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第2部 第16話

「え~と、そう言えばウダくんが今回の怪物退治に参加してくれるとは思わなかったよ!ウダくんっていつも無難に怪物退治をこなしているイメージがあったからさ。やっぱりウダくんもヒデオさんに勝った怪物を倒してやろうと思ったの?」


場の空気を換えようとチカラがヒカルに今回の怪物退治に参加した理由を尋ねました。


「うん、まあ倒せたらいいかなって程度の気持ちだけどね。何せあのヒデオさんが倒せなかった怪物相手だから、参加するだけでも結構な報酬金がもらえると思ったからと、ヒデオさんが倒せなかったって言えばリョウスケさんとユイさんは参加すると思ったから参加を決めたんだ。最後はこの2人のどちらかが怪物を倒してくれると思ったからさ。」


「へ、へぇ~そうなんだ。」


チカラはヒカルがいろいろと計算して今回の怪物退治に参加しているのを知って、少し残念に思いました。チカラとしては「ヒデオが倒せなかった怪物を倒してやる!」というリョウスケやユイみたいな熱い理由で怪物退治に参加したのを期待していたからでした。


「ところで本当にヒデオさんに勝った怪物は来るんですかね?」


ヒカルがここにいるみんなが一番気になっていることを口にしました。


「そうだな。怪物がこいつのことを狙っているとしても、真っ先に狙ってくるかは分からないよな。まずどこかで暴れて自分のことを倒しに来させようとするかもしれないよな。」


「そうそう。それにこいつのことを狙うっていうのもコウイチが言ってるだけだし、本当かどうかも分からないしね。」


ヒカルの発言を聞いて、リョウスケとユイの2人も今回のヒイロを狙ってやって来た怪物を迎え撃つという作戦に対する疑問を言い出しました。


「コウイチさん、大丈夫なんですか?」


心配になったヒイロがコウイチに尋ねると、「大丈夫、心配いらないよ!」とコウイチは微笑みながら答えました。


「確かにヒイロくんのことを怪物が狙うっていうのは俺だけしか聞いていないから信じられないなら信じてくれなくてもいい。」


「へぇ~、じゃあどうすんの?怪物が来なかったら?」


「それは防衛省の怪物対策の人が動いているからたぶん大丈夫だと思う。もし怪物が別な場所で出たらすぐに俺に連絡が入るようになっているし、連絡が来たら俺が日本国内ならどこへでもすぐに連れて行くから安心してほしい。それに今から怪物を自力で探すよりも、俺の近くにいた方が怪物の所にすぐに行ける可能性が高いと思うぜ。」


「分かった、分かった。黙って待ってればいいんだろ!」


「分かってもらえてよかった。イトイとヒカルくんも納得してもらえた?」


「納得した。」「納得しました。」


コウイチの説明にリョウスケとユイは渋々ですが3人とも納得してくれました。

 

「ちょっといいですか?」


やっとおとなしく怪物が出るのを待とうという空気だったのに、チカラがその空気にふさわしくない大きな声を出しました。


「どうしたんだ、チカラくん?」


コウイチが真っ先に反応しました。


「すみません。でもどうしても言っておきたいことがあったので。リョウスケさん!イトイさん!ヒイロにはヒイロという名前があるんですから、こいつじゃなくてちゃんと名前で呼んでください!」


チカラの発言にみんな目を丸くしていましたが、一番驚いたのはヒイロでした。


「おい、何言ってんだよ!別にいいよ、そんなこと!」


「いや良くないよ、ヒイロ!ちゃんと僕が紹介しているんだからヒイロのことを名前で呼ばないのはおかしいよ!リョウスケさん!イトイさん!分かりましたか?」


「分かった、分かった。」「分かった。これからは名前で呼ぶ。」


「それならいいです。あっ!あと…。」


「何だよ!まだ何かあるのか!」


「はい。怪物が来た時に怪物と戦う人と怪物からヒイロを守る人を一応決めておいた方がいいかなと思って。」


「何で?怪物が来たらすぐにコウイチに遠くにワープさせればいいじゃないか?」


「それじゃダメです。ヒイロはここにいなくちゃいけないんです。ヒイロを狙って怪物が現れたとしても、ヒイロがここからいなくなったら怪物もヒイロを追ってっちゃうかもしれないじゃないですか。」


「怪物を逃がさないようにすればいいじゃないか!」


「コウイチさんの話だと怪物の内の1体はすごいスピードで移動するみたいですけど、それでも逃がさない自信はありますか?」


「分かったよ!要は怪物がここに留まるように、ヒイロを守りながら俺たちは戦わなきゃいけないってことだな!」


「そうです。」


「じゃあ、お前ら3人で守ればいいだろ!俺はヒデオに勝った怪物を倒すから!」


「何言ってんの!ヒデオさんに勝った怪物を倒すのは私!あんたはすっこんでなさい!」


「あぁ!」「なに!」


またリョウスケとユイが一触即発の雰囲気になりましたが、チカラが「まあまあ2人とも落ち着いてください。」と2人をなだめました。


「あぁ!元はといえばお前が余計なこと言いだしたからだろ!」


「そうそう!」


「怪物は2体いるみたいですから、お2人には戦ってもらうつもりでした。ウダくん、キミと僕でヒイロを守ろうと思うんだけどいい?」


「う~ん、まあいいけど。」


ヒカルは少し悩みましたが、チカラの提案を了承しました。

チカラはそれを理解していて、「もしかして怪物と戦ってみたかった?それならまだ可能性がないわけではないよ。もしかしたら怪物がリョウスケさんとイトイさんを無視してヒイロに向かって来るかもしれないし、2人ともやられた場合は僕たちが戦わなきゃいけないしさ。」と言って納得してもらおうとしました。


「そっか。そういうこともあるか。」


ヒカルはチカラの説得に納得したようでしたが、それに納得できない人たちが2人いました。


「おい、何ろくでもないこと言ってんだ!俺が負けるわけないだろ!」


「そうそう!こいつが負けることはあっても私は負けないから!」


「あぁ!」「なに!」


「ということでヒイロ、僕とウダくんでキミを守るから!」

チカラはもうあきらめたのか、リョウスケとユイを無視して話を進めました。


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