第76話 オークジェネラル撃退
両足を斬りつけられたオークジェネラルは動きを止めて、岩を落としてくる事に集中しようとしているが、完全にルシェルの『ロックシールド』に防ぎ切られている。
完全にオークジェネラルの攻撃力よりもルシェルの魔法による防御力が上回っている。
俺も仕留めにかかろうと思うが万全を期して先に左足にとどめをさしておきたい。
俺は再び間合いに入り込み、オークジェネラルの左脚に斬りかかるが、オークジェネラルも反応を見せ斧で剣を弾こうとしてくる。
流石にまともに打ち合えば、4歳児の俺が打ち負けるので剣の軌道を変えて避ける。
一撃の威力は圧倒的に負けるがスピードはこちらが上なので避けて即座に2撃目を放つ。
「グガアアアアアア〜」
左脚に2撃目を加える事に成功したので、先程までの攻撃と合わせて完全にオークジェネラルの脚を潰す事に成功した。
怒り狂ったオークジェネラルが愚かにも力に任せてこちらに向けて斧を振り回して来た。
先程よりも更に大振りになった攻撃は避け易く、避けた瞬間右腕に向かって斬りつけたが、まるで木にでも斬りかかったような硬い抵抗を感じた。
「硬いなぁ。どうやったらこんなに硬くなるんだろう。ぼくもまだまだ鍛え方がたりないみたいだな〜」
「ファルエル様、何を悠長な事を言ってるんですか、もっと集中してください」
オークジェネラルと相対して分かるが、俺の欠点は圧倒的な軽さだ。体重が軽いのと筋力が足りないせいで攻撃の威力が足りず軽い。
スピードと剣技は十分通用している。もしかすると今の段階で悪魔の時と同等以上に振れているかもしれない。
明日からは、筋力アップのために素振りの回数を増やそうと思うが、素振り用の剣を今の物よりも重い物にする必要がある。
いろいろ考えているうちにオークジェネラルが片手で攻撃を繰り出してきたが、上段の状態では俺の剣が届かないので、振り下ろされる瞬間を待って手首に向かって斬撃を加える。
流石に手首には筋肉の鎧は存在せず、手首の腱を切断する事に成功した。
オークジェネラルは重量のある斧を支えきれずに落として完全に丸腰となった。
やはり魔法で一気に叩くのも良いが、剣で時間をかけて倒すのも楽しい。
前世で勇者に剣で倒されたトラウマもあるのでその克服のためにも良いと思う。
「じゃあ、楽しかったけどそろそろ終わりにするよ」
「ブギャアアア〜!」
オークジェネラルは最後の咆哮を上げるが無視して、ガラ空きの胴体に斬りかかるが、防具に防がれ剣が通らない。
「こまったな。どうしようかな〜」
このままでは何度斬り付けてもこの鎧を突破出来そうに無かったので、俺は一旦後方に下がってから一気に加速してオークジェネラルの手前で飛び上がってそのまま剣をオークジェネラルの首元に叩き込んだ。
勢いをつけた渾身の一撃だったが命を刈り取ることは出来なかった。
オークジェネラルが斬られた痛みで膝を折ったので、届くようになった頭部に一撃を加えて倒す事に成功した。
危なくは無かったが結構苦戦してしまった。
「メルエ、ルシェル終わったよ。結構強かったよ」
「ファルエル様さすがです」
「ファルエル様、オークジェネラル相手に結構強かったで終わらす事ができる4歳児がどこに居ると思ってるんですか?しかも戦いの最中ずっと楽しそうに笑っていましたよ」
「そうかな。やっぱり剣はいいね。魔法と違って戦ったかんじがするよ」
「やはりファルエル様には覇を唱えてもらうしか無いようですね」
「それはそうと、このオークジェネラルって何かの素材になったりするかな」
「どこをどう見ても素材にする部分なんかありませんよ」
「そうだよね」
「この斧と防具は溶かして素材ぐらいになるかもしれませんね」
「そうか、じゃあルシェル一応これを持って帰ってね」
「はい、分かりました」
流石にこの醜悪なモンスターが素材になる事は無さそうだが今日はオークも50体以上倒せた上に剣の実践もつめて楽しかった。
もっと上位のモンスターも剣で倒せるように修練を積んでいきたい。
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