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プロローグ
『週間○○ 2084年 第13号 p14 人とオカルトの今未来』
22世紀に入り、科学は飛躍的な進歩を遂げた。ステージ4の癌は不治の病では無くなり、人間の老いは再生医療により無かったことにされた。また、超常現象の九割は解明され、オカルト論争の殆どは終わりを告げた。しかし、それは同時に一つの事実を示すことになる。超常現象の残りの一割、つまりUMAないし超常生命体は人間の想像の産物ではなく現実に存在するということである。2154年に青森県のとある地方村で日本の伝奇上における雪女が発見されたことにより発覚したこの事により、人々が混乱に陥るのは容易いことだった。世界中で連日あがる正誤入り混じる生命体発見の情報。紛争まで勃発する国も現れた。そんな中、日本が僅か30年で法を整え、安寧を取り戻したのは奇跡と言ってもいいぐらいだろう。今回は超常体の生態を改めて調査し人間との在り方を再確認したい。