第2部 第28話
「お兄ちゃん!ちょっといい?」
急に病室のドアを開けて入って来たヒデオの妹、ランカがヒイロとヒデオの会話に割って入りました。
「ごめん、ヒイロくん。ちょっといいかな?どうしたランカ何の用だ?」
「いや実はお兄ちゃんに用があるわけじゃないんだ。」
そう言ってランカはヒイロの顔をジッと見てきました。そして何かに気付いたのか両手をパンッとならして「やっぱり!3年前に私を助けてくれた人だ!」とヒイロに向かって言いました。
「3年前?」
ヒイロは何を言っているのか分からずランカに聞き返しました。
「覚えてませんか?3年前、海で沖に流された私を飛んで助けに来てくれたじゃないですか?」
「3年前…?海…?あぁ、あの時の子か!確かあの時小学生だったよね?そっか、あの時の子か、どっかで会ったことがある気がしたけど、全然思い出せなかったよ。すごく成長したみたいだね。」
「そうですか?まぁ、もう中学3年なので小学生の時よりは成長していると思います。」
「へぇ~、もう中学3年なんだ!じゃあ、今年高校受験でしょ?行きたい高校とか決めているの?」
「いえ、決めているというよりは、決まっているというか…。私、お兄ちゃんやヒイロさん?と同じ高校に通うんです。」
「そうなんだ!じゃあ、キミも光のぬしから何か能力をもらっているの?」
「はい!と言っても大した能力じゃないですけど、ただいろんな卵を出せるってだけですけど。」
「へぇ~、それって味付けした状態で出せるの?」
「えぇ、まぁ味付けした状態で出すことも可能です。どうしてですか?」
「いや~、キャビアとかも出せるんだったらすごいなぁと思ってさ。」
「キャビアも出せますよ!うち食堂やっているので今度食べに来てください!もちろん、お代はいりませんから!ねッ、お兄ちゃん?」
ランカがヒデオの方を振り向くと、ヒデオは独り言をブツブツと言っていました。
「3年前にランカを助けてくれたのがヒイロくんで、今回俺が倒せなかった怪物を倒したのもヒイロくん。そんな子相手に俺は適材適所で頑張れなんて偉そうに言ってたみたいだし、むしろ適材適所なら地球上で一番強くなりたいって願った俺が、怪物退治で活躍しなきゃいけないのに、俺は…。」
「どうしたの、お兄ちゃん?」
ランカが心配で声をかけると、大恩人であるヒイロに偉そうにしていたことの恥ずかしさから、ヒデオはひどく赤面していました。




