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第1部 第22話

「ありがとうございます。家に上げてもらった上にテレビまで見せてもらって。」


「いいのよ。私もニュースが見たかったから。」


ヒイロの家に上がる前に自分たちの学校に怪物が出たことを知ったショウとツバサは、家に上げてもらうとすぐに、ヒイロの母親に頼んでテレビのニュースを見せてもらっていました。


「なんかすごいことになってるね。47都道府県全てに1体以上の怪物が現れるなんて。」


「ああ。しかもこの状況じゃ俺たちの学校にユウキヒデオみたいな怪物を倒せる能力を持った人が来るのは遅くなるだろうな。」


「えっ⁈どうして?」


「考えてみろよ。世間一般では俺たちが通う学校には怪物を倒せる能力を持った生徒がいっぱいいると思われている。そんな場所をユウキヒデオが他の被害場所より優先して守ったら、その要請を出した国や自治体が世間からバッシングを受けると思わないか?」


「つまり、僕たちの学校は僕たちで守るしかないってこと?」


「そういうこと。しかも最悪なことに最近怪物が頻繁に現れているから、国がチカラを始めとした怪物を倒せる能力を持った人たちに怪物のパトロールを要請している。だから怪物を倒せる人がほとんど出払ってる可能性が高いな。残った人たちで現れた怪物を倒せるかどうか。」


「それじゃあ、だれが怪物を倒すの?」


「大丈夫。それには当てがある。だからどうしてもヒイロに出てきてもらわなきゃいけないんだ。」


.「えっ⁈その当てってもしかして⁈」


「そう。ヒイロだよ。おばさん!これからヒイロと話をしようと思いますが、いいんですよね?」


「ええ。大丈夫よ。」


「よし!じゃあ行こうか⁈ショウ!」


「あっ!ツバサはここで待っててくれない?まず俺とヒイロの二人で話がしたいから。」


「えっ⁈なんで⁈僕がいると邪魔?」


「邪魔というか、俺がかなり恥ずかしいかな。」


ショウは少し照れくさそうに言いました。それを見てツバサは(これ以上聞いたらショウに悪いな。)とショウの気持ちを察して「わかった。僕はここで待っているよ。」とショウの意見を聞いてあげることにしました。


「ありがとう。じゃあ行ってくる。」


そう言ってショウはヒイロの部屋に向かいました。


階段を上ってヒイロの部屋のドアの前まで来ると、ショウはヒイロに向かって話しかけ始めました。


「ヒイロ、久しぶり。こうして直接話すのは4日ぶりだな。お前は気が付いているか分からないけど、一応今日までに何十件もメッセージを送ってるんだぜ。なあヒイロ、お前がひきこもるようになったのは、日曜日に起こったことが原因だろ?ネットの書き込みなんか気にするなよ!ネットにそういうこと書き込んでいるやつらは別に叩ければ誰だっていいんだから。それが少しの間ヒイロが標的になっただけだよ。実際ヒイロに対する書き込みは減ってきているよ。どうしてかと言うと世間がもっと重大な危機に直面しているからなんだ。ヒイロ、お前は知らないかもしれないけど、今、日本全国に怪物が現れているんだ。そのうち1体は俺たちの学校に現れたらしい。しかもチカラみたいな怪物を倒せる能力を持った人たちは出払っていて、残った人たちで対処しなくちゃいけないんだ。だからどうしてもヒイロの力が必要なんだ。頼む!一緒に学校に行って力を貸してくれ!」


ショウはヒイロの力が今の状況で必要だと訴えて、ヒイロに部屋から出てきてもらおうとしました。だけどショウの訴えもむなしく「帰ってくれ!なんで俺がそんなことしなくちゃいけないんだ!」とヒイロは怒りを込めた声で返答してきました。


ですがショウは、(俺の話を聞いてくれたんだ!それならまだ説得出来るチャンスはあるはず!)と思い、ヒイロが返答してくれたことを喜びました。


「大体学校の奴らだって俺のことを馬鹿にしていたのかもしれないのに、なんで俺が助けるのを手伝わなきゃいけないんだよ!」


「確かにヒイロの言う通り、ヒイロのことを馬鹿にしている奴もいるみたいだけど、全員ってわけじゃない!その証拠に『ネットの書き込みなんか気にしないで!』ってヤハギさんが心配してたぞ!」


「ほら…俺のことを心配してくれる人なんてそんなにいないんだ。その証拠に声を掛けてくれたのはヤハギさんだけなんだろ?それにヤハギさんだって本当に心配してるかどうか…分からないよ。」

それまでの怒りが込められた声ではなく、悲しみを感じる声でヒイロは答えました。


「そんなことない!本当に心配していたよ!俺にはわかる!」


「どうしてわかるんだよ?」


「それが俺の…俺があの日もらった能力だから。」


「えっ⁈どういうこと⁈」


ヒイロはショウの発言に驚きの声を上げました。するとショウは1度深呼吸をしてから意を決して話し始めました。


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