第81話 新たなる旅立ち
馬車をカスタマイズしたので今日からは、本格的に天索者として活動出来る。
しかもカスタマイズしたせいで手持のお金がほぼ底をついてしまったのでとにかく稼ぐ必要がある。
「メルエ、それじゃあ今日は、いつもより少し遠くまで行ってみよう。モンスターの被害が多いところを中心に回ってみよう」
「はい、わかりました」
早速ルシェルと一緒に馬車に乗り込んで、出発する。
やはり昨日までとは違う。揺れが無いわけではないが十分に我慢が効くレベルに落ち着いている。
これならいける。
出発して30分ほどが経過したが、大丈夫だ。
「ルシェル、そろそろ『フィールドサーチ』を頼むよ」
「はい、おまかせください『フィールドサーチ』」
「どうかな。モンスターは、いたかな」
「はい、こちらの方向にしばらく行くといつもよりも少し大きな反応があります」
いつもより少し大きな反応か『フィールドサーチ』がどんな感じなのかはわからないが、少しは強いモンスターだと良いな。
馬車なので目的地まではすぐに着いてしまったが、前方に見えるのは確かに今までよりは大きい。
あれはオーガか?
「ファルエル様、オーガですよ。私初めて見ました。さあお願いします」
メルエのノリが変な感じになってきている気がする。
ちょっと前まではきゃ〜きゃ〜騒いでいたのに、今は珍しいものを見れて嬉しいかの様な振る舞いだ。
まあ天索者としての行動に慣れてきたと言えば慣れてきたのかもしれない。
「3体しかいないのか。近くにに群れとかいないかな」
「ファルエル様、後でもう1度『フィールドサーチ』してみます」
「うん、じゃあお願いするよ」
敵はオーガと言うだけあって名前の似ているオークの倍ぐらいの大きさがある。特徴としては額から角が生えており筋肉質なので力はありそうだ。
「それじゃあ今日はこれで行ってみるよ『アシッドフィール』」
本来の『アシッドフィール』は敵の周辺に猛毒を含む空気で包み絶命に追いやる魔法だが、発動とオーガ3体の周りに雲の様な物が現れたと思ったらそのままオーガはは消え去ってしまった。
「ファルエル様、さっきのは溶けたんでしょうか?」
「う〜ん多分そうじゃないかな」
毎度の事だが本来の魔法とは全く違う効果が発動するので実際に戦闘で使ってみないとよく分からない。
オーガもよくみると魔核が残されているので転移したわけでは無く、消滅した様なのでおそらくはメルエの言う通り溶けたのだろう。
しかし全く戦った感が無い。やはり3体では訓練にすらならないので、もっと強いモンスターかもっとまとまった数で出現して欲しいところだ。
「メルエ、じゃあお願い出来るよ」
「はいわかりました『フィールドサーチ』ファルエル様やっぱり、あっち側に群れがいる様です。オークの時と同じぐらいだと思います」
「そう、じゃあすぐに向かおうか。メルエ頼んだよ」
オークと同数程度でも50体ぐらいは見込めそうだ。
流石に『アシッドフィール』1発でオーガ50体が溶けて無くなってしまうということは無いだろうから、今度こそは存分に戦いたいと思う。
それにしても、移動距離が伸びたとはいえ、すぐにオーガの群れが見つかるとはモンスターってこんなに一杯いる物なのだろうか?
天界はもしかして魔界よりもモンスターが巣くっているのか?
それともパパも言っていた様に最近急に増えたのだろうか?
いずれにしても俺が倒すべき敵には違いないので数は多ければ多いほどいい。
とにかくルドの引く馬車で移動しても、問題無く戦闘出来た事は本当に良かった。
これからどんどん討伐しに回りたいと思う。
まずは、オーガの群れだな。
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