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第2部 第12話

「なぁ、俺より若そうだけど、チカラは歳とか分かるのか?」


「彼は早川 (ハヤカワ・オサム)くん。キミたちより若い中学3年生だよ。」


ヒイロの声が聞こえてたのか、チカラではなくムカイがヒイロの質問に答えました。


「小学1年生の時に交通事故にあって、父親も母親もオサムくん自身も大けがを負ったところに光のぬしが現れたから、「どんなケガも直せる能力」を願ったらしいよ。ちなみに今のところ皮一枚でつながっている怪我くらいなら治せるってことが分かっているみたいだよ。」


「何でそんなことが分かるんですか?まさか人体実験をしたんじゃないですか?」


「違う違う!怪物が現れてケガをした人たちを治療していく中で分かったことだよ!」


「なるほど。怪物のおかげで調査材料には事欠かないってことですか。」


「そうなんだけど、その言い方はやめてくれないかな?」


ヒイロのとげのある言葉にムカイは委縮していました。


「はい。これでケガの方は大丈夫だと思います。ムカイさん。」


ハヤカワ・オサムがヒデオの腕から手を放してムカイの方を向きました。


「あれ?チカラさん。来てたんですね。あと…そちらの方は?」


「彼はソラ・ヒイロくん。昨日、ヒデオくんと同じく人型の怪物を倒した子だよ。」


オサムはチカラに質問しているようでしたが、ムカイが質問に答えました。


「へぇ~。そうなんですか!それはすごいですね!あっ!僕はハヤカワ・オサムです。よろしくお願いします!」


「ソラ・ヒイロです。よろしく。」


「ヒイロさんはどんな能力を持っているんですか?」


「俺の能力なんて大したことないよ。空を飛べるだけ、ただ…。」


「ムカイさん、連れてきました!」


そう言って病室に入って来たコウイチを見て、ヒイロはいつの間にかコウイチがヒデオの病室からいなくなっていたということを知りました。コウイチに続いて病室に入って来たのはエプロンを着た40代くらいの男女と学生服を着た女の子でした。


「「ヒデオ~!」」「お兄ちゃ~ん!」と言いながらヒデオに近寄っていたので、ヒイロはこの3人はヒデオの両親と妹だと分かりました。ヒイロはヒデオの妹とどこかで会ったような気がしましたが思い出せませんでした。


「それじゃあ、ヒイロくん、チカラくん、オサムくん、僕とコウイチくんでヒデオくんのことをご家族に説明するから、キミたちは病室の外で待っててくれるかな?」


ムカイに促されてヒイロたち3人はヒデオの病室から出ました。


ヒデオの病室を出るとすぐにオサムが「ヒイロさん。さっきヒイロさんの能力は空を飛べるだけだと言ってましたが、空を飛べるだけでどうやって怪物を倒したんですか?」と食い気味にヒイロに質問してきました。


「実は空を飛べるだけって言っても飛べる範囲が広くて、宇宙まで飛べるんだ。」


「宇宙までですか。」


「それで宇宙まで怪物を連れて行って、凍った怪物を宇宙空間に捨てて来たって訳。」


「へぇ~、すごいですね。宇宙空間に行っても平気なんて。」


「そ、そうかな?」


「はい!すごいですよ!」


ヒイロはずっとすごい能力を手に入れて活躍し、いろんな人からチヤホヤされてみたいと思っていましたが、今、たった一人の少年に能力を褒められただけで照れてしまい、思い描いていたようなクールな対応は出来ませんでした。


「いや、俺よりもハヤカワくんのほうがすごいよ!ケガを治せるなんてさ。きっと今まで多くの人のケガを治してきたんだろうけど、さっきは日本のヒーロー、ヒデオさんのひどいケガを治したんだからすごいよ!ハヤカワくんがケガを治してくれなかったら、ヒーローが不在の期間ができてしまって、多くの人が怪物に襲われたかもしれない。結果的にヒデオさんがこれから救う人をハヤカワくんが救ったといっても過言ではないと思うよ。」


「いやいや、それは過言ですよ。それに誰かを治療するというのなら僕よりもすごい人がいますよ!」


「え⁈それホント?ハヤカワくん!」


「ホントです。ホントです。あっオサムでいいですよ、ヒイロさん!実は怪物に襲われた人を治療する現場で見たんですが、お医者さんが患者の人に何かを注射していたんですよ。そしたら見る見るケガが治っていったんですよ!それで医者の人に聞いたら他言無用で教えてもらったんですが…。」


「え⁈他言無用なのに話していいの?」


「きっと大丈夫ですよ!だって本当は僕の能力も秘匿されているのにムカイさんがヒイロさんを連れて来たんですから。それに怪物退治している人たちはほとんど見たことあると思いますよ!」


「え⁈じゃあ、チカラも見たことあるの?」


「うん、僕もあるよ。でも僕は注射されているものが何なのかは知らないけど。」


「そうなんですか!実はその注射の中身は…ある人の血液なんです。」


「「血液?」」


「はい。何でもそのある人は難病にかかっていて、光のぬしにどんなケガや病気も治せる力を願ったらしいんですが、自分の病気は治せたらしいんですが他の人を治す方法が分からないらしいんです。僕の場合は相手の体に触れればいいんですけど。それで研究していくうちにその人の血液にケガや病気を治す力があるのが分かって、その人と同じ血液型のケガ人に血液を注射していたらしいんです。」


「へぇ~。それでどんなケガや病気も治るなんてすごいなぁ。」


「ですよね。惜しいのはすべての血液型で使えないってことだけですからね。」


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