役柄と設定
弥助のゲームがまた、炎上している。
なんか、ゲームのPVで弥助に神社を破壊させたらしい。
その動画を見たけれど、あれは酷い。
畳が四角とか、そんな次元ではない。
神殿に土足で踏み込み、暴れ、御神体の鏡をぶち壊す。
もう、日本人からしてみれば、このゲームの弥助は敵にしか見えない。
弥助を殲滅するゲームをプレイしたくなるくらいだ。
ここに来て、『伝説の侍ヤスケ』の宣伝文句に激しく違和感を感じる。
いや、侍じゃないでしょ?こんな奴…
歴史に忠実か、フィクションかは、ゲームなんだし仕方ないとしても、他国が大切にし、そのイメージを守り続けた職の設定を無視はダメでしょ?
確かに、キリスト教の牧師や神父、教皇ですら、長い歴史の中で不正を働いた人物はいる。
が、明らかに悪い部分をキリスト教徒が拍手喝采などしない。悪い奴はたとえ神職でも断罪される。
人は生まれながらに罪人である。
悪い部分を持ち合わせて生まれてなお、正しく生きようと考えるのが尊いのだ。
確かに、侍にも外道は存在しただろう。
が、外道行為を白日にさらされてなお、民衆や仲間が伝説の侍なんて持ち上げたりしないし、村人が頭を下げたりしない。
民草が侍に頭を下げ、尊敬したのは、その人柄であり、暴力ではない。
この時代にも一揆はあったし、落武者にむざむざ殺されてしまうほど村人も弱くはない。
逆に、分かりやすい外道行為で噂になれば、集団で叩き潰しにかかるに違いない。
まあ、ゲームでそれが出来るとして、発売前からそんな機能を宣伝する意味が分からない。
これは、黒人に対する侮辱にも見える。
相手の文化や、大切にするものに共感できず、先に起こることや回りの悲しみも想像できないサイコパスのように制作者はヤスケを考えたのだろうか?
それとも、現在の黒人が、こんな下品で残酷な行為を好み、自慢するためにゲームを喜んで買うとでも思ったのだろうか…
これについて、自称黒人の人達が批判的なコメントを残していた。
史実の弥助が可愛そうだと思った。
諸説ある彼は、ネットでは信長のペットとか書かれている。
光秀が動物だから捨て置けと、弥助の事を言ったかららしい。
が、私の子供時代には、武家を含め、復讐や仇討ちは重要な事のように扱われていたから、弥助をそのまま放免も出来なかったのだと思う。
信長にしても、ポルトガルから譲り受けた人物なのだから、国際問題にならないよう配慮をしているはずだと思う。
アステカは、カルバニズムの儀式の為に野蛮人として報告され駆逐された。
当時のキリスト教、西欧諸国は、決して優しいだけの存在ではない。
仮に、奴隷として好きに扱って良いと言われても、問題を見つけて、言いがかりをつけられないとは限らない。
兵士として戦わせて、日本人を殺させたり、逆に、弥助を仇として付け狙う人物を自国から出すわけにはいかなかっただろう。
そんなこんなを考えれば、光秀もまた、動物と言っても弥助を海外に放免し、海外でも日本人が敵討ちをするような事がおこらないように考えた…みたいな設定で語られた。
PVでヤスケは御神体をぶち壊し、神職を射殺してなお、拝むのだ。
もう、ホラーでしかない。
が、どうも、拝むことも出来るのをアピールしたかったらしいのだ。
十字架のついた鎧を装着し、何に祈りを捧げたのだろうか?
弥助はクリスチャンネームは無いようなのだ。
そうだとしても…十字を身につけながら、他の神に祈りを捧げていいのだろうか…
大航海時代、確かに、西洋人は他国に酷いことをし、文化を破壊し尽くしたけれど、それでも、法則はあり、理性をもっていた。
日本を破壊しなかった事。
それは、ある意味では、西洋とキリスト教の理性の部分でもあるんだと思う。
それを…黒人に十字を身につけさせてぶち壊していいのだろうか?
色々とモヤモヤした。
そして、日本人でも神様に対する認識が違うことに驚いた。
海外の人が、日本の神様を愛と現世利益を授ける優しいものだと思うのは、分かる。が、日本人にもそのイメージが根づいていることに驚いた。
神様と仏様を信じることになったのは、聖徳太子の時代からと言われている。
宗教戦争の末に
神様は祟る存在で
仏様は癒す存在だときまったとか、私は聞いた。
それが学術的に正しいか否かは知らないが、神様は基本、悪さをすれば災いをおこす存在なのだ。
そして、その祟りを鎮めるために祭り、祈るのだ。
だから、戦前、日本人は簡単に他国に神社や神殿を建てまくったり布教をしなかったんだと私は父にきいた。
御神体をぶち壊してたら、まず怒るのは神様なのだ。
そして、神様は祟るものなのだ。
日本の神様は謝って簡単に許すような存在ではないし、何代も祟られたり、そのとばっちりを周りがうけたりする。
ロシアが戦争をして、異常気象の現在、こんなものを発表して大丈夫なんかと不安にもなる。
神社はほぼ、日本にしかない。
祟りが海外にも影響があるのかどうかは分からない。
関係者は、日本人が許せば大丈夫だと思っているようだけれど…
日本人の私は、神様の方の心配をしている。
まあ…ツタンカーメンを含め、様々な呪いをものともせずに進んできた西洋人は…それなりに乗り切るのかもしれないけれど…
私も、海外の歴史は気を付けないといけないな、と、思った。




