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原作と改変  作者: ふりまじん


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12色


少女時代、現在でも…私はねだると言うのが苦手な人間だ。

子供の頃は、親の財布を気にして欲しいものは言えなくなったし、

大人になってからも、そんな感じだった。


でも…今でも、憧れずにはいられない。

リンダの歌に登場するような、激しくてわがままな女性の生き方を。


私のために、全てをかけるのよっ!


ああ、言ってみたかったわ、一度くらい。


でも、人間の性格なんて、急には変わらない。

人から何かしてもらうと、何かを返さないといけない気持ちになるし、色々と考えすぎると混乱してしまう。


が、web小説の世界では、好き放題に希望を言える。

基本、誰も聞いていないし、相手にもされてない。

確かに、選考落ちして2点でも欲しいと書いても何も起こらなかった時は悲しくもあったが、

逆に、なんの影響もなかった事に、変な自信も生まれた。


私にとって、欲しいと思う心を、ただ、素直に叫べる場所は貴重なのだ。


希望の品が手にはいるか、入らないかは別問題なのだ。

確かに、何もないのは辛いけど、その辛さも…まずは吐き出さなければ経験する事も出来ない。


勿論、ネットでの発言は、よくよく気にしなければいけないけれど、5年、様子見をして、本当にスルーされるのだから、ここは底辺作家の利を堪能したいとおもう。


脱線した。


まあ、ともかく、ねだる事が苦手な私は、しかし、ネットでは、それが出来る。そして、改変とは、金を出してくれそうな人に、自分のしたい事を全力でねだり倒す事だとおもう。


漫画にしても、ドラマにしても、まずは客が満足してくれなきゃ、金にならない。

そして、自分が楽しくなければ、やる意義がない。

私は、かの巨匠の新作を見たいのだ。

少女時代の…あの夏を再び味わいたいのだ。

例え、一緒に視聴する家族や友人が異世界の人と化していても…


その為には、現在の流行りもいれて行かないといけない。


線の太さすら気になる客から、その不快感を軽減し、『やってみろよ』と、小銭を投げてもらえる作品を目指すには、まずは改変を受け入れてもらわなければいけない。


まずは考えた。

漫画家の気持ちになって欲しいものをねだろう。


昔のタッチで今の漫画雑誌の表紙を飾っても古臭く感じる。

それは、漫画家だって同じに違いない。

画材は30年前と比べても随分と変わったのだから。

これについては、令和の人気作家のイラストと並べて、漫画家がボヤいたら、客にも気がついて貰えると思った。


家では、親族のお古を着させても気にならないが、町内の子供の集まりに、あからさまに時代が違うパンタロンとか、昔の漫画のプリントTシャツで自分の子供が浮いていたら、親だって考えてくれる。


それは漫画でもそうだろう。


そして、漫画家がアンケートの一番を目指したいと言ったら、そして、それが叶わなかったら、一緒に悲しんでくれるに違いない。そして、新しい画材を使うことに、今の人気作家と真剣に戦う姿勢に夢を見てくれるはずだ。

と、言うことで、まずは、漫画家の気持ちを代弁するキャラを作ろうと考えた。

『新世界』が令和のモデルなら、『下町』は、昭和をモデルに考える。


わら半紙やチラシの裏、教科書の端に暇があるとデッサンをする、そんなキャラを。


昭和のファンに新しいものを受け入れてもらうには、12色の色鉛筆のエピソードがいい気がした。


昔、学校にもって行く色鉛筆にも貧富の差があった。金持ちの家の子は24色の色鉛筆を持ってきていたから。

これは昭和あるあるなエピソードだ。


あれは、本当に…破壊的に違いが出る。

見たことの無い色鉛筆が入っているのだから。そして、金と銀の色鉛筆!


欲しいと思ったが、手には入らないのは知っている。

そうなると、今度は怪しい理論で武装しようと人は考えるのだ。


色を構成するのは、わずか三色。赤、黄、青の三原色。


それは、目まぐるしく開発されるテレビのCMが茶の間の会話の隙を見ては宣伝してきた。


私は、その三原色で理論武装した。

それは、最新のパワードスーツのように格好いい理論であるが、選ばれた人間しか動かせない代物でもあった。


テレビのブラウン管が、三原色のみで、あんなに複雑な色を表現できたとしても、それが私に再現できるわけもない。


諦めかけたそんな時、飛んでもないニュースが流れてきた。


12色の色鉛筆で偽札を偽造した男が捕まったと言うものだった。

勿論、偽札を作るのも、札をコピーするのですら、犯罪になるし、その罪は重い。やってはいけないことだ。


が、そんな事は大蔵省の偉い人だってわかっているし、偽造が出来ないように、いくつものトラップを…あの小さな紙に仕込んでいるのだ。


だからこそ、紙幣を手にすると、なんだか(うやうや)しい気持ちになるし、紙幣は有り難みがあるのだ。


たった12色の…私ですら持っているアイテムで、商人を騙せるクオリティの紙幣を作り上げるなんて、信じられなかった。


そのニュースに雷に打たれたような気持ちになった。


12色の色鉛筆。

使い方次第では、物凄いことが出来るのだと。


そして、数年、私は三原色最強伝説に囚われて時代を無駄にした。


そう、私にはそれを扱える技術はどう頑張っても手に出来なかったのだ。

ただ、三原色は色を加算してゆくと黒に近づきくすむ事は理解できた。


私は、新型の人間ではなかった。

チートも超能力もない、ただのモブなのだ。昔見たアニメのモブの苦渋のセリフが脳裏に浮かんでは胸をついた。



が、絵を書くのは難しくても、24色の色鉛筆、パソコンによる着色に憧れる漫画家の気持ちを伝える文章は書けるに違いない。



と、ここまで書いて見て…

三原色の夢に囚われた昔と同じ過ちを犯していないかと、心配になる。


しかし…もうすぐ、新札が出回るけれど…ホログラムで、肖像画が動くんだよね…

時代は変わったわ

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