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茶が飲みたけりゃ自分で  作者: 五日
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初めての登校班


やばい。


ついに、息子が1年生になってしもうた。さあピッカピカだっ!!


そして今日は入学式の翌日。初めて登校班で登校する日だ。関係ないけど、登校と投降って同じ読みだね、ウフフ。武器を捨てて投降しろ!!


すみません。魂レベルで動揺しているんだ。


彼が単独行動をするのは、完全に初めてのことである。

もちろん、わたしと離ればなれになったことはあるが、幼稚園の堅牢な塀の中や、祖父母の監視&護送などの条件下であった。

正確には今日も完全にひとりというわけではないのだけれど…。ああ!!心配!!!


集合時間の10分前に張り切って登場。もちろん一番乗り。朝の5分は貴重だよね。


5分前になると、続々とランドセルたちが集まりだす。おお、こんなに潜んでいたのか。幼稚園児の生活とは時間帯が合わないのでノーマークであった。


上級生たちに学年と氏名を名乗り『よろしくおねがいします!』と前屈のように深々をお辞儀をする我が息子。どうしてそんなに礼儀正しいのか。素敵だ…というか、変な奴だ。ランドセル集団をざわつかせる。

しまいには、5年生に抱っこされ振り回されていた。大喜びしておるわい…。


メンバーが集まったらしく一団は出発するようだ。この頃になって初めて、息子はきょろきょろとこちらを振り返りだした。

『えっ?行っていいの?』

そうだよ!お母さんは着いていかないんだよ!


鎖の外れた飼い犬のように、嬉しそうに不安そうに後を何度も振り返りながら徐々に私たちは離れて行く。


産後に胎盤が剥がれ落ちた時のように、何かがごそっと剥がれ落ちる感触がした。


笑顔で見送った後、猛ダッシュでマンションのベランダに戻り、天体観測用の望遠鏡を地面に向ける。


追えるだけ遠ざかる息子を観測し、震えの治まらない魂を抱えて出勤した。



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