第79話 馬車とルシェル
投稿をまた間違えてしまいました。
すいません。
なんとか馬車で家まで帰って来たが正直お尻がジンジンする。
お尻だけならまだ我慢出来るが揺れが酷すぎる。硬質な揺れがダイレクトに来すぎて辛すぎる。
1番安くて簡素な車を買ったが座るところだけはもっと良いのにすれば良かった。
この馬車に必要なのは柔らかい座席だ。もちろんそれだけで全てが改善されるとも思えないがとにかく座席の改造だけは必須だ。
その日俺は家の中から必要の無さそうな布をかき集めて馬車の座席のクッションに充てることにした。
もちろん俺の分とルシェルの分だ。
次の日になり、ルシェルも乗せてモンスターを倒しに行く事にした。
「ルシェル、この馬がルドだよ。おとなしい馬だから仲良くしてやってね。それとこの馬車一応クッションは昨日敷いておいたけどそれなりに揺れるから、我慢してね」
「はい、わかりました」
「それじゃあメルエ、今日は初日だから近くから行ってみようか」
3人で馬車に乗り込みメルエがルドを走らせ始めた。
おっ、昨日よりは良いかもしれない。お尻の硬質感が和らいでいる気がする。
走り出した時はそう感じていたが、それは間違いだった。
5分もしないうちに、昨日とほぼ同じ感じになってしまった。
お尻は痛いし揺れが酷くて気持ち悪くなって来た。
「ルシェル、だいじょうぶ?」
「はい、少し揺れますがだいじょうぶです」
「本当にだいじょうぶ?無理してない?」
「はい、全然大丈夫です」
嘘だろ。ルシェルの顔を見る限り本心で言っている気がする。
なんで大丈夫なんだ?
そこから更に10分ほど走らせ、最初のゴブリンを発見する事が出来たが、俺は既に限界突破を果たしていた。
「ファルエル様、ゴブリンですよ。頑張って下さい」
「う、うううっ。メ、メ、メルエ………‥む、むり」
「ファルエル様無理って何ですか?ゴブリンとはいえモンスターです。舐めてかかってはダメですよ」
「い、いや舐めてるわけじゃない。うっ………気持ち悪い」
「ファルエル様ゴブリンが気持ち悪いのは今に始まった事ではありません」
「そ、そ、そうじゃないんだ。馬車にやられたんだ。酔った………。ぼくにはむりだ」
「え、じゃあどうすればいいんですか?ゴブリンはすぐそこですよ」
「メルエ………たのんだよ」
これはダメだ。目が回る。そしてひたすらに気持ち悪い………
「メルエさん、わたしもフォローします。2人で頑張りましょう」
あれ?ルシェルはどうして大丈夫なんだ?
俺と同じ状態じゃないのか?
何で……
「わかったわルシェル。防御は頼んだわよ」
「はい、まかせてください」
「それじゃあゴブリンいくわよ『エタニティレイン』」
ゴブリンに向けてメルエが魔法を放ったのは何となく分かった。
「グギャアア〜」
遠くで、ゴブリンの叫び声が聞こえているような気がする。
意識が遠のいてしまうが、ここで倒れるわけにはいかない。
「ロックシールド」
「ルシェルやるわね。『ウィンドカッター』」
戦況は分からないが、きっとルシェルとメルエなら大丈夫‥だろう。
悪魔の時よりも馬車に対する耐性が著しく下がっているのか?
いやこれほど硬質な揺れを感じた事はなかったのでやはり馬車の問題なのだと思う。
しかし、一緒に乗って来た2人共普通に戦えている………
情けない……
しかし今回の感じだと訓練でどうにかなるレベルを超えている気がする。
このままでは、どうにもならないので、これが終わったら改良してもらえるようにお店に直行しよう。
「ファルエル様、やりましたよ。ゴブリンを倒せました。ルシェルがいたので思ったより上手くやれました」
「わたしも、ゴブリンと戦ったのは初めてだけどお役に立てて良かったです」
「あ、ああ2人共ありがとう。助かった……よ」
この場は2人のおかげで無事に乗り切れたようだ。
2人には感謝しかない。
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