第11話 聖翔の儀
本日2話目です。
よろしくお願いします。
以前パパとグランパの言っていた聖翔の儀を受ける日がやって来た。
俺の1歳の誕生日と同時に行った事のない所に連れて行かれて、偉そうな天使2人の前に座らされた。
そしてその2人の天使がブツブツと聖句のようなものを唱えると周囲が大きく光ってそのまま光が収束した。
「この子は一体・・・」
「こんな事は初めてですね」
「神官天使殿どうかしたのですか?」
俺の儀式に何か異変があったのか、戸惑った感じの2人に対して俺のパパが問いかけた。
「いえ、ラファルエル様、ファルエル様の聖翔の儀は滞りなく修了いたしました。ただ、ファルエル様の色は無色でございます」
「何?色が無かったということか?そんな事あるのか?」
「いいえ、色がないのではありません。無色がファルエル様の色なのでございます。こんな事は初めてでございます。色が無ければ、才能が無いと断じる事も出来るでしょうが、色が無いのでは無く無色なのでございます」
「すまん。色が無いのと無色の色があるのは、何が違うんだ?」
「はい。今までも聖翔の儀で色が無い子供はそれなりにいました。それぞれ、通常の能力からはかなり劣った者たちでした。しかしファルエル様は色が無いのでは無く、明らかに色はございます。ただ無色なのでございます。聖魔力も見て取れますが、1歳の段階でこれ程までに濃い密度の聖魔力を持たれた子供を私は見た事がございません。私も既に数千人以上の聖翔の儀に立ち会ってまいりましたがこんな事は初めてでございます。今の段階で滅多な事は申しあげられませんがファルエル様は将来特別なお力を発揮されるかもしれません」
「おおっそうか。やはり僕のファルエル〜。いや〜流石だ。聖翔の儀ですらファルエルが特別だとみなしているのだな。帰ったら誕生パーティーを盛大にしなければな。いや〜めでたいな〜」
「ファルエルちゃん。無色ですって。凄いですね〜。やっぱりファルエルちゃんは学者か何かになるのかもしれないですね〜。今日はお祝いですよ」
何かパパもママも喜んでくれているようなのでとにかく良かった。
それはそうと、聖翔の儀で光ってからおかしい。
体内で魔力のような物が満ちているのが急に感じられるようになった。今まで一切魔力めいた物の存在を感じる事は出来なかったのに何故か、光った直後から感じられるようになった。
もしかしたら聖翔の儀とは1歳になると同時に魔力回路を解放する儀式だったんだろうか?
家に連れて帰られるとグランパとグランマの4人が揃っており俺を入れた7人での誕生日パーティーが始まった。
「いや。わしのファルエルで有れば七色であっても全く驚きはしないつもりだったが、まさかの無色か。いや流石だな。わしも無色など聞いた事がない。しかも、わしでも感じられるほど聖魔力に溢れているではないか。何とめでたい」
「本当ですな。ファルエルちゃんは私たちの宝ですな。しかも無色ですよ。無色。最高位と言われている七色を超えているのでは無いですかな。私もファルエルちゃんは七色に違いないと思い込んでおりましたが、それ以上とは、驚きましたな〜。これからが楽しみですな〜。もしかしたらファルエルちゃんは本当に創世神の生まれ変わりかもしれませんな」
まあみんな喜んでくれているようなので、よかったのだろう。
どうも聖翔の儀は色の判定が出るようだ。まあ色が全てではないのだろうが七色が最高位で、適正により色々な色が発現するらしい。
因みにママはピンクと白と黄色の3色らしい。
流石はママだ。色も可憐だ。
それと、グランパが俺を創世神の生まれ変わりかもしれないと盛大に勘違いをしているようだが、俺は子爵級悪魔の生まれ変わりだ。
まあ、これだけ喜んでくれているから言うつもりは無いのだが。
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