第2部 第13話
「随分と仲良くなったみたいだね?良かった。良かった。」
ヒデオの病室のドアを開けてムカイとコウイチが出てきました。
「ムカイさん、ヒデオさんは目を覚ましましたか?」
「いや、まだなんだ。でも、オサムくんのおかげで怪我は治っているからそのうち目を覚ますと思うよ。それよりも今は『ハヤイ』と『カタイ』という怪物の対応について話そう!」
「分かりました。それで対応策とかあるんですか?」
チカラが今一番気になることをムカイに質問しました。
「対応策といえるほどすごいものじゃないけど、『ハヤイ』と『カタイ』という怪物はチカラくんとヒイロくんを狙ってやって来るなら、いっそのことチカラくんとヒイロくんと他の能力を持った子たちを一ヵ所に集めて迎え撃とうというのが我々の考えなんだ。悪いけどその方が一般人への被害が一番少ないかなと思って。」
「確かにそうかもしれないですね。でも、自衛隊の人とかは来ないんですか?」
「残念ながら、自衛隊は役に立たないと思う。『カタイ』という怪物には分からないけど、すごいスピードで走る『ハヤイ』という怪物相手には自衛隊員が銃を発砲しても当たらない可能性の方が高いし、むしろ戦っているチカラくんたちの邪魔になると思う。」
「なるほど。でも、もしまだ目を覚まさないヒデオさんの方に怪物が先に来たらどうするんですか?」
「それは大丈夫!ヒデオくんには自分自身と触れている人の気配を消すことが出来る能力を持った子が守ってくれることになっているから。」
「そうですか。じゃあ僕たちはすぐに怪物を迎え撃つ場所に行った方がいいですね。」
「ちょっと待って!」
今まで黙っていたヒイロが話に割って入りました。
「僕を守ってくれる人はいるんですか?」
「大丈夫だよ、ヒイロくん。ヒデオくんほどではないけど怪物を何度も倒している子たちが集まっているから。」
「いや、それじゃ不安なんですよ。だったら僕もヒデオさんと一緒に気配を消していたいのですが。」
「ヒイロ、それは無理だよ。」
「え⁈何で?」
「怪物が確実に狙っていると分かっているのはヒイロとヒデオさんだけで、僕を狙っているというのは予想でしかないから、ヒイロとヒデオさんの2人を怪物が見つけられなかった場合、怪物は僕を狙わずに一般人を襲うかもしれないからだよ。」
「それは理解できるけど、いざという時戦えない俺を守りながら戦えるのか?」
「その時は僕に守られようとしなくても宇宙まで飛べるスピードでヒイロだけでも飛んで逃げちゃえばいいよ!知ってる?ロケットが地球の引力や重力を振り切る前に、地球に落ちてこないためにも秒速7.9キロメートルのスピードが必要なんだよ。つまりヒイロは秒速7.9キロメートルよりも早く飛べるわけだから絶対逃げられるよ!」
チカラの説明でヒイロは安心するよりも、いざという時にチカラたちを置き去りにして自分一人だけ逃げられるだろうかと余計不安になりました。そんなヒイロの不安を感じ取ってか、チカラは
「いいんだよヒイロ、僕たちのことを気にせず逃げても。むしろ僕たちがやられたことをムカイさんとかに伝える人がいた方がいいからね。」とヒイロを気遣いました。
ヒイロは自分も怪物が怖いはずなのにヒイロのことを気遣う発言をするチカラを見て、あることを決心しました。
「分かったよ!俺も行くよ!」
「ありがとうヒイロくん!じゃあ早速コウイチくんとチカラくんと一緒に他の子たちとの集合場所に向かってほしい。オサムくんはここで待機していて。」
「分かりました。」
「よしっ!じゃあ行こうか、チカラくん、ヒイロくん!」
「「はい!」」
ヒイロとチカラがコウイチの腕につかまるとパッとワープして他の子たちが待っている場所へと向かいました。




