表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/133

第2部 第4話

 コウイチは怪物退治の要請があったらすぐにヒデオを連れてワープ出来るように、ヒデオの近くで椅子に座って持って来た新聞を読んでいました。


「ヒデオ、今朝の新聞読んだ?」


コウイチの問いかけにヒデオは動きを止めることなく、「いや、まだ読んでないけどそれがどうかした?」と答えました。


「昨日出現した怪物、全部で86体だったらしいんだけどその内の73体をヒデオが倒したみたいだよ。」


「そうか、もう40体ぐらい倒した後は数えるのをやめたんだけど、73体も倒してたか。」


「それで残りの13体は能力をもらった他の子たちが倒したみたいだよ。ヒデオが知っている子もいるよ。サイコキネシスみたいな能力を使う子や体を巨体化する能力の子とかね。」


「ああ、その子たちだったら覚えてるよ。あれ?でもそんな個人を特定できる情報が新聞に載っているのか?」


「ああ、それは新聞に載ってたんじゃなくて、俺がネットで調べたんだ。調べたらネットにその子たちが怪物を倒す動画がアップされてるのがすぐ見つかったよ。ホントは良くないことなんだけど。」


「確かに良くないな。あんまりそういう動画を見るのやめろよ!見る人がいるからネットにアップする奴らがいるんだから!」


「分かってるよ!ところでさ俺も聞く機会を逃したことを聞いてもいい?」


「いいけど、何?」


「ヒデオ小学5年生まで空手やってたって言ってたじゃん?今もトレーニングに空手の型をやってるのに、何で小学5年生でやめちゃったんだ?ヒデオだったらトップ目指せたと思うのに、もったいない。」


ずっとコウイチと会話しながらも型の練習をやめなかったヒデオでしたが、今のコウイチの質問には型の練習をやめて答え始めました。


「これ以上普通の人と一緒にやるのは無理だと思ったからだよ。」


「それってどういう意味?」


ヒデオの回答の意味を理解できずコウイチは再び質問しました。


「じゃあ逆に質問するけど、コウイチは何で俺が空手でトップを目指せると思ったんだ?」


「それはヒデオが光のぬしから叶えてもらった願いごとが『地球上で一番強くなりたい。』って願いごとだからだよ。地球上で一番強ければ空手の世界でトップになるなんて簡単じゃん!」


ヒデオの質問にコウイチが深く考えずに答えると、ヒデオはこぶしをギュッと握りながら話を続けました。


「確かに簡単だよ。俺が本気を出したら小学5年生の時でも大人ですら敵わなかっただろうな。だからやめたんだよ。小学1年生から続けていたけど、小学5年生になっても年下に負けるくらい弱かったから、光のぬしに深く考えずに『地球上で一番強くなりたい!』なんて願い事を叶えてもらったけど、それが間違いだったんだ!自分の力もまだ分かってなかったから願い事を叶えてもらった後の稽古で組手の相手をケガさせたんだ。」


ヒデオは思い出すのも辛いのか、ひどく苦しそうに言葉を発しました。


「えっ⁈」


「幸い俺が本気を出していなかったから大したケガじゃなかったんだけど、その時俺は思ったんだ、『これ以上空手をやるのは危険だ!人を傷つけたくなかったら空手をやめるしかない!』ってね。これが俺が空手をやめた理由だよ。」


「そうだったんだ。ごめん!気軽に『トップ目指せたんじゃない?』なんて言ったりして。」


コウイチはひどく申し訳なさそうに謝罪しました。


「別にいいよ。組手で相手をケガさせたってことを知らない人はみんな聞いてくるから。『どうして空手をやめたの?』って。」


「やっぱりヒデオだからかな?『地球上で一番強くなりたい!』なんて願いごとを叶えてもらえたのは。」


「どういう意味だよ?」


ヒデオはコウイチの発言の意味が分からず質問しました。


「実はさ、ある国の調査機関が調べたところによると8年前に光のぬしが現れた後で新しい独裁者が現れたり、富の分配が変わったりはしてないらしいんだよ。ヒデオや俺みたいに能力をもらった子が自分の国の独裁者を倒した例はあるみたいだけど。」


「つまりどういうこと?」


ヒデオはコウイチの発言の意図が理解できず単刀直入に質問しました。


「つまり光のぬしは願いごとをかなえてあげる子をちゃんと選んでいたんじゃないかってこと。適当に願いごとを叶えて回ったら良くない願いごとをする奴も出て来るだろ?ヒデオは自分の能力に気付いたら、ずっとやっていた空手をスパッとやめるくらい優しいから、光のぬしは『地球上で一番強くなりたい!』なんて願いごとでも叶えてくれたんじゃないかってこと。」


「そっか。だからコウイチもそんな便利な能力を叶えてもらえたんだな。俺の能力もそうだけど、コウイチの能力も悪用しようとすればすごいことが出来るもんな。そう考えると俺たちだけじゃなくて願いごとを叶えてもらった子全員に言えることだけどな。」


「そうだな。すごいことが出来ると言えば、こんなことを高校の後輩から聞いたんだけど昨日怪物を倒した子の中に空を飛ぶ能力しかない子がいたらしいんだけど、どうやって怪物を倒したと思う?」


コウイチは難しいクイズをヒデオに出しました。


「え?空を飛ぶことしか出来ないんだろ?う~ん。怪物をつかんで空高くまで飛んで落っことしたとか?」


ヒデオはコウイチの問いに単純に思いついたことを答えました。


「違う違う。俺も最初はそう思ったんだけど違うらしい。どうやら宇宙まで飛んでったらしい。」


「は?宇宙?」


ヒデオはコウイチの発言に驚きの声を上げました。

コウイチはその反応が面白いのか、笑みを浮かべながら説明を続けました。


「そう宇宙!怪物をつかんで宇宙まで飛んで、凍った怪物を宇宙空間に捨てて来たらしい。」


「宇宙まで飛べるなんて確かにすごいな!」


「ああ、宇宙まで飛べるのもすごいけど、宇宙空間に行って無事だったというのもすごいよな!宇宙空間には空気がないから、息もできないし、絶対零度だって言われてるし、生身の体で行って無事だったって言うなら、きっと宇宙空間でも平気でいられる能力ももらっているんだろうな。」


コウイチが興奮しながら話すので、ヒデオは少しそれが面白く感じて笑みを浮かべました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ