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第2部 第11話

 ヒイロは世間でヒーローと呼ばれているヒデオがベッドに横になっているのが信じられず「ムカイさん、どういうことですか?ヒデオさんがケガをするなんて何があったんですか?怪物と戦って建物の崩壊に巻き込まれたんですか?それとも爆発に巻き込まれたとかですか?」と、まくし立てるようにムカイに質問しました。


「残念ながらどっちも違うよ。単純に怪物と戦って負けたんだ。」


「そんな…。」


ヒイロは辛い現実を受け入れられませんでしたがムカイに対して「それでチカラはともかく何で僕まで呼んだんですか?まさかヒデオさんが勝てない怪物と戦わせるために呼んだってことはないですよね?」と自分がこの場に呼ばれた理由を尋ねました。


「それについては僕じゃなくてコウイチくんから話してもらった方がいいかな。」


ムカイに促されてここまでほとんどしゃべらなかったコウイチがヒイロとチカラにこれまでの経緯を説明し始めました。


「チカラくん、ヒイロくん、ヒデオは『ハヤイ』と名乗る怪物と戦って負けたんだ。その怪物はヒデオのことを狙ってたみたいで、俺とヒデオがトレーニングに使っている山にまでやって来たんだ。『ハヤイ』という名前だけあって信じられないくらいのスピードで走ってヒデオを翻弄したんだ。それでキミたちを呼んだ理由だけど、『ハヤイ』が言うにはヒデオ以外で昨日出現した人型の怪物を倒した子を次に狙おうとしているみたいだから、国の怪物対策の人に連絡してヒイロくんと接触したって訳。」


「あれっ?でも、だったらなんでチカラまで呼んだんですか?」


「それは…。」


「それはきっと昨日ヒデオさんが人型の怪物を倒すのを僕が手伝ったからですよね?もしかしたら僕も狙われるかもしれないから。」


「その通りなんだ。しかも今日現れた人型の怪物は『ハヤイ』だけじゃなくて、『カタイ』という怪物もいたんだ。『カタイ』の方は黒い外皮を持っていて、アルマジロやダンゴムシみたいに球体になれる奴なんだけど、それ以上のことは分からないんだ。『ハヤイ』という怪物が名前の通り速く走れるんだったら、もしかしたら『カタイ』の方も体がすごく硬いのかもしれないけど。」


「ヒイロくん、チカラくん、コウイチくんの話を聞いて今置かれている状況は理解できたかな?」


ムカイが話を早く進めたいのか、コウイチに現状を説明させたら話を引き継ぎました。


「大体は分かりました。なっ!チカラ!」


「うん。でも、コウイチさんは国の怪物対策の人に連絡したって言ってたのに、何で僕たちの所に来たのがムカイさんなんですか?あと、僕たち2人が狙われていると分かっていて、ケガで動けないヒデオさんの所に集まっていたら、僕たちだけじゃなくてヒデオさんも危ないんじゃないですか?」


「確かにそれは気になるよね。まず僕が2人を呼びに行った理由だけど、国の怪物対策の人にキミたち2人と面識がある人がいなかったからなんだ。ほら、ヒイロくんは怪物退治をしたことがなかったから。でも、チカラくんは遭難者の捜索に来てくれたことが何回かあったから、僕はチカラくんと面識があったから選ばれたんだ。」


「でも、遭難者の捜索を担当している人が選ばれますか?」


「ああ、言ってなかったかもしれないけど僕はキミたちみたいな光のぬしに願い事を叶えてもらった子たちを管理する部署にいるんだ。だから、全く関係のない部署にいるわけではないんだ。遭難者の捜索の時に僕がいるのは、国や自治体が要請してキミたちみたいな子に能力を使用してもらう時は誰か役人が立ち会わなきゃいけないからなんだ。あともう1つの、ケガしたヒデオくんの病室に怪物に狙われている3人がいるのは危ないんじゃないかってことだけど、2人に今のヒデオくんの姿を見て警戒してほしかったからと、ヒデオくんのケガはもうすぐ治るからそういう心配はないから2人を連れて来たんだ。」


「もうすぐ治るってどうやってですか?」


ムカイの発言が理解できず、ヒイロは聞き返しましたが、チカラはヒデオの方を見て納得がいった表情をしていました。


「ヒイロ、とにかく見てれば分かるよ。」


「見てれば分かるったって、そんなの有り得ない…。」


ヒイロがヒデオの方へ視線をやると、さっき見た時よりもヒデオの顔色が良くなっているように見えました。


(どうなってるんだ?)

と思ったヒイロでしたが、少し考えるとある考えが浮かびました。ヒイロは肘でチカラを小突くと、「なぁ、もしかしてケガを治療できる能力を持った子がいるのか?」ボソッとチカラに尋ねました。すると、チカラは頷きながら「そうだよ。ヒデオさんの横をよく見て見な。ヒデオさんの腕を握っている子がいるから。」とヒイロの質問に答えました。

ヒイロが言われた通りヒデオの横を見てみると、医者や看護師に交じっていてパッと見は分かりませんでしたが、ヒデオの腕を掴んでいるヒイロよりも若そうな子がいました。


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