを手当てしてもらいに行った方がいい。」
警察官は当たり前のようにヒデオのことしか見えていないようでした。
「はい。ありがとうございます。一応怪物は死んでいると思いますが、警戒だけはしておいてください!」
「分かったよ。ありがとう!」
「それじゃあ行こうか、ヒイロくん。」
「はい。」
ヒデオとヒイロは数分歩いて○○病院に向かいました。○○病院に着くと入口のガラスでできた自動ドアが派手に壊れているのが見えました。
「ひどいな。入口でこれじゃ、中はもっとひどいのかな?」
「いえ、これをやったのは僕です。エントランスで怪物が自分の体の体温を上げて、室温をとんでもなく上げていたので、とにかく一刻も早くこいつを外に出さなきゃいけないと思い、飛びながらタックルして連れ出したんです。だから悪いのは僕です。」
「あ…そうだったんだ…でもまあ、入口ぐらいで済んだのならすごいよ!俺だって怪物退治中に建物や車とか壊したりしているから。このくらいで済んだのならマシな方だよ。」
「…そうですか…。」
ヒデオが無理に褒めようとしてくれているのがヒイロには分かっていたので、うまく返答することができませんでした。
「……。」「……。」
「…とりあえず、コウイチを捜そうか?」「…そうですね。」
ヒデオとヒイロは壊れた入口から病院の中へ入っていきました。
エントランスの奥の方では「アツイ」が受付の人の顔を燃やしたことに驚いて、急いで逃げ出したことによってケガした人たちや1人では素早く行動できなかったため遠くに逃げることができず「アツイ」の生み出す暑さで熱中症になってしまった人たちを医者や看護師の方たちが手当てしていました。かなりバタバタした状況で医者や看護師の肩の邪魔にならずコウイチを捜すのは難しそうだなとヒデオとヒイロが思っていると、「おーい!ヒデオ、ヒイロくん!こっちこっち!」とコウイチが2人を見つけて手招きしていました。コウイチの近くにはショウもいました。
ヒデオとヒイロが近くまでやって来るとコウイチが「早かったな。」と声を掛けてきました。
「ああ、すぐ警察が来てくれたからな。それはそうとオサムくんが来ているんじゃなかったのか?全く見かけないけど、重傷な人でもいるのか?」
「実はそうなんだ。しかも、重傷なのはゲンキくんみたいなんだ。」
「えっ⁈ゲンキくんが?それじゃあすぐ治療しなきゃいけないな!」
「…あの、すみません。もしかしてその人って、全身にやけどをした人じゃないですか?」
ヒデオとコウイチの会話に、申し訳なさそうにヒイロが割って入りました。
「そうだよ。ショウくんの話だとヒイロくんがゲンキくんを助けてくれたみたいだね。ありがとう。」
「助けたなんて大袈裟です!怪物が現れたことを僕たちが知ってエントランスにやって来たら、すでにゲンキさん?が怪物を病院の中に入れないように怪物の体を押していたんです。それで僕がタックルして怪物を外へ連れ出そうとした時に引き離していったんですが、生きていらっしゃったんですね!良かったぁ!」
「まあ一応ね。」
「そうですか。ところでさっきの2人の会話だとゲンキさんは2人の知り合いみたいですが、かなり親しい人だったんですか?もしかして、怪物退治の仲間だったとか?」
「まあそんなところかな。すごく貴重な能力の持ち主なんだ。これ以上はあまり他の人に聞かれたくないから、彼が治療を受けている病室で話そう。ついて来てくれ。」
そう言って、コウイチは病室に向かって歩き出したので、ヒデオとヒイロとショウはそれについて行きました。病室へ向かう間、ショウがヒイロに「怪物は何とかなったみたいだな?」と、小声で話しかけてきました。
「まあね。とどめを刺したのはヒデオさんだけど…。」
「そんなのいいんだよ。ヒイロのおかげで被害は少なく済んだと思うぜ。」
「…そうだと良いんだけど。なあ、ショウはゲンキさんの能力が何かもう知っているのか?」
「ああ、知ってる。でも、ちょっとおかしなことがあってさ。」「おかしなこと?」
「うん。実は…あっもう病室に着いたな。この話はあとでしよう。」
そこでショウとの会話は終わってしまいました。ヒイロが(気になるところで話を終わらせるなよ!)と思っていると、コウイチが「さあ、早く入ってくれ。」と、ヒイロに病室に入るように促してきました。ヒイロが病室の中に入ると、そこにはベッドに横になっているやけどを負った男性とその横に立つ医者とやけどを負った男性の手を握ったオサムが目に入りました。




