我慢の限界です。2
「鷹明さ~~ま!今、宜しいですか~~!」
「鷹明様?・・・・リ・・ン・・・凛!何だ!その格好は!!」
「だって、暑いんだもん。」
「暑いからと言って何だ!体が・・・まるで裸じゃないか!!」
「だから、暑いって言ってるでしょう!それに、私の世界ではこれが普通よ!」
(凛の世界ではこれが普通だと!なんという世界だ。男の前で露わな格好で。こいつには恥じらいというものがないのか!)
「凛。おまえに聞く。今日、この屋敷の者に出会わなかったか?」
「出会ったよ。華ちゃん。武さん。弦さん。勿論、萩さんも。」
「おまえを見て、何も言われなかったか?」
「うん。武さんは私を見て目を瞑った。萩さんは、まぁ、凛様。華ちゃんと弦さんは何も。」
「・・・・・あたりまえだ!!そのような格好でうろつくな!分かったな!凛。分かったな!!」
「はい。・・・・分かった。」
(エッ!今、凛が素直に「はい」と返事をした!おかしい~何かある?)
「ねぇ、鷹明さま。お願いがあるの。私の一生のお願い!」
「何だ?」
「あのね、庭の隅で良いんだけど少し貸して欲しいのよ。」
「何をするのだ?」
「ひ・み・つ。それは出来てからのお楽しみよ♪」
「俺には言えん事か?」
(鷹くんい言っても分からないものね。多分。)
「ねぇ~、ダメ~~?ねぇ、ねぇ。何も聞かずに良いと言って。お願い。鷹明さま~~」
「・・・・・・・凛。・・・凛。分かった。承知した。」
「ありがとう♪ 鷹くん。出来たら鷹くんも使っていいからね~~」
(使う?何を使うのだ。いったい。それに、これ以上無理だと言っても引き下がらんからな。)
良かったです。これでご主人様にも承諾を取ったし。あとは計画、実行。
そして、プールを作るため、庭を見渡すと私は大変な事に気が付きました。
プールと言えば、人が泳げなければなりません。問題はそこなのです。ここの庭には「池」が何所にも見当たりません。この庭にプールのために穴を掘るなんてお金も人力も相当かかります。
それに庭には松のような木々の多い事。この木々を見て、この庭にプールは作れるのか?と思います。鷹くんに「池」を作って欲しいと言っても「何のために?」とか「おまえが魚達の世話をするのか?」とか言われる事、間違いありません。それに、理由が「プールのために」とはとても言えません。そうでなくても私は鷹明さんに養ってもらっています。だから、そんな無理なこと、贅沢ことは口が裂けても言う事が出来ないのです。そして、プール作りを諦めていたのです。
私は庭を眺めていた時、咲ちゃんと楓ちゃんを思い出しました。だって、あの二人の旦那様は貴族様で多分、風流な雅な遊びをされていると思ったからです。
庭に池に船を浮かべて・・・・・多分。池があると思います。
早速、咲ちゃんと楓ちゃんに会ってこの計画を相談したいと思います。
きっと、あの二人も賛成してくれると思いたいです。
だって、あの二人もこの暑さには参っている事でしょう。私はそう思いたい。