第72話 パパからのお礼
今迄の稼ぎを全部足すと13000ガルになった。
まだ、目標の額には足りないが、かなり良いペースだ。
家に帰って来たパパが
「ファルエル、今日聞いたんだが、ゴブリンの集落を潰したんだって?それもゴブリンロードまで。流石だな!パパもファルエルにお礼を言わないといけないんだ。ゴブリンは領民に被害を与えるから、それを未然に防いでくれたファルエルに感謝だよ」
「メルエとルシェルも一緒だったからね」
「そうか、それはメルエとルシェルちゃんにもありがとうだな」
「ぼくは自分の目的のためにやったんだけど、それがみんなの為になったんなら良かったよ」
「それが、最近モンスターの数が増えているような気がするんだよ。この所、モンスターによる領民の被害が増えているんだ」
「それは大変だね。ぼくも出来るだけモンスターをいっぱい倒すように頑張るよ」
「ああ助かるよ。領民の中には対抗手段を持たない者も結構いるからな」
少し考えればわかる事だったが、モンスター退治は突き詰めて行けば、最終的に領民の為になる事だった。だから天索者としての報酬も支払われるのだ。
つまり、俺がモンスターを倒せば倒す程、領民の被害を未然に防いでいると言う事になるのだ。
ただでさえ楽しいモンスター狩りに新たなモチベーションが加わってしまった。
明日からもどんどんモンスターを狩って行きたい。
夕飯の時間になったので家族で食事をとる。
「ルシェルちゃん、今日はいっぱいモンスターを倒したみたいじゃ無い。すごいわね〜」
「いえ倒したのは、ぜんぶファルエル様です。私はすごくないです」
「ルシェルが探知してくれるおかげでいっぱい倒せたんだよ。ルシェルも十分すごいよ」
「そうよね〜。ルシェルちゃんはもっと凄くなると思うわ〜。ファルエルちゃんは、もう十分すごいけど、もっともっと凄くなると思うわ」
「そういえばパパ、領民の被害が増えてるって言ってたけど、場所をメルエに伝えておいてもらっても良いかな。明日から回ってみようと思うんだ」
「そうか、それじゃあ、それほど遠くない地域から選んでメルエに伝えておくよ」
パパに被害が多いエリアを聞く事にしたので明日からはもっと多くのモンスターに遭遇できるかもしれない。
もちろん領民の安全にも貢献したいと思っている。
次の日になり、メルエとルシェルの3人で出発する事にした。
「メルエ、パパからモンスターの被害が増えている場所を聞けたかな」
「はい。本当はもっと遠いエリアでも該当する所があったようですが、私達が徒歩での移動なので比較的近い場所を教えていただきました」
「そうか、もっと遠くに行ける方法があれば良いんだよね。メルエは馬に乗れたりするの?」
「はい。学校でも授業でありましたし乗馬する事はできます。でも3人で一緒に乗るのは無理ですよ」
「ううん、ぼくは1人で乗れるからルシェルを一緒にのせて貰えば大丈夫だよ」
「ファルエル様、4歳児を1人で馬に乗せるバカがどこにいると思っているのですか?ファルエル様に何かあれば一大事なんですよ。ファルエル様は少し自覚がありませんね。将来の覇帝に何かあれば私は生きては行けませんので、決して無茶はダメですよ」
メルエ、将来の覇帝っておかしいぞ。俺はただの4歳児で未来の領主だ。間違っても覇帝では無いぞ。
「それじゃあ、無茶をせずに大丈夫な方法って無いのかな」
「魔法で移動する方法もありますが私は使えません。ファルエル様は使えますか?」
「ぼくは使えないよ」
「それでは、子供が2名いるのですから現実的には馬車でしょうか?」
「馬車か〜。メルエ馬車を扱う事が出来るの?」
「少し練習すれば大丈夫だと思いますよ」
今後天索者としての活動を続ける為には移動手段が必要になると思うので、移動手段として馬車を中心に検討していきたいと思う。
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