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第1部 第28話

 ゴーッというロケットのような推進剤を燃やしたガスを噴出することもなく、どちらかと言うとスーッという感じでヒイロは怪物を羽交い締めにしたまま宇宙を目指して飛んでいました。ショウに言われて出来るような気がして怪物を連れて飛び立ったのはいいものの、数分もすれば不安感の方が強くなってきていました。一応ショウに言われた通り、ロケットと同じく東向きに飛び続けていましたが、いつまで経っても宇宙に近づいている感じがしませんでした。なぜならヒイロの知識でも宇宙には酸素がなくて気温もマイナス何十度以下にもなるということは知っていましたので、いつまで経っても息苦しくなることもなく寒く感じることもなかったため、宇宙どころかエベレストの高さにも達していないように思えたからでした。それにたとえ宇宙に行けたとしても、そんな環境でヒイロ自身が無事でいられるかという疑問もありました。


ですが宇宙に到達したか止まって確認する勇気はヒイロにはありませんでした。確認して宇宙に全然届いていなかった場合、今、羽交い締めにしている怪物をどうやって倒すか考え直さなくてはいけなかったからでした。それだったら宇宙に行けなくともこのままずっと飛んで、全国で出現した怪物を倒し終わるまで時間を稼いでヒデオみたいな怪物を倒す力を持った人にこの怪物を倒してもらおうとヒイロは考えていました。ヒイロは不安感と恐怖から飛び立った時からずっと目を閉じていましたが、ショウに「ロケットなら10分くらいで宇宙に到達するよ。」と聞いていたので、10分つまり600秒を数えたら怖いけど一度目を開けてみようと思っていました。


「…598、599、600。」とヒイロが600秒を数え終わり恐る恐る目を開けてみると、目に飛び込んできたのは空の青さではなくてほぼ真っ暗な世界でした。ヒイロは飛ぶのを止めて下を見てみると、地球をかなり上空から俯瞰した光景が見えました。今まで映像でしか見たことがない光景でした。


(ショウの予想が正しければ、これが上空100キロから見える景色か。)


ヒイロが感慨深げにしていると大事なことに気付きました。


(そうだ!もう宇宙なのに全然息苦しくないし、全然寒くない。「UFOのように飛べる」って能力は宇宙に行けるだけじゃなくて、ショウが予想した通り宇宙空間でも平気でいられるみたいだな。)


生きて宇宙に来られたことでヒイロは怪物のことをすっかり忘れていました。


(そうだ!怪物は?)とヒイロがやっと怪物に注目すると、マイナス何十度の空間に来たのでヒイロと違ってカチカチに凍っていました。ヒイロは羽交い締めをやめて手で怪物の体をコンコンと叩いてみましたが、怪物は完全に凍っていたのでピクリとも動きませんでした。


(良かった~!これもショウが予想した通りカチカチに凍ってる。後はこの怪物が地球から遠く離れる様にしてやればいいんだよな。)


ヒイロは怪物の体を両手で力いっぱい押しました。すると怪物の体はスーッと動いてヒイロから離れていきました。ヒイロはしばらく怪物が自分から離れていくのを眺めていましたが、怪物が動き出すこともなく遠くに行ったことを確認すると、来た時とは逆に地球の方へ飛んでいきました。


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