殺目
うっはーΣ(゜Д゜;≡;゜д゜) 超懐かしい!! 殺目!!
「ねぇ、おじじ。居るですか?」
「居るよ? 何時でも」
聞こえてきたのは少女の声だった。しかし其れに張りは無く、暗く、どんよりとした口調だった。
インペラトルの存在を確認すると、重厚な引き戸が僅かばかり開いた。その隙間から覗くようにして、紫の目が蠢く。
「久し振りだな……今は……」
「酷戮殺目。殺目は目標を殺す、酷戮は酷使と殺戮から。じじいにも分かり易く付けてやったです」
ふんっ。と鼻を上に向け、気位の高い猫のような態度を取る。肩の上に担がれているのは、薔薇の彫刻の施された電動鋸。少女の身に纏う漆黒のゴスロリとは、何故だか共鳴を示す。
「そうか、有難う。で、何か不満が存在したようだな」
少女の嫌みにも応じる事無く、菩薩の笑顔を称えている。彼にとって、彼女の暴言など子犬の虚勢にしか見えないのだろう。
「殺目は何故、コレなのでしょう。御主人は殺目との契約を喜んで下さいました。でも御主人はコレなんか好きじゃ無かった。もっとほっそりした、和風の……女性に似合いのものがお好きです。其れが近々の風潮ならば構いません。でも九つの時から惚れ込んでいるのでは、勝ち目など無いじゃないですか。弟は良いですよね。暗殺に使えそうな、小さくて可愛らしい短刀ですもの」
自分の事を“殺目”と名乗る少女は、不満げにちらちらと“コレ”に目線を走らせる。其れがたった今下ろしたばかりの“電動鋸”。自分の半身を侮辱し、心から嫌悪しているようなものだった。
彼は目を見開いて、少しだけ沈黙する。そしてまた目を細めて手を伸ばした。光を知らない、真っ白な指だ。
「安心しなさい。きっと気に入ってくれる」
その問いに満足しなかったのか、眉間に更に皺を寄せて繋げる。
「後、銀髪も好きなのですよ」
「黒髪も好きだろう」
「つんでれ。というものも好きだと」
「一番は自分を気に入ってくれる者だろう」
「可愛い子は欲しくなると……」
「彼奴は稀に身代金紛いのことを、冗談交じり交じりにぼやくからな。安心しなさい。抱き締められたのなら、其れは愛している証拠さ」
─終─
ぶっちゃけ、殺目の性格諸とも忘れかけてます……ヾ(・ω・`;)ノぁゎゎ
なんせ書いたのは数年前……Σ(゜Д゜;≡;゜д゜)
殺目が最後に並べている“御主人”の好みは、ほぼ、弟くんのものです(*´∀`)




