昔の事を少し
食うに困るほどではないけれど、普段着ている服や学校の体操服や靴などはいつも誰かのお下がり。すぐに成長する子供の服に、あまりお金をかけたくないのもあったのかもしれない。
汗や涎に塗れ、布が擦り切れて中の綿が出てしまった枕をずっと大切に使い続けたのは、自分のために買ってもらえたものだったから嬉しくて手放せなかったのだ。
なんの話かといえば小学生の頃の貧しかった頃の事。小学生ながら新聞配達をした記憶がある。もっとも幼い子供が歩いて配達出来る量には限界がある。
自分自身は働いているつもりでも、大人達からは、きっとほのぼのした目線で眺めれていたと思う。そう思えるくらいには、今現在に余裕が出来たのだろうが、当時は色々と大変だった。
話した覚えはあまりないのだけれど、同級生にいた酒屋の子が、ビールやコーラの瓶を持ってくればお金になると教えてくれた覚えがある。憐れみとかではなく親切心に、ちょっとした裏技披露の働き自慢だ。
公園や川沿いを探すと結構あった。デカい蛇に出会ったり、野犬に追われたり、蛭に噛まれたり、蜂に刺されたり⋯⋯。リアルな冒険者生活のような体験は、いまは話のネタになっているが、よく死ななかったと思うもの。
またガラスの瓶がそのへんに捨てられているなんて危ないと思うが、当時はペットボトルはまだ普及し始めて間もなく、瓶や缶が主流の頃。世代バレするが今更か。
もう少し賢ければ公園に設置されたゴミ箱などに、宝の山がある事に気づけただろうが⋯⋯酒屋のおじさんは、ゴミを漁れとは言ってなかった。落ちている瓶や缶を拾って来たらお金に変えてあげる⋯⋯そう言っていた。もし言いつけを守らなかったら、違うおじさんの縄張りを荒らし、酷い目にあっていたかもしれない。
そんな幼年時代の体験が土台にある。だから私の作品における冒険者ギルドの加入年齢は6〜8歳あたりを想定している。あくまで戦いは想定していない。
昔の事に触れたのは、応援(お星さま活動)がようやく5,000に到達した作品に通じる話だから。記念回なのであえて☆を押し忘れていた連載を選択した。
到達記念の作品は、タイトルから分かるように、冒険者のお話。チートはなし、癖のある冒険者の現実的なお話で派手さはない。冒頭に書いたような過去の自分自身と、どこか重なる境遇に惹かれた。何より小さなドラマが丁寧に盛り込まれていて泣ける話もある。
本当ならば、このサバよみのように、だんだんと成長してゆく過程の物語を書きたかった。そもそもこうした作品ともっと早く出会っていれば、自分自身で拙い物を書く必要なかったと思う。
タイトル: 冒険者ギルドが十二歳からしか入れなかったので、サバよみました。
Nコード:N6554GV
作者名:KAME 様
ジャンル:ハイファンタジー〔ファンタジー〕
掲載日:2021年 03月12日 21時22分
最終掲載日:2024年 09月01日
文字数:1,404,185文字
あらすじ
【第10回ネット小説大賞 小説賞受賞 書籍発売中】
ここは港町にある冒険者の店「暴れケルピーの尾びれ亭」。
うらぶれた冒険者たちが集うなんの変哲も無い冒険者の店に、なぜか純真で素直な子供がやってきた。
困惑する店主。遠巻きにする冒険者たち。驚く依頼人。だんだんスれてくる子供。
水面に投げ込まれた小石は波紋を広げ、少しずつ冒険者の店を変えていく。
―――これは一人の子供が、冒険者になる物語。
「ヒヒヒ! 冒険者なんてやつぁ、みんなダメ人間と相場が決まってらあな!」
☆https://ncode.syosetu.com/n6554gv/
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連載ホラーの話。今回の幽霊船話は、本編と少し内容を変えて書いている。連載時は思いついたままの勢いだけで書いていたので、今回は会話を増やし背景を入れた。ただし本編はあまりにも登場人物が多いので、仲間はメインキャラクターや主筋の話みに。いつか連載を書き直す時は、この話の部分にカットした仲間達の分が加わると思う。つまり大改稿地獄が再び。
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調べものをするのに、いちいちAIがしゃしゃる。わからないなら無回答で良いものまで。その時はせめて以前のキーワード検索にしてくれればいいのに、いい加減な情報をご丁寧に集めて、さも本当のように教えてくれる。
フェイクまで含めた情報なので、軽く話題に触れる程度ならともかく、史実に関して資料や記録の確定している物まで嘘を取り入れて流す意味を賢いAI様は考え直してほしい。
既知の情報なら真偽がすぐわかるけれど、調べたいもの=未知の情報なので、大多数の意見等を参考にしたものは求めてないのよ。
技術は進化したはずなのに、手間が増えて結局役に立たないとか意味ない気がする。使い方や機能制限いちいち設定し直す手間と、暑い中、図書館行って調べる手間を取るか⋯⋯。
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7月5日の後は8月15日だって。都市伝説界隈、思った以上に稼ぐ事が出来て、脳汁ドっぱーと出たのかも。7月が盛り上がり過ぎて、二の矢は下準備が足りていない感じ。




