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プロローグ
防人恭二という名の少年がいた。
現在年は十六で、今年度には十七になる。
背は平均より少し高く、髪は短め、見た目は平凡で能力は平均より劣っている。
しかし彼の最も特徴的なのは、心臓が弱いことと家族がいないことである。
彼の十七年目の人生を、不幸というには少し足りない気もするが、ともかく不幸であった。
両親と妹は死に、一時祖父に預けられたがその生活も数年だけだった。
その原因は彼にあらずとも親戚は彼を厄のように扱い、中学の途中から彼はマンションに一人住むようになり、あらゆる家事を一人でこなせるまでになった。
その気丈によりクラスメイトに事情を伝えないがどこか物憂げな表情はどこか近寄り難いものであった。
それを生意気に思ったか、ガキ大将なるものは中学で彼をいじめたおした。
徐々にエスカレートする行為に対して彼は感情を表に出すこともなく、けれど決して耐え抜くこともできず、不満と苦痛のみを持ち合わせて中学を卒業した。
高校一年目では、いじめもなく、交友もなく、ただ誰よりも能力が劣るという劣等感を味わいながら、一人の時間を過ごした。
そんな彼の人生、高校二年生の二学期が始まりいくらか経ったある日に転機が訪れた。




