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第1部 第3話

 ツバサのこだわりが詰まった登場にいい加減うんざりしたヒイロが「ツバサ、いつも太陽を背にして現れなくていいって。」と言うと、「え?だって太陽を背にして登場した方がカッコいいじゃん!そう思わない?」と自信満々にツバサは答えたのでした。

「まぁ、確かに。ていうか真っ白い翼が生えてれば大抵のことは絵になるじゃん。」と、うんざりしていたはずのツバサのこだわりをヒイロが肯定した気持ちの奥底には(ツバサのことがうらやましい。)という感情がありました。ヒイロはツバサ、そしてチカラのことをうらやましく思っていたのです。


ここまで「ヒイロ」「チカラ」「ツバサ」の3人の少年を紹介してきましたが、彼ら3人だけが非凡な能力を授かった訳ではありません。彼ら3人が通う高校に在学する生徒のほとんどが非凡な能力の持ち主なのです。ヒイロたちが通う高校は「非凡な能力に目覚めた少年少女を管理する」という政府の政策の下に設立された高校で、8年前「君の願いごとを何でも1つ、叶えてあげる。」と世界中に突如出現した謎の光る物体に語り掛けられ、願いを叶えてもらった際、超常的な能力に目覚めた子供たちが所属する高校なのです。

そんな超常的な能力の持ち主が集まる高校に通うヒイロにとって、チカラとツバサの能力は特別なものでした。なぜなら「手を使わずにモノを動かせる能力」を使って数多くの人々を危機から救ってきたチカラには、能力的なコンプレックスをヒイロは強く感じているのでした。そしてヒイロはツバサが白い翼と整った容姿からモデル活動をしていることもあって、以前から「翼で空を飛ぶ」というツバサの能力にヴィジュアル的なコンプレックスを抱えていました。ヴィジュアル的なコンプレックスをツバサに、能力的なコンプレックスをチカラにずっと抱えていたヒイロは、自身の「空を飛べる」という能力を「2人よりもちっぽけな能力だ。」と感じるようになっていたのです。


「いや~。絵になるなんて僕ってそんなにかっこいいかなあ?」


「言っておくけど、翼の存在あっての話だから!すぐ調子に乗るなって!」


「冗談じゃん!そこまでムキになるなよ。ところでさ、2人は何の話をしてたの?」


「あぁ、ツバサはニュース見た?チカラが昨日、街に出現した怪物を倒したってニュース!」


ちなみに怪物というのは、3年前世界中に散発的に出現し大都市の多くに多大な被害をもたらし、人々を恐怖に陥れた存在です。怪物が出現した際は出現した国の軍によって撃退されることが大半ですが、戦闘にも使えそうな能力を持つ人たちが軍を手伝い怪物を撃退した例も数多く報告されています。


「倒してないよ!追い払っただけ!」チカラが強く否定しました。


「追い払ったのも倒したのも同じだって!今日も手伝うの?」


「今日は他の人が手伝う予定だよ。3日続けて怪物退治を手伝わせたって世間にバレたら、国民の政府批判がものすごいことになるでしょ。だから今日は休み~。」


連日続いた怪物退治の疲れが取れていないのか、チカラは眠たそうな表情で答えました。



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