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青空と瓦礫

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

全て終わった後日談。

numbering1の彼のお話。


瓦礫の山のその中で、僕は黙って紅茶に口を付けていた。この現状を作り出した張本人は此処には居ない。ドアだったものを踏みつけて、さっさとこの場を後にしてしまったから。

青空と瓦礫。世界の終末の様な茶会。これはこれで悪くない。どんな時だって、美味しいものは美味しい。

「あーあーあーあーあー……。また随分と……」

高低のある感嘆と共に、石ころを踏み付ける音がした。振り向きもせずに黙って味わっていると、テーブルの前まで回り込んで僕の前に立つ。惨状の怒りをぶつける様に、乱雑に手を着くと、それはもう大きな溜息を着いた。

「やるにしてもさぁ、もう少し優しく出来ない訳?」

「僕が壊したんじゃないよ。殆どあの子の力だ」

そう言うと眉根をあべこべに捻じ曲げて、此方を睨んで来た。『嘘をつくんじゃない』と顔で語っている。

僕が言ったことに嘘は欠片もない。彼女が放ってきた火力を吸い上げて、増幅させて彼女に返しただけ。びた一文とも僕の火力は使ってない。それでもコンクリ程度ならば砂上の城の如く壊せる。相性が悪いとはきちんと告げたはずだけど。

彼女は対面に置かれた、中身のあるティーカップに口を付けるとそのまま静かに啜る。まだ淹れたばかりだから少し熱そうだった。

「仲直りのつもりで淹れてあげたんだ」

「別に。ヴォルが気を利かせただけ」

何時もの事だ。癇癪起こして突っかかって来て、全てのものを壊した挙句、敵わないと分かると地団駄踏むようにその場を去る。今日もそんな一幕だった。

「“たまたま”近くに居た悪魔も巻き添いにして殺したし、文句はないでしょう?」

「ふん。可愛くない」

彼女はそう吐き捨てると、飲み終わったカップをテーブルに置きに、瓦礫の山を下る。それから思い付いた様に此方を振り返り、ぶっきらぼうに言い放った。

「さっさと飲み終わってよね」

ちなみに

「あー↓あー↑あー↓あー↑あー↓」

という音の高低です。


悪魔との応戦時に、喧嘩売られたから、いなしついでに相手した後の話だと思います。

多分、嫁ちゃんは旦那の事しか見てないので、気が付いてない気が。

負けてブスくれて去った後、

「機嫌悪いんだ。ヴォル、紅茶淹れてくれない?」

「はい(・ω・ )……この場で?」

「うん。早く」

という物凄い真っ当な子と、物凄いマイペースな奴との会話がありそうな。


私が見たのは、瓦礫の山の中で、呑気に茶ぁシバいてる此奴の顔でした。はい。

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