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最終話:旅の目的

ケイオス達は登録を済ませた後に、大通りで話ながら宿屋へ向かっていた。


「そういえば、みんなの旅の目的って何なんだ?俺は修業のためなんだけど。家は道場をやっていて、親父が言うからには、アルベウス家の男子は必ず各地を回りいずれ師範となるための修業を積むのだ。とか言われて無理やり行かされた。」


「大変ね。私は魔道の研究のためにいろいろな所を回るため。魔導師は自分の魔法の研究を欠かさないためにいろいろやるのだけれど、金持ちならともかく庶民は旅をしながら材料とか資料を探さないといけないのよ。」


「・・・みんな目的があるのか。」


ケイオスにとっては、自分でもそれがよく分ってはいない心の空白というものを探しているので彼らと疎外感を感じた。


(魔族への復讐心でもあればよかったのにな。)


故郷が滅ぼされれば、復讐心が生まれるだろうにと思うのだがケイオスにはそのような気持は無く、ただ何かがないだけだった。


「ケイオスはどうなの?」


ただその何気ない問いかけに、今は苛立ちを感じる。


「俺は・・・」


ケイオスが言葉を返そうとしたときだった。


「おい、お前ら。」


誰かと思って振り返ると、そこにはギルドで列に割り込んできて争いになった荒くれ達の兄貴だった。


「あんた復讐しに来たってわけ?」


いつでも争えるように構える。周りの通りすがりはこちらをちらちらと見ながらも、歩き去っている。冒険者が出入りしているこの町はお世辞にも治安がいいとは言えない。おそらくはこういう光景には慣れているのだろう。


「いや、謝りに来たんだ。列に割り込もうとして悪かった。許してくれ。」


そう言うと荒くれはケイオス達の向かっていた方向と反対の方向へ歩いて行った。突然謝ってきたので少しの間ケイオス達は唖然としていた。


「まさか謝りに来るとは・・・。」


「うん。ああいう輩ってそういうことをするものだっけ?」


「とりあえず宿屋へ向かおう。気になることだけど。」


スコルの一声で宿屋へと歩き始めたが、途中会話はあまり入らなかった。



〜宿屋 テイス〜


宿屋テイスは、各町に一つあると言われている大きい宿泊企業で、よく冒険者などが使う宿屋である。そこにケイオス達は泊まることにした。


受付を済ました後、階段を上って借りた部屋に行く。部屋は4人部屋で、窓が付いており、その前にはテーブルと椅子もあった。


「なんか釈然としないなあ〜。」


キュリスがベットに倒れこんでそう言った。


「上辺だけじゃなくて、本気で謝ってたようだしね。」


スコルとケイオスは椅子に座った。外はまだ昼で人通りはまだ途絶えていなかった。宿に泊っている冒険者が通りにある商店などで買い物をしている。


「少し外に出てくる。」


ケイオスは通りの隅にとある集団を見つけたので外に出ることにした。


「よう、どうしたんだ。」


見つけたのはギルドでもめた荒くれ兄貴の取り巻き達だった。


「よう、じゃねえよ!この野郎!」


「お前らのせいで兄貴が冒険者ギルドに出入り禁止になっちまったじゃねえか!」


「どうしてくれるんだ!」


こいつらの兄貴は謝ってきて自分達は復讐をしてくるとは。そういえばこういうやつらが何故ギルドにいたのだろうか。ケイオスは質問してみた。


「なあ、何でお前らの兄貴とやらはなんで冒険者ギルドに居たんだ?」


「兄貴はなあ!借金の取り立て屋から足を洗って真っ当な人生を歩もうとしたんだよ。それをお前らのせいで登録できずに冒険者って認められねぇ状態で旅に出ないといけなくなった。俺達はお前らが許せねぇ。」


「確かにそれは悪いことをしたかもしれないが、列に割り込んで騒動を起こしたのはそっちだが?」


「そ、それは・・・」


荒くれ達は黙ってしまった。


「すまんな。たびたび迷惑かけちまって。」


荒くれ兄貴が仲間を探していたのか、駆けつけてきた。こいつが何故冒険者になりたいのかも興味が湧いた


「あんたに聞きたい事があるんだが、何故取り立て業から足を洗おうと思ったんだ?」


「それは・・・。」


彼が言うにはこうだった。


一週間程前に、とある家へいつもの通りに借金の取り立てに行った。そこの家についた時には既に家の主は逃げていてその子供だけが冒険者の物語本を読みながら帰らぬ親を待っていた。規定には逃げられた家は、そこにあるものをできるだけ売りさばいて金にしろ。ということになっていたのだがこの国の法律では奴隷は売買禁止とあり子供の持っている本も古びていて金にならないということでそのまま家の外に放り出すことになった。数日後にその子供は本を持ちながら路地裏で死んでいた。彼はその時こう思ったらしい。


「まだ俺が小さい頃に、借金の問題で親に捨てられたんだ。俺はスリとかして生きてたが、同年代の大多数はそういうことが出来ずに死んでいった。それを思い出してさ。今のような事はやめて普通に暮らしていこうと思ったんだよ。そして子供の頃になりたいと願っていた冒険者になろうと決意したんだ。だが・・・俺の性格からして無理だったのかもな。」


後ろで取り巻き達が泣いている。このような事情があるならば黙ってはおけない。ケイオスは普段は無愛想だが、こういうことになると熱くなる。


「まだその志は生きているか?」


「捨てきれないな。こういうのは。」


「それなら行くぞ。もうすぐギルドが閉まってしまう。」


そう言うとケイオスは彼らを連れ、走ってギルドへと向かった。着いたころには日が沈みかかっていたが幸いギルドはまだ開いていた。


「おい、そこの!お前らはギルドに入ってはいかん。」


「頼む!入れさせてやってくれ!」


ケイオスは頭を下げて警備員に頼み込んだ。


「俺達からもお願いします!」


取り巻き達は土下座までして頼み込んでいた。


「そ、そんなことされても・・・。」


「入ればいいんじゃないですか。」


誰かと思えば彼らに出入り禁止を告げた役員だった。


「入口でそういうことされると迷惑なんですよ。だからと言ってつまみだそうとしてもあきらめそうにありませんし、面倒ですから早く用を済ませてください。」


面倒だからと言って仕事放棄するのはどうかと思うが今はそれに深く感謝する。


「ありがとう。」


そう言って冒険者になりたいと願った彼はギルドの中へ入って行った。


「さてと、帰るか。」


走ってきた道を戻っていく。ケイオスは少しだけ心の中の空白が埋まったような気がした。


「どこ行ってきたんだ?」


帰ってきたのはもう夜だった。その時の出来事をスコルとキュリスに話した。


「なるほど。そんなことがあったんだ。案外ケイオスって熱いのね。」


「そういえばケイオスの旅の目的って聞きそびれてたな。どうして旅をしようと思ったんだ?」


昼は答えが出なかった。でも今は多分言えるだろう。


「人の役になれたらいいな。と思ったんだ。」




あまりにも文章が下手なので中断することにしました。

修行してそれなりの文章を書けるように努力いたしますので、今後もよろしくお願いします

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