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第3部 第3話

 それから何時間か経ちゲンキが目を覚ますと、もうすっかり夜になっていました。

ゲンキが目覚めてすぐに気づいたことは、今まであった病気による体の痛みがすっかり消えていたことでした。


(何でだろう?)と上半身を起こしながら考えてみると、頭にもやがかかっているみたいな感じがしてはっきりとは思い出せませんでしたが、光の奥にいる人たちに何かをお願いしたことは思い出せました。


(何だったっけ?体の痛みがなくなっているから、『僕の病気を治してほしい!』だっけ?う~ん、でもあの時光の奥の人が、『よく考えろよ!』って言ってたような…。)


ゲンキは思い出そうとしながら腕組みをしました。その時ふと、自分の腕の方に目をやると、何度も採血をした腕に残っているはずの注射跡が消えていることに気付きました。そこでハッとゲンキは自分の願い事を思い出しました。


(そうだ!確か『どんなケガも病気も治る体にしてほしい!』って願いごとを叶えてもらったんだった。う~ん、でも本当に病気が治っているのかな?体が痛くないのは、そういう薬を飲まされただけなんじゃないかな?う~ん、そう言えば明日は検査の日だから、それで分かるよね。今いくら考えても分からないし、もう寝よう。)


ゲンキはベッドに横になると、体の痛みがなくなったのですぐに眠ってしまいました。

そしてゲンキは眠りながら見た夢で光のぬしとの会話を全部思い出しました。


次の日、ゲンキは光のぬしとの会話を全部思い出していたので、(きっと病気は治ってる!)と確信していたため、ニコニコしながら検査を受けていると、医者や看護師はゲンキの表情を見て(何でこんなに機嫌がいいのだろう?)と不思議に思っていました。理由を聞いて来る看護師もいましたが、ゲンキは「その内分かるよ!」としか言いませんでした。 


次の日、検査の結果を見たゲンキの主治医は驚きました。ゲンキの体から全く異常が見つからなかったどころか、ゲンキの体がすっかり健康体になっていたからでした。主治医はこの事態の原因を考えていると、今朝見たニュースを思い出して1つの推測をしました。推測を事実か確認するために今までは詳しい検査結果はゲンキの両親にだけ伝えていましたが、看護師に頼んでゲンキも診察室に連れてきてもらいました。ゲンキとゲンキの両親が診察室に来るとゲンキの主治医は、ゲンキの病気が治っていることをゲンキたちに伝えました。それを聞いて涙を流して喜ぶゲンキの両親に対してゲンキ本人はやっぱりという表情をしていたので、ゲンキの主治医は自分の推測が当たっているか確認するためにゲンキに質問しました。


「ゲンキくん、キミもしかして今ニュースになっている光の中の人に会ったんじゃない?」


ゲンキが光のぬしに願いごとを叶えてもらって2日経っていたため、世界中でゲンキみたいに光のぬしに願い事を叶えてもらって超常的な能力をもらった子たちが確認されて話題になっていたので、ゲンキの主治医もゲンキは光のぬしに病気を治してもらったのではないかと考えたのでした。

ゲンキは「はい。会って願いごとを叶えてもらいました。」と返答しました。


「やっぱり!それでどんな願いごとを叶えてもらったんだい?」


「え~と、僕のから…。」


途中まで言って、ゲンキはあることに気付いて言いよどみました。

ゲンキがいる病室には2人ほど同じくらい年の子が病気で入院しているし、この病院には何十人という人が病気で入院していました。それに日本、いや世界中に病気で苦しんでいる人たちがいることにゲンキは気付きました。

それに気付くとゲンキは「僕の体をどんなケガも病気も治る体にしてほしい!」という願い事は、なんて自分のことしか考えていない願いごとだろうと思ってしまいました。


(あの時、光のぬしがよく考えろよって言っていたのはこのためだったんだ。)


そう思っても後の祭り、ゲンキは幼いながらに恥ずかしくて自分の叶えてもらった願い事を言えずにいました。そしてゲンキはこの後8年間も自分を苦しめるウソをついてしまいました。


「…僕にどんなケガも病気も治せる力をくださいって…お願いしました。」


ゲンキはウソをついたことを後々ひどく後悔しました。


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