第48話 天索者登録
天索者ギルドの受付まで案内してもらいメルエが手続きを始める。
「年齢と名前と住所をこちらの紙にご記入ください。それと登録料として500ガル頂きます」
「ファルエル様、500ガルも必要だそうです。やっぱりやめましょう」
「メルエ、500ガルは持ってないの?」
「一応今日はルシェルの買い物をする事に決まっていたので多めに頂いておりまして、何とか500ガルあるのはあります」
「うん、じゃあおねがい」
「ファルエル様本当によろしいのですか?ルファーリエ様に怒られませんか?」
「うん怒られるかもしれないけど、これはどうしても必要な事だから。僕がママにお話しておくよ」
「そうですか。わかりました。それではお願いします」
「かしこまりました。天索者にはこの様な小さな玉のついたネックレスをお渡しします。登録して頂きますとこのネックレスに個人情報が記録されます。『ベルム』と唱えて頂きますと、天索者としての情報が表示される様になっております。依頼を受けた仕事の情報や達成状況、それまでの累計情報などが表示されます。ギルドからの依頼達成の場合、そのネックレスの情報を見させて頂きますので、内容により報酬をお支払いいたします」
いくつか確認しておかなければならない事があるので質問する。
「すいません。質問いいですか?」
「はい、何でしょうか」
「もしもの話なんですけど、このネックレスの持ち主以外の隣にいた人がたまたま敵を倒したりしたらどうなりますか?」
「そうですね。もしその隣の方がネックレスをお持ちでしたらその方に記録されますが、お持ちでない隣の方が倒された場合、ネックレスをお持ちの方に記録されます。余り遠くにいる場合は記録されませんが、大体、半径20メードぐらいまでは記録されます」
「そうですか。ありがとうございます」
これで俺がメルエの近くで敵を倒せばメルエのネックレスにしっかりと記録される事になる様なので、目的を達成できそうだ。
「もう一ついいですか?天索者のおしごとはどんなのがありますか?」
「そうですね。街の中での雑用から、商取引の警護や、魔獣、モンスターの討伐等が主なお仕事になりますね」
「それじゃあ、その中でいっぱいお金をもらえるのはどれですか?」
「その時々によって変わりますが、魔獣やモンスターの退治ですね」
「それじゃあ、どんなモンスターでも倒してくればいいんですか?」
「そうですね。どんなモンスターでも討伐していただければ、モンスターの強さに応じて報償金が支払われますが、特に依頼が入っている場合は上乗せになります」
「魔獣とかモンスターは素材として売れたりしますか?」
「種類によっては別途買取ができる場合があります」
「天索者にはランクとか等級はありますか」
「はい。ランクによって受けられる依頼が変わってくる場合もあります。ランクが上がると指名依頼が入る場合もあります」
「そうですか。ありがとうございました」
「それにしてもそちらの坊ちゃんは、本当にお利口ですね。お姉さんがお仕事するのが心配なんですね」
「そうですね。そんなところです。これからもお姉さんと一緒に来ると思いますのでよろしくおねがいします」
俺は丁寧に説明してくれた受付の職員に向かってしっかりとお礼を言っておいた。
恐らくこれから何度もお世話になると思うので仲良くなっておいて損は無いだろう。
「メルエ、じゃあ早速行こうか!」
「いえファルエル様、今日はもう帰りますよ。今から行ってたら遅くなってしまいますよ」
気がはやってしまい、時間の事を忘れてしまっていた。
明日からしっかり天索者として頑張ろう。いや、あくまでも、天策者となったメルエに頑張ってもらおうと思う。俺は、おまけの子供にすぎないのだから、メルエの手伝いを頑張る事にする。
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