第42話 買い物
パパにも認めてもらったのでルシェルは家に住むことになった。
ルシェルはまだ緊張している様だったが、まあそのうち慣れるだろう。
きっとグランパ達もルシェルを家族の様に迎えてくれると思う。
今日はいろいろあり、気疲れしたのかルシェルが眠そうにしていたので今日は早めに寝てもらうことにした。
次の日になり
「メルエ、ママから聞いてると思うんだけど、街へルシェルの服を買いに行こうと思うんだよ。一緒に行ってもらえるかな」
「はい、もちろんです」
「それじゃあルシェルも一緒に行って選ぼうよ」
「私は、服なんかなくても大丈夫です。今まで着ていたのを洗って使えばいいので」
「う〜ん。ものを大事にするのは良い事だけど、あれはね、もう十分に使ったよ。服も、もういいよって言ってる」
「そうでしょうか。でもお金が・・・」
「うん、心配いらない。ルシェルには家の掃除をこれから毎日してもらう事になるからね。あと妹のシルフィールのお世話も僕と一緒にお願いするから。これからのルシェルの仕事だよ。そのかわり家での生活は心配しなくていいよ。お金の心配はしなくて大丈夫だからね」
「はい。ファルエル様・・・・ありがとうございます」
ルシェルが瞳を潤ませてこちらを見てくる。どうやら俺は女の子の涙が苦手のようなので早く買い物に行こう。
「それじゃあ行こうか」
3人で街に向かって歩いて行く。
「メルエ、服屋さんがある場所知ってるかな?」
「はい大丈夫ですよ」
「僕はよくわからないから、メルエに選んでもらっていいかな。とりあえず3着ぐらい有ればいいと思うけど」
「はい。それと下着も必要ですね」
「ああ、そうか。さすがはメルエだね。僕は全く頭になかったよ。危なく下着無して服だけ買うところだったよ」
「ふふっ。ファルエル様ももう少し大きくなったら、女性の下着にまで気が回るようになるかもしれませんね」
どう言う意味だ?馬鹿にされているのか?嫌味を含んだ感じでもないので悪意はなさそうだ。
30分程歩いて街に入り、メルエの案内で服屋さんまで到着した。
「それじゃあ2人で選んで来てよ。僕は外ででも待ってるから」
「ファルエル様、それはいけません。お一人にすることはできません」
「あの、ファルエル様も選んでもらえると嬉しいです」
女性用の服屋さんなどに入った事がないので、何か気恥ずかしい感じがするが、こう言われると仕方がない。一緒に店の中に入る事にする。
「いらっしゃいませ。どのような服をお求めでしょうか?」
「この子の服をお願いします」
「可愛いお嬢さんですね。それではいくつかご用意させて頂きます」
そう言うど店員さんが女の子用の服を何着か持ってきてくれた。
「それじゃあ、着てみてよ」
「はい」
ルシェルが服を順番に試着していく。
おおっ。女の子の服を着ると、ルシェルは正しく女の子だ。
どうして昨日は女の子だと気がつかなかったのだろうか?俺はまだ天使を見慣れていないのかもしれないな。
「ファルエル様どうでしょうか」
「うん、いいんじゃないかな」
5〜6着用意されているので順番に着用してがらお披露目してくれる。
「ファルエル様いかがでしょうか?」
「うん、いいんじゃないかな」
「ファルエル様いかがでしょうか?」
「うん、いいんじゃないかな」
「ファルエル様いかがでしょうか?」
「うん、いいんじゃないかな」
「ファルエル様・・・ルシェルちゃん。ファルエル様に悪気はないのです。私が選んであげますね」
「はい。ありがとうございます」
一体何だ?
何か俺が悪いことをしたような言い方だな。
服がどうかと聞かれたので、思った通り、良いと思ったから良いと答えたのに何の問題があるんだ。
ルシェルにはどの服もすごく似合っていると思うので、正直どれを選んでも問題ないと思うのだが、何が問題なんだ。やはり俺に女の子の服を選ぶのは無理があったようだ。
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