出逢い
『キャッハハ』
かん高い声がトイレの中に響き渡った。
『あなたがいけないんだよ、優羽君に来やすく話しかけてるんだから』
一方的な意見を言われ、うつ向くことしか出来ない私は、いつも後悔していた。
タスケテ、タスケテ
心の声が叫びを上げて、1滴の涙が彼女らをもっと興奮させる事となってしまった。
『はぁ?何泣いてんの?私達はただ間違ったことを正してあげてるのわかる?』
正してあげてる。これは、自分たちは悪くない、そう思う為の自己暗示の言葉である。
段々と襲いかかってくる黒き闇に飲み込まれそうになりーーーー。
ピピピピ、ピピピピ
微かに鳴る目覚まし時計の音がこのことを夢だということを告げているそう、あの事は夢だが、事実でもある。
夢のとおり、私は中学生の頃は、いつもいじめの標的だったのだ。
中学卒業と同時に、長かった髪を切り目立たないために、前髪を顔まで、のばした。
高校入学の準備は、万全だ。高校では、目立たずひっそり暮らしていこう。そう思いこうつぶやいて家を出た。
『目立たないが第一目標』
学校へ行く途中、角を曲がると、身長の大きな人とぶつかった。そしたら
『あぁん?なんだこの女は』
『てめぇ兄貴の肩が外れちまったじゃねぇか』
どうやら、不良のグループに絡まれてしまったようだ…