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第1部 第24話

 ヒイロが本当の能力をショウから教えてもらう40分ぐらい前、ヒイロたちの学校のグラウンドではサッカー部や陸上部、野球部などの運動部が活動していました。国はスポーツ推薦で入学した生徒たちに最高の練習環境を提供するため、部活ごとにグラウンドや、最新鋭トレーニング機器が設備されたジムを配置しました。


校内にいくつか存在するグラウンドの一つ、サッカー部のグラウンドに突然、雷が落ちたかのような衝撃が走りました。その場にいた生徒たちは何が起こったのか分からず動揺していました。しばらくしてグラウンド一帯を覆っていた煙が晴れたことでグラウンドにいた生徒たちは否応がなしに、雷らしき衝撃が落ちたところに黒一色の人型をしたナニカが立っていることに気付きました。


その黒い人みたいなナニカは身長が2メートルぐらいで、周りの高校生と比べると二回りぐらい大きさに違いがありました。最初は突然の出来事に理解が追い付かず呆然とする生徒がほとんどでしたが、1人の生徒が「怪物だ…!逃げろぉ~!」と叫ぶと恐怖心が伝播したのかグラウンドにいた生徒が一斉に逃げ始めました。悲鳴を上げて一目散に逃げる生徒たちが大半の中、(そんなに近づかなければ危険性はないだろう。)と考え、逃げずに怪物を見物する生徒や別のグラウンドから様子を見に来る生徒たちが現れ始めました。そういった生徒たちは(自分の能力で怪物を倒してやろう!)という野心を燃やしていたのです。ですが、チカラのように普段から怪物退治をしている生徒たちは、国からの要請でほとんどパトロールに出払っていましたので、今学校に残っているのは普段要請を断っている生徒や要請が来ない生徒たちなので、自分の能力を世の中の役に立てようという気がない生徒や元々怪物を倒せるような能力ではない生徒たちがほとんどでした。それでも怪物が現れて(この危機的状況を俺の力で何とかしてやろう!)と意気込んで、各々火を出したり水を出したりして、怪物を攻撃しました。


怪物は微動だにせず攻撃を受けていたので、初めは攻撃が効いているように見えましたが、実際は全く怪物には効いていませんでした。自分たちの攻撃が効かないとわかると、それまで攻撃していた生徒たちの中にも逃げだし始める生徒が出てきました。


その頃になると、最初に逃げだした生徒たちが校舎内にいた生徒たちにも逃げるように促して、騒ぎが起こっていました。チヒロの所属している美術部が活動している美術室にも、怪物から逃げるために校舎から出た方がいいのか、それとも校舎内に残っていた方がいいのか迷っている生徒たちの騒ぎ声が聞こえ始めていました。


「なんか騒がしくない?」


「うん。なにかあったのかな?どう思う、トモ?」


「う~ん。鳥たちの声かな?『逃げろ!逃げろ!』って声が聞こえる。あとそれに交じってなんか変な声も聞こえる。」


「ねぇ、ヤバいんじゃない?動物が『逃げろ!』なんて言ってるなんて。何があったか確認した方がいいんじゃない?」


美術部の生徒たちが騒ぎ始めていたところに、「サッカー部のグラウンドに怪物が現れました。まだ校内に残っている生徒は先生の指示に従ってください。サッカー部のグラウンドに…。」と、校内放送が流れました。


「か、怪物⁈」と校内放送を聞いた美術部の生徒が慌てふためいていると顧問の教員がやってきて「あなたたち今の放送効いたでしょ!早く逃げなさい!」と伝えると、怪物が現れたのが現実だと理解した美術部の生徒たちがパニックになる中、チヒロは落ち着いた口調で「逃げるって校舎の外に逃げるんですか?その方が危なくないですか?」と顧問に質問しました。


「大丈夫よ!怪物が出現して20分ぐらい経っているみたいだけど、能力がある生徒たちが協力して押さえこんでいるらしいの。だから今のうちに早く逃げた方がいいわ!特に能力のない子たちはね。」


顧問の説明によって、逃げ始める美術部員たち。だけどまだ危機感のない生徒たちは、顧問の言うことも聞かずに怪物を一目見てやろうとサッカー部のグラウンドが見えるところに向かいました。


「ちょっと、トモどこいくの?」


チヒロは性格上、こんな時危険を冒してまで怪物を見に行こうとするはずがない同じ美術部員で友人の犬山知(イヌヤマ・トモ)まで、怪物を見に行こうとする人たちと一緒に行ったので声を掛けました。


「ごめん!気になることがあるの!」


トモが真剣な表情をしていたので、チヒロはそれ以上トモを止めずに「ちょっと待って!私も行く!」と言って、一緒について行きました。


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