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第3部 第7話

 ヒデオの病室のドアをノックしてヒイロが一番先に「失礼します。」と言って病室に入りました。

ショウとツバサはその後に続いて「「失礼します。」」と言って病室に入りました。


「やあ、ヒイロくん!お見舞いに来てくれてありがとう!あっ、友達も一緒なんだ。初めまして。ユウキ・ヒデオです。」

「初めまして。シラトリ・ツバサです。」「…初めまして。アカシ・ショウです。」


世間でヒーローと呼ばれているヒデオに話しかけられて、ツバサだけでなく、普段有名人に興味なさそうなショウも緊張しているようでした。


「あれ、ヒデオさん普段見るような作業着を着てどうしたんですか?それにコウイチさんもいらっしゃったんですね。気付かなくてすみませんでした。」


「こんにちは。ヒイロくん。それにツバサくんに、ショウくんも。いきなりだけど3人もこの馬鹿に言ってやってよ!お前は重傷を負って入院していたんだから、もっと休んでろって!」


「えっ⁈ヒデオさん、もう怪物退治に復帰するつもりなんですか?」


コウイチの発言にヒイロは驚きの声を上げました。


「2人とも大袈裟だなぁ!1日は休んだし、オサムくんにケガは治してもらっているから、もう大丈夫だって!それにコウイチが冷凍庫に運んだ『カタイ』とか言う怪物も凍っているうちに倒しておかないとね!」


「1日休んだだけだろ!オサムくんが治してくれなかったら、全治何ヵ月掛かるか分からないケガだったんだぞ!何ヵ月も休めとは言わないけど、もう2、3日くらい休むべきだって!」


「そうですよ!ヒデオさんは普段ほとんど休まずに怪物退治しているんですから、もう少し休んだ方がいいですよ!なっ、ツバサ!ショウ!」


「…そうですよ!それにもしケガが完全に治ってなかったら大変だからね。ねっ、ショウ!」


「そうだな。ケガが完全に治ってなかったせいで大勢の人の前でまた怪物に負けたら、今度はマスメディアなんかをごまかすのは難しいだろうしな。」


ショウの辛辣な意見を聞いて、ヒデオは少し逡巡しているようでした。もう少し押せばヒデオも休んだ方がいいと思ってくれると4人が考えていた時に、コウイチのスマホの着信音が鳴り出しました。


「ちょっと失礼。」


コウイチはスマホを取り出して、着信画面を見ると病室から出て行ってしまいました。

コウイチがいなくなった後もヒイロたちはヒデオに休んでもらおうと説得を続けましたが、どの意見も決定打にはなりませんでした。そうこうしているうちに、コウイチが戻ってきて、「ヒデオごめん。今から怪物退治に向かってもらいたいって連絡があった。準備してくれ!」と今までの意見を180度変えたことを言い出しました。


「コウイチさん、何言ってるんですか?ヒデオさんには休息が…。」


「悪いけど、緊急事態だから、そうは言っていられないんだ。ヒデオ準備してくれ!」


「分かった。それじゃあ、悪いけど俺は行くね!コウイチ準備OKだ!行こう!」


そう言ってヒデオとコウイチはワープしてどこかへ行ってしまいました。

ヒデオの病室に残された3人はとりあえず、チカラの病室に戻って来て、ヒデオが向かわなくてはいけないくらいの緊急事態は何なのか話し合っていました。


「俺はまた人型の怪物が現れたんだと思うな。」


ヒイロはズバッと出来れば考えたくない意見を言いました。


「僕もそう思う。でなきゃヒデオさんまで駆り出されることはないと思う。」


しかしツバサもヒイロの意見に同調しました。


「俺もそう思うけど、緊急事態って言ってたから、ただ人型の怪物が現れたってだけじゃなくて、何か重要な施設が占拠されたとか、最悪破壊されたってことも考えられるな。」


ヒイロとツバサの2人よりもショウはさらに最悪の事態を想定しました。


「でも、その割にはスマホのニュースアプリにそう言ったニュースは入って来てないから、原子力発電所が破壊されたとか、そういったすぐに市民に被害が及ぶ施設が破壊されたわけではないと思うよ。いや、そうであってほしいな。」


ヒイロは冷静にヒデオの予想を否定しましたが、それもヒイロの希望が入った予想でしかありませんでした。


「それは俺もそう思うよ!でも、怪物と呼ばれる生物が次々と現れるような世界では、何が起こるか分からないから、常に最悪の事態を想定しておかないと。」


「ショウが言ってることも分かるけど、やっぱり実際に起こっては欲しくないな。…なあ、病院の割にはさっきから騒がしくないか?」


ヒイロが言う通り病室の前をバタバタと走る音や大きな話し声が聞こえて来ていました。


「うん。僕もさっきからそう思っていたんだよね。何かあったのかな?僕ちょっと聞いて来るよ。」


ツバサがチカラの病室を出て、状況確認に行きました。


「それにしてもチカラ、全然目を覚まさないな。」


「そうだな。でもそれはさっきも言ったけど、俺たちはチカラが目を覚ますことを信じて待つしかないんだよ。」


「そうなんだけどさ…やっぱりこのまま目を覚まさないんじゃないかって不安になるじゃん。俺さ、どうしてもチカラから聞かなくちゃいけないことがあるんだ。だからこのまま目を覚まさなかったら困るんだよ!」


ヒイロは切実感を出して言いました。


「聞かなくちゃいけないことって何だよ?」


「それは…チカラが俺を羨ましく思う理由は何なのかってことだよ!いくら考えても全然分からないから、もう答えを教えてもらおうと思ってるんだ。」


「何だよ。そんなことがどうしても聞きたいことかよ?くだらないなぁ。」


切実さを出していた割に内容が大したことなくてショウは拍子抜けたようでした。


「何だよ!じゃあ、ショウは理由が分かるって言うのかよ?」


「分からないけど、目を覚まさない友達にどうしても聞きたい質問ではないと思う。」


「大変だーッ!」


病院が騒がしい理由を確認に行ったツバサが血相を変えて戻ってきました。


「どうしたんだよ。怪物でも出たか?」


「そうなんだよ!怪物が出たんだ!しかも人型の怪物が!」


それを聞いたヒイロとショウに緊張感が走りました。


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