肉が食べたいです。
私がこっちの世界へ来てから「肉」を食べた事がありません。
やはり、若い私は体が肉を欲しています。食べられ無いと思うと余計に食べたくなるのが人間の性。
だから、私は料理場頭の弦さんに相談しました。
「弦さん。お願いがあるんだけど。」
「凛様。何でございましょう?私でよければ。」
「弦さんでなかったらダメなのよ~」
「・・・・?・・どう言う事でございましょう?」
「・・・・言い難いんだけど、私、お肉が食べたいのよね。何とかなる?」
「・・・肉でございますか・・・」
「そうそう!お・に・く」
「はぁ~~。肉と言いましても。たまに肉も夕餉には出しておりますが。」
「肉?ああ、鶏のことね。違うのよ。私が言ってる肉とは牛の事!」
「牛・・・・牛でございますか。」
「そう!何処かで売ってないかなぁ~~?」
「・・・・・・牛は何所も売ってないかと思いますが。」
「ウソ~~!あんな美味しいものなのに!」
「凛様のお国では牛を食されるのでございますか?」
「勿論!!すき焼きでしょ。しゃぶしゃぶでしょ。ステーキなんかは凄く美味しいよ。」
「・・・・・はぁ~~~・・・・」
「弦さん、ダメかなぁ~~?」
「・・・・・凛様。一度、鷹明様に相談されたら如何でしょう。」
「そうだね!そうするわ。ありがとう弦さん。」
弦さんの独り事
「それにしても・・・凛様のお国ではあのような牛を食されるとは恐ろしい。やはり、月の方は食する物も違う。これからは凛様が調理場に来られたらどうしよう。」
私は鷹くんを屋敷中を探したのよ。
いたいた!!鷹くんを発見しました。また、私の令くんと話してる!
「鷹くん!探していたんだからね!それに、また、令くんと話してる。」
「おまえの令では無いんだぞ!これは俺の令だからな!!」
「まぁ、どうでも良いわ。ところで鷹くん、この近くで牛を売っている店は無いの?」
「牛?何に使うのだ。」
「使わない!私、牛が食べたくて!」
「・・・・・・・?!!・・・・・」
「おまえ・・・牛が食べたいのか?」
「そう!私の体が牛を食べたいって言ってる。」
「・・・おまえの言っている意味が分からん。何故、牛なのだ?」
「だって、牛は美味しいもん。」
「美味しい?・・・・おまえ、この世界は牛は車を運ぶ物だ!牛は誰も食せん。」
「・・・・・・そうなんだ・・・・・・」
「凛。今度、おまえが行きたがっていた市に連れて行ってやるから牛は諦めよ。」
「・・・・・・そんな事言われても・・・食べたいものは食べたい!!」
「では、凛に聞く。もし、牛が手に入ったとしよう。誰が牛を調理するのだ?弦はダメだろう。あいつはとても、牛など調理など出来ない。それとも凛がするのか?」
「・・・・・・まぁ、仕方ないわよね。」
鷹明と令の会話
「・・・・・令、聞いたか!凛の世界は牛を食すらしい。恐ろしい事だ。」
「鷹明。凛は向こうの世界の人間。我らにとっては未知の事だ。凛を拾うた時から諦めよ。」
「まったくだ!凛がこのような事を言うとは夢にも思わなかった。」
やっぱり、この世界ではムリだったのよね。
車を引くものだもん。私が牛を食べたいと言ったら弦さんも鷹くんも考えられないような顔してたし。まぁ、良いわ。今度、鷹くんに市に連れて行って貰えるから。
でも、考えたら・・・・私、鷹くんに「市」という言葉に上手く釣られただけじゃん!!




