第2部 第20話
ユイとヒカルが「ハヤイ」を倒せずにいる一方、ヒイロとリョウスケの方はと言うとこちらもまだ逃げてばかりで「カタイ」を倒せずにいました。
……ドンッ!…ドンッ!ドカンッ!ドカンッ!
とリョウスケの作る氷の壁を「カタイ」が壊す音がユイたちのいるところによく聞こえるようになり、段々と近づいて来ているのが分かりました。
ヒイロは「カタイ」から逃げながら、山の岩壁に向かって飛んでいました。そしてヒイロは飛ぶスピードも段々と上げていました。
しかし、「カタイ」はリョウスケの作る氷の壁を壊すことに気を取られ、そのことに全く気付いていませんでした。ヒイロは岩壁ギリギリまでかなりのスピードで飛んでいき、ぶつかるギリギリのところで岩壁に沿って上空へと飛びあがりました。一方「カタイ」はギリギリまでリョウスケの作る氷の壁を壊して進んでいたので、岩壁に気付かずそのままドシーンッと岩壁にぶつかり、体がめり込んでしまいました。
近くで大きな音がしたのでユイとヒカル、そして「ハヤイ」も音がした方に視線を向けて「カタイ」が岩壁にめり込んでいるのを確認しました。
「『カタイ』…何をやっているんですか?」
「カタイ」の醜態を見て、「ハヤイ」はあきれているようでした。
「アハハ!見える?あんたの仲間がやられたところを!かなりのスピードでぶつかったみたいだから、いくら硬いって言ってもただでは済まないはず。」
ユイが意気揚々とヒイロたちが勝ったことを「ハヤイ」に思い知らせようとしていると、「ハヤイ」は初めは動揺しているようでしたが、すぐに「『カタイ』、いつまで休んでいるのですか?さっさと抜け出しなさい!」と厳しい口調で命令しました。
すると黒い球体はモゾモゾと抜け出そうと動き出しました。
「ハハハ!どうですか?『カタイ』はあのくらいどうってことないんですよ!さあ『カタイ』、さっさとそこから抜け出しなさい!」
「ハヤイ」が自慢げに言っていると、上空へと飛んで行ったはずのヒイロとリョウスケが下りてきて、「カタイ」の近くに着地しました。
そしてリョウスケは岩壁から抜け出そうとしている「カタイ」の体に触れて、ほんの数秒で「カタイ」の体をカチカチに凍らせてしまいました。
「な、な、な…。」
「ハヤイ」は突然仲間がやられたショックで言葉が出ませんでした。ヒイロが考えた作戦は「カタイ」を岩壁にぶつけて倒すのではなく、岩壁にぶつけて動けなくなったところを、リョウスケの能力で凍らせて倒すというものでした。




