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第58話 ママとルシェル

「それは本当ですかお父さん」


「ああまず間違いないだろうな」


「そうですか、それはまた大変な事にならなければいいのですが」


「ファルエルがついておるのだ、全く問題は無いだろう」


パパが帰って来てからグランパはルシェルの話をパパにもしたようだがもちろん俺には何の話も無かった。

次の日になりルシェルはママに魔法を習うために俺とは別行動をする事になった。


「ルシェルちゃん、今日から私が魔法を教えてみるわね。ルシェルちゃんの適性がまだ分からないからまずは基礎的な魔法をいくつか憶えてもらおうと思うんだけど、どんな魔法が使ってみたいとかはあるかしら?適性と同じぐらい、自分がどうしたいかって言うのが大事だから」


「はい。私『ホーリーアーク』が使える様になりたいんです」


「ルシェルちゃん『ホーリーアーク』は便利な魔法ではあるけど1番に憶えたいって言う子は珍しいんだけど、どうして『ホーリーアーク』を使える様になりたいの?」


「それは、ファルエル様のおやくに立ちたいからです。ファルエル様が捕まえた動物や素材を持って帰るためです。攻撃魔法はファルエル様がすごい魔法を使えるので、わたしはファルエル様の力に少しでもなりたいんです。だから、わたしはファルエル様のお役に立てる魔法を使えるようになりたいんです」


「あら〜。ファルエルちゃんはなんて幸せなのかしら。ルシェルちゃんにこんな風に思って貰えるなんて。それじゃあちょっと難しいかもしれないけれど『ホーリーアーク』を最初に練習してみましょうね。そうね後は、回復と防御を中心に練習しましょうか」


「はい。よろしくお願いします」


「魔法を発動させる為の要素はいくつかあるんだけど、まず魔力操作がきちんとできること。それと魔力量。

次に適性とイメージそして詠唱による発動の練習ね。魔法がうまく発動しない場合はこのうちの1つ以上が問題がある場合が多いの」


「それじゃあ、今のわたしは全部ダメですね」


「そんなことないと思うわ。魔力操作は間違いなく才能があるし、魔力量も少ないとは思えないもの。適性はまだ分からないけど、イメージと詠唱の練習は私のを見ながらやれば絶対にできる様になると思うの。ルシェルちゃんが目指すのは最高の補助魔法使いね」


「はい。がんばります」


「それじゃあ魔力操作の練習をしようと思うんだけど」


「それは先日からずっとしているので少しだけスムーズにできるようになってきました」


「そうなのね。少し触るわね」


「はい」


「そうね〜ルシェルちゃん、魔力操作はね教えなくてもいいみたい。この前よりずっと良くなってるわ。このまま続けていれば何の問題もないわね。それにしてもやっぱりルシェルちゃんすごいわね〜。こんなにすぐ出来ちゃうのはファルエルちゃん以外見たことないもの。もしかしたら天界で2番目にすごくなっちゃうかもしれないわね」


「そんな……わたしそんな凄くないです。今はひとつも魔法を使えないので少しでも早く使える様になりたいだけなんです」


「ルシェルちゃん、全然焦らなくていいのよ。ルシェルちゃんの歳から魔法を憶えるのは普通なのよ。それにルシェルちゃんならすぐに同じ歳の子達を追い抜いちゃうわよ。私が保証しちゃうわ」


「ルファーリエ様……」


「これからは私たちは家族だから一緒に頑張っていきましょうね」


「うううぅぅわ〜ん」


「ファルエルも私達もこれからはルシェルちゃんの事をしっかり守っていこうと思っているからね。安心してここで暮らせばいいのよ。今まで辛かったと思うんだけど、ゆっくりここの生活にも慣れてくれればいいからね。ファルエルのサポートもゆっくりでいいのよ。だってファルエルちゃんだから何の心配もいらないわよ、ね」


「ぐすっ……はい。ありがとうございます」

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